労働組合掲示板の役割

 みなさんの働いている職場には、労働組合掲示板がありますか。大企業ならたいがいはありますよね。零細企業では、労働組合そのものが無いところも多いので見たことない方も多いかもしれませんね。

 現在わたしたちは、職場の中に労働組合掲示板が欲しいと考えています。なかまユニオン小松病院分会の掲示板です。

 労働組合掲示板の役割は、まず第一には労働組合から組合員への連絡ということです。第二には、労働組合から組合員以外のさまざまな方への連絡ということです。組合員への連絡だけでしたら、場合によってはメールでもいいですし郵便でもいいわけです。しかしながら、職場の問題を「みんなで考えていこうよ。みなさんはどう考えますか」というような提案の場合には、やはり職場内の掲示板に掲示物が貼ってあるというのは効果的です。みんなでそれを見ながらわいわいと議論ができるからです。

 たとえば日本の社会では、長時間労働による健康被害の問題がありますよね。仕事のし過ぎで心筋梗塞や脳出血になったり、頚腕症候群や腰痛になったり、うつ病になったり、深刻な問題です。過労死や過労自殺もどんどん増えています。

 仕事のし過ぎに陥っている人は、仕事の義務感にとりつかれたような状態になってしまいます。自分で自分が危険な状態だとは気がつきません。ワーカーホリック(仕事中毒)といいます。こういう場合は、誰かが「仕事のしすぎは体に毒だよ」「長時間労働は病気をひきおこすって厚生労働省も認めていることだよ」「元気に長く働き続けたほうが会社のためでもあるよ」と言ってあげないといけないのです。

 わたしたちの職場の組合掲示板では、そのようなキャンペーンを行いたいと考えています。燃え尽きたようになって辞めていった人のことが忘れられません。みんなが気持ちよく末永く働いていけるような職場環境を作りたいのです。

 みなさんの職場には労働組合掲示板がありますか。言いたいこと、言わねばならないことを発言するようなスペースがありますか。私たちは、近いうちに必ず労働組合掲示板を実現します。みんなに喜んでもらえるような掲示物のアイデアがすでにつぎからつぎへと湧いてきているのです。

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職場復帰は本人にとって良いことか

 松下PDPの団体交渉のことを書いた記事に、いつも当ブログに良いコメントをいただいているれいさんから、次のような真剣な意見がよせられました。

少し疑問があります。
人権侵害については徹底的に糾弾して損害賠償なり慰謝料なりを請求するべきでしょうが、不当解雇を撤回させて吉岡さんという人を職場復帰させて、吉岡さん本人に何のメリットがあるんでしょうか?今後そのようなことがないように警鐘を鳴らすという面では意味があるんでしょうが、私個人的な考えとしては、そんな会社はさっさとこちらから見切りをつけて、新しい職場で能力を発揮するほうがご本人にとっても良いと思います。復帰しても合法的に不要な人材としての扱いしか受けないのは明白のように思いますから。
その点ではメリットを受けるのは支援している団体だけなんじゃないでしょうか。吉岡さんにとっての職場復帰はデメリットしかないように思います。

 この疑問は、すごく核心をついていると思います。会社に不当な扱いを受けて裁判に訴えたとしても、当事者である本人が望まないような結果になってしまったのでは、問題の解決にはなりません。労働問題の解決のしかた、解決のための運動の仕方を考えるうえで重要なポイントです。

 じつは、このあたりの問題に対する考え方は、様々な労働組合の中で意見がわかれるところなのです。わたしたち、なかまユニオンの考え方と、他のユニオンの考え方が一致しているとは限りません。

 わたしたち、なかまユニオンの基本的なスタンスは、問題に直面して被害を受けた当事者が納得できる解決を目指すということです。会社からいじめられて解雇されて許せないと思ったときに、慰謝料をもらって金銭解決をするのか、あくまでも職場に復帰することを会社に要求するのかは、最終的には本人が決めることなのです。

 本音では職場復帰はしたくないんだけど、裁判をするための建前として職場復帰を要求するというちょっとねじれたやりかたもあります。そういう場合には、「形式的に職場復帰した直後に円満退職」という形で会社と合意することもあります。妥協をせざるをえないことが多い現実社会の中で、これも一つの運動の進め方の方便なのですが、なかまユニオンはあまりこういうやりかたはお勧めしていません。

 なかまユニオンは、不当に解雇された本人がやはり元の職場に戻りたいという思いが強いときには、裁判でそのことを争うだけでは不十分だと考えています。その会社で現在も働いているほかの労働者との対話が必要になるのだと思います。対話の中で裁判の状況を会社で働く人たちに伝えます。逆に会社で今も起きている人権侵害の実態を聞き取って裁判や会社との交渉の中で訴えて改善させていきます。

 そうすることを通じて、人権侵害が再発しにくい状況を会社の中で作っていけるかどうかです。裁判は裁判所だけで行うものではなく、職場改革とも結びついて進行して行くものなのです。それが、なかまユニオン流のやりかたです。

 現在なかまユニオンの委員長をしている人も、労働組合をいやがる会社幹部による暴力を受けたあとで解雇されたという経験があります。裁判で不当性を訴え、結局は職場に復帰しました。いつのまにか暴力事件を起こした管理職のほうが会社を去っていました。今でも「残業が多くって忙しくってしかたないよ」と笑いながら会社に通っています。

 松下PDPの場合、吉岡さん自身がどんな思いで裁判を行っているか、吉岡さんにとっての職場復帰のメリットはなんなのか、またお伝えする機会をつくりたいと思います。

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松下PDPの団体交渉・人権侵害するなよなーッ!

 7月30日、天神祭りtyphoonのほとぼりもさめやらぬ大阪市内のとある会館で、吉岡力さんの不当解雇を撤回させるための松下プラズマディスプレイに対する団体交渉が行われました。

 またしても、松下プラズマディスプレイの人事担当参事のすてきなおじさまが相手heart。テレビドラマに出てきそうな絵に書いたようなコワモテ会社側弁護士も同席danger。どきどきします。

 なかまユニオンって、会社との秘密交渉はしない主義。いつも組合員がみんなで話し合いを行います。あまりにもみんなが好き勝手に言いたいことを言うので、松下のお偉いさんもちょっとマイッチングshock。というわけで、今回の団体交渉ではあらかじめ指定されていない人は発言を自粛することとなりました。おかげで小松病院分会の出番は無し。まー、ええけどさー、チョイつまんねー。

 人事担当参事がおっしゃるには、松下プラズマディスプレイの会社としては、最高裁判所で争っている間は何にも話し合いで解決するつもりはないんですって。いやらしーー。pout

 しかしながら、吉岡さんが解雇される直前に工場でひどい人権侵害を受けていたっていう事実については、大阪地方裁判所でも大阪高等裁判書でも認定されているのです。なおかつ、松下プラズマディスプレイが最高裁判所に提出した上告書にも、「人権侵害なんて無かった」なんて申し立ては一つも書いていないのです。つまり、「人権侵害があった」という事実については、争う余地が無く確定してしまっているのです。この問題だけでも、裁判の判決をまたずに解決の話し合いをもったほうがいいんじゃないのか、というのが松下プラズマに対するなかまユニオンのみんなからのお優しいアドバイスでした。

 吉岡さんが受けた人権侵害ってどういうこと?すごく気になりますよね。

 吉岡さんが偽装請負を告発して松下プラズマに直接雇用されてからのこと。吉岡さんは一人だけ隔離部屋に閉じ込められ、「リペア」という作業をさせられました。この「リペア」が曲者なのです。「リペア」とは、故障したものを修理することですね。吉岡さんが修理させられたのは、今はやりのプラズマテレビです。

 作成過程で不良品になったプラズマテレビの修理で、10ミクロン程度の大きさのゴミを竹串で取り除く作業だったのです。

 10ミクロン・・・・・ってよくわかりません。調べてみたら、1ミクロンは1000分の1ミリのことです。ってことは、10ミクロンって100分の1ミリの大きさかっ!小さッ!ちょっと待てよ、おい!大きさ100分の1ミリのゴミって目に見えるんか?それを焼き鳥に刺すような竹串で取れるんか?世界の松下が開発した超弩級スーパーハイテク竹串なら、そんな不可能な作業でも可能になるんでしょうか。マツシタのタケグシよぉぉ!おまえの力を見せてくれぇぇぇッ!

 当時の吉岡さんの上司ははっきりと言いました。「あってもなくてもいいようなどうでもいい仕事だ」つまり意味の無い作業ってことです。

 こういうのを人権侵害っていうのです。あってもなくてもいいような作業を一人だけ隔離してさせる、こんな酷いことは人間性の否定なのです。本人がどんなに落ち込むと思いますか。偽装請負を告発した吉岡さんを嫌って、会社ぐるみでイジメを行ったわけです。ヒドイ会社です。

 あー、腹立ってきた。松下プラズマディスプレイはひどい会社だっ!

 大阪高等裁判所は、こんなひどい扱いを許したらいけないという判断をして、松下プラズマディスプレイは間違いを反省して吉岡さんの解雇を撤回し職場復帰を認めるように命令する判決を出したのです。良いこと言うじゃんか、裁判所。

 私たちも団体交渉に参加してそのやりとりを聞くうちに、やっぱり吉岡さんが言っていることが正しくて、松下プラズマディスプレイが言っていることが外道で非道でだとわかってきました。

 吉岡さんのことを詳しく知りたい方は、「吉岡さんを松下電器の職場に戻し、人権侵害・不当な雇い止めをなくす会」が最近パンフレットを出版しましたので、それをお読みください。一冊1000円(カンパ込み)です。手に入れたいかたはなかまユニオンにご連絡ください。heart04

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吉岡さんの会のホームページはまだ準備中ですが、こちらです。若干のコンテンツがあります。

吉岡さんを松下電器の職場に戻し、人権侵害・不当な雇い止めをなくす会

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後期高齢者保険料で13倍もの差別

 こんな依頼がありました。

 みのもんたのテレビ「朝ズバ」見て、後期高齢者医療制度の保険料に13倍の格差がでるいう話、してたんやけど、なんでそうなるかテレビの説明を聞いても、いっこもわからへんねん。ちょっと解説してくれへん?。

 さっそく、「朝ズバ」のビデオ録画を見てみました。みのもんた氏の怒り心頭の顔がド迫力。よほど腹がたったのでしょうね。最近政府が発表した後期高齢者医療制度の見直し案を実行すると、保険料負担に極端な不公平が発生するという話です。

 不公平とは、例えばこういう話です。Aさん世帯は75歳以上の夫と妻の二人暮らしです。Bさん世帯も75歳以上の夫と妻の二人暮らしです。Aさん夫は昔はサラリーマンだったので、年間250万円という比較的たくさんの年金をもらえています。しかしAさん妻は専業主婦だったので、年間50万円の年金しかもらえません。とにかく、夫妻あわせてもらえる年金は300万円です。

 一方でBさん世帯は夫も妻も同じ150万円の年金をもらっています。夫妻あわせてもらえる年金は300万円です。ですから、Aさん世帯もBさん世帯も、世帯としてもらえる年金の額は同じなわけです。家計のやりくりは世帯でするものですから、二つの家族は同じ収入だと考えていいわけですよね。

 ところが、後期高齢者医療の保険料負担は、Bさん世帯は二人合わせて約1万円ですみますが、Aさん世帯はふたりあわせて約13万円もかかります。つまり、13倍の格差が発生するというのです。13倍とは極端です。13%ではありません、13倍です。たしかにおかしな話です。ほんまかいなと思いました。しかし、よーく調べてみると、どうも本当のことのようなのです。

 今回、政府が発表した後期高齢者保険料の減額制度を適用すると、Bさんのように年金支給額150万円の人は夫妻ともに保険料減額の対象者になるわけです。とりあえずは支払いが減ってよかったですね。ところが、Aさん夫は年金額が多いので保険料減額の対象者になりません。それだけなら話はまだわかるのですが、Aさん妻までもが減額の対象者からはずれてしまうというのです。なぜだーっ!

 常識的に考えれば、Bさん夫妻よりも年金額の少ないAさん妻も減額の対象者になっていいはずです。ところが、政府のつくった減額制度では「夫が減額の対象者ではない人は減額しない」という理由で減額されないのです。おかげで、Aさん世帯では夫も妻も減額の対象者にならず、結果としてBさん世帯よりも13倍の保険料を払わねばならなくなるのです。

 神さま、教えてください! Aさんはなぜ、13倍もの保険料を支払うはめになってしまったのでしょうか。いったい何が悪かったと言うのでしょうか。誰でも、その理由を知りたいと思いますよね。でも、理由は何もないのです。何の理由も無く差別されて不利益をこうむることになるのです。政府与党の考えた後期高齢者医療制度の見直し案がでたらめである、それしか理由はありません。

 これが、13%の差だったら、「ちょっとの誤差だから我慢してね」と言えるかもしれませんが、13倍の差、一年間で12万円もの差なのです。これは誤差の範囲にはおさまりません。

 そもそも無理があるのです。「後期高齢者医療制度の見直し」という方針に無理があるのです。発足当時から問題だらけの後期高齢者医療制度なんてきれいさっぱりと廃止して、一から作り直す必要があるのです。それを小手先の手品みたいにいじくってトリックでごまかそうとするから、こういうボロがでるのです。もう少しましな手品をして見せろっ!

 厚生労働省の官僚のみなさん。自民党と公明党のみなさん。悪いことは言いませんから、後期高齢者医療制度の見直しなんていう愚かな考えは今すぐ捨てて、一からやりなおそうではありませんか。今からでも遅くはないのですよ。すなおに過ちをみとめなさい。

 

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「モンスター上司」増殖の原因は

 こんな問い合わせをいただきました。

 週刊SPAに「モンスター上司」大増殖リポートという記事がでている。モンスター上司って言葉にぴったりくる奴が実際に多いんだけど、あれはどう思うか。

 週刊SPAは駅の売店でしか手に入らないので、さっそく買いにいきました。7/29号に「モンスター上司」の記事がのっていました。上司と言っても同じ職場で働く人なんだから、「モンスター」って呼ぶのもどうだかなーと思いながら、読んでみました。

 週刊SPAによれば、職場をギスギスさせるダメ上司が増えていると言うのです。「部下に何も教えずにダメ出しだけして退職に追い込む上司」「部下への指示がころころと変わるがそれを指摘すると逆ギレする上司」「そもそもみんなができるようなレベルの仕事ができずオロオロしている上司」などなど。

 たしかにいますねえ。先日このブログで書いた、アルバイト職員に「正社員にしてあげる」と言っておいて三日後には無かったことにしてくれと言ってくるような上司は、たしかに管理職として問題ありです。管理職としての発言は会社組織としての意思表示なのですから、雇用契約に関わるような人の人生を左右する大切なことで約束を守れないようではダメですよね。

 こんな話もあります。あるパート労働者の人が「辞めてくれ」と上司に言われたので、なかまユニオンとして「意に反して退職勧奨をするとは何事だ!」と経営に抗議したところ、経営上層部としては辞めさせるつもりなどは全く無く、人事権を持っているわけでもないその「上司」が独断でクビを言い渡していたことが判明。その「上司」は上層部には「本人から辞めたいと言うてきたンですわ」と報告していたというのです。

 このケースの場合、顧客の目の前であるにもかかわらず「辞めてもらわな困る」と大声で罵倒していたのを他の労働者が目撃していたという証言もありました。また、その「上司」の部下がここ数年のあいだに異常に大量に退職していっているという事実もあります。個人の独断と偏見による好き嫌いが優先し、ちょっとでも気に入らないことがあるとかたっぱしから部下を辞めさせていたと思われるのです。

 問題は、ではなぜこのような「モンスター」な上司が大増殖してしまったのかということです。

 さまざまな職場の実態を見て感じることなのですが、労働者を使い捨てにしたらいい、おさえつけたらいい、という発想が蔓延していることが、「モンスター上司」大増殖の原因ではないでしょうか。正社員を雇わずにパートやアルバイトに置きかえ、パートの替わりに派遣をいれるというやりかたそのものが問題なのです。パートやアルバイトに対しては教育研修もおろそかになりがちです。ですから上司が部下を育成するという責任感が無くなってきたのです。派遣も基本的に使い捨てですから、上司はどんどん無責任になります。

 企業は人が作るものです。企業組織を運営していくためには、管理職が組織運営をできるようにならねばなりません。「モンスター上司」の増殖は、組織運営をするためのトレーニングを受けていない責任能力のない管理職が増加していることを意味しているのです。

 成果主義の考え方も企業組織を破壊してしまいました。「自分だけが成果をあげればいい」「同僚が成果をあげないほうが得をする」「自分だけ成果をあげたように見せかけるためにこそ知恵をしぼろう」「困難な事業にとりくんだらなかなか成果があがらないから、難しい仕事は他人に押し付けよう」 こんな風潮が企業に蔓延したなかで就職して働いてきた人間が管理職になったとして、部下の素質をのばしたり人権を守ったり、力をあわせて困難な事業にチャレンジしていくよう部下をまとめあげていったり、できるわけがありません。

 7月25日、厚生労働省は「もっぱら派遣」の規制を強めることを決定しました。「もっぱら派遣」とは、「もっぱらグループ内の企業だけに人材を派遣する」派遣会社のことです。派遣会社のふりをしていますが、実態としては派遣会社とはいえず、労働者派遣法に違反するのです。本来は正社員として雇うべき人を低賃金で不安定な派遣社員の形態で働かせているからです。

 私たちは、派遣・請負やパート・アルバイトなど非正規雇用の抜本的な見直しを訴えます。働いている実態にみあった待遇を労働者は受けるべきです。労働者の使い捨てが、仕事に対して無責任な「モンスター上司」を増殖させてきたし、それは実は社会に対して無責任な「モンスター企業」の増殖をもたらしてきたのです。

 週刊SPAが書いているような、「モンスター上司とも仲良くやっていこうよ」という結論では、なぐさめにもならず、なんとも無力に感じますよね。職場でモンスターなパワーハラスメントの被害にあったら、まずはなかまユニオンにご相談ください。イジメに対してはきちんと抗議しなければ、加害者が反省することはありえないのです。首根っこをつかまえて目を覚ましてやりましょう。そのような抗議の積み重ねが、労働者使い捨ての風潮を一歩一歩無くしていくことにつながるのです。

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「MRIとってほしいんですけどー」って言われても困るんです

 週刊新潮が、あえて言う「後期高齢者医療制度」は絶対に必要だ、という記事を連載しています。現在本屋さんにならんでいる7/31号で5回目です。

 この連載の特徴は、日本の医療制度の抱えているシビアな問題点をいろいろと指摘しているところです。そして医療制度の改革が必要であると訴えていることです。後期高齢者医療制度によってその問題点が解決するかどうかはいっさい論証されていません。ところが、タイトルだけは記事の内容とは無関係に「後期高齢者医療制度は絶対に必要だ」となっています。著者の櫻井よしこさんが週刊新潮編集部のタイトルのつけ方に文句をつけないのが不思議でしょうがありませんね。

 さて、週刊新潮7/31号では、「日本の病院ではMRIやCTが多く使われすぎていて医療費が無駄になっているのではないか」という問題点が指摘されています。週刊新潮に同調するわけではありませんが、これが問題であることは病院に働くものとして日ごろから痛感しているのです。

 MRIもCTも体の断面の写真がとれるという検査装置です。今ではほとんどの病院にCT装置があります。MRIは高価な装置なので、全ての病院にあるというものではありません。そんな状況のなかで、病院の受付にいると、しばしばこんなお客様が訪ねて来ます。

来客 「あのー。MRIとってほしいんですけどー。」

受付職員 「どちらかの診療所からの御依頼でしょうか。」

来客 「いえー、違います。」

受付職員 「じゃあ、どこかお体の具合が悪いんでしょうか。」

来客 「いやー、別にどこが悪いっていうんじゃないんですけど、MRIとったら悪いところがすぐにわかるってテレビでやってたから、とってほしいなあって思って。」

受付職員 「MRIをとるためには、医師の指示が必要なんです。まずはお医者さんの診察を受けていただいて、具合の悪そうなところを相談していただいて、そのうえでどこのMRIをとるかが決まるんです。健康の不安があるんでしたら、まずは診察を受けて医師とよく話し合ってみていただけませんか。」

来客 「そうなんですか。病院にいったらすぐにMRIをとってもらえるんだと思ってました。また、でなおしてきますわ。さいなら。」

 CTは原子力発電所の原子炉の近くに行くほどの強烈な放射線被曝を伴う検査で、CTの被曝によって癌になる人が増加することが世界的に懸念されています。日本は世界のCT装置の3分の1が稼動しているCT超過密国家で、特に発癌の危険性が高いのです。MRIは磁気を使って体内の写真をとる技術で、放射線被曝の危険性はありません。ですから、MRIなら気軽にとってもらったらいいよって考える人も多いのです。

 しかし、MRIはSF映画にでてくるような絶対零度液体ヘリウムによって稼動する超伝導磁石を使うので、すごい電力エネルギーを使う検査装置なのです。お金もかかります。また、レントゲンのように一瞬で撮影できないのです。長時間がかかりますし、工事現場のようにうるさい騒音が発生する箱の中に閉じ込められて検査するので、我慢できずに途中でギブアップする人もいるのです。とうてい記念撮影をするような気分で出来るような気軽なものではありません。

 また、MRIは疾患の種類によって撮影方法が違います。たとえば、脳のMRIをとる場合でも、発生直後の脳出血を見つける目的で撮影する場合と脳動脈狭窄を見つける目的で撮影する場合では撮影方法が違います。ですから、医師が診察してある程度病気のめどをつけたうえで撮影しなければ、有効な検査はできないのです。

 MRIでうつす写真がどれくらい鮮明なものなのかは、磁力の大きさによってきまります。普通にデジカメで写真を写すときでも、フラッシュが強力かどうかで写真写りが鮮明かどうかが変わったりするのといっしょです。日本で最強のMRI装置は新潟大学にある7テスラの装置です。(テスラは磁力の大きさを現す単位) 全国の病院では1.5テスラ以上であればそうとう高性能なMRIだといわれています。ところが実際、ちまたの病院にあるMRI装置は0.5~1テスラ程度のものばかりです。もちろん、0.5テスラでも充分に役にたつ場合もあるのです。しかし、残念ながら0.5テスラでは写らない疾患があることも事実なのです。

 問題は、医療技術を報道するテレビ番組です。MRIで写真をとってもらえさえすればどんな病気でも一発で見つかるというようなタッチの報道で誤解を広めているのです。こんな誤解にもとづいて、「MRIのある病院はいい病院。MRIのない病院は劣った病院」と考える患者が増えているから、「0.5テスラのやつでもいいからとにかくMRI装置を購入しようぜ」と判断してしまう愚かな病院経営者があらわれてくるのです。

 実際は、MRI装置を持つ病院の中で4割の病院はMRIが赤字だと言われています。何億もするMRI装置を購入して月賦を払わなきゃいけないのに、現実にはMRI撮影を必要とする患者はそんなに多くはないからです。あちこちの病院がわれもわれもとMRI装置を購入したおかげで、どこの病院もMRIが経営を圧迫しているのです。そして、病院経営としては、本当は必要でなくてもとにかくMRI撮影を行なおうという指令を医者に発することになるのです。私たちの働く病院ではありませんが、ちょっとした頭痛だけでMRIをとろうなんていう病院が世間にはあります。結果は常に「異常は発見できず」です。無駄だとわかっていてお金を稼ぐためにとっているのです。

 これがMRIで医療費が無駄遣いされているという実態です。この陰謀をしかけたのはいったい誰でしょうか。みなさん、もうお分かりですよね。ジェネラルエレクトリック、東芝、日立などのMRI装置を販売する大企業です。

  週刊新潮もMRIによる医療費の無駄遣いのことを報道するのなら、東芝や日立がいかに「MRIをとってほしい」と誤解するようなウソ宣伝工作を行っているかの実態を取材して欲しかったです。

 

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アルバイトだって労働者だ!人間だ!

 なかまユニオンの組合員にこんな人がいます。会社のやり方が納得できなくて団体交渉をし、労働審判で争っています。みなさんはどう思われますか。

 専門学校を卒業してアルバイトで働き始めた。その時、1年間がんばったら正社員にしてあげるかどうか考えるよって言われた。1年間がんばって働いた。1年後の契約更新のときに、正社員になれますかって聞いたら、正社員にしてあげると言われた。ところが、二、三日したら、やっぱり正社員にはなれないからアルバイトのままで働いてくれと言われた。正社員にするという契約書はもらっていなかったけど、だまされた気がして納得できない。くやしい。

 「契約書をかわしてないんだから仕方がないんじゃないか」と考える人もいますよね。しかし、実は雇用契約は口頭での約束でも契約として有効なのです。口約束であっても、契約書が無くても、会社が「正社員にするよ」と発言したら、その約束を守る義務が発生してしまうのです。

 この方の場合、働き始めた時点で「1年間がんばったら正社員の道がひらける」と約束したこと、そして1年間たったときに「正社員にしてあげる」といったんは上司が発言したこと、つまり二回にわたって会社側が正社員にするという意思表示をしたという経過があります。ですから、これはどう考えても法的に有効な意思表示です。いったんは正社員にするという契約をかわしたのに会社側が一方的にこれを破棄したわけですから、会社側がおかしいということになります。

 「がんばれば正社員」と会社がいうのなら、その時点で正社員として採用する基準を明らかにする義務があるのです。「これこれの基準をクリアしたら正社員になれるよ、その可能性はアルバイトのみんなに平等に開かれているよ」というのならわかります。しかし、基準も明らかにせずに、管理職個人の独断と偏見で採用が決まるというのでは全然ダメなのです。そもそも正社員にする気なんてなかったんじゃないかと疑われてもしかたありません。

 問題は、「アルバイトに対して口約束をしたからって、それを守る義務なんてないじゃんか。」という発想が会社側にあるということです。これは日本の社会にしみついた発想ではないでしょうか。アルバイトで働くものを軽視する考え方です。アルバイト差別ではないでしょうか。

 今の日本社会では、専門学校を卒業しても正社員で働ける就職口はなかなかありません。アルバイト、パート、日雇い派遣というような非正規労働の就職口しかないのです。だとしたら、アルバイトであっても立派な労働者なのです。労働組合法も労働基準法も職業安定法も適用される立派な労働者なのです。

 安い給料で働かせたうえに、「がんばれば正社員」というエサをぶらさげて不満を押さえつけ、実際には正社員にする約束を守らないというのでは、アルバイトの人間は使い捨てということです。これは人間を人間として扱っていないということなのです。許せません。

 アルバイトだって労働者だ!アルバイトだって人間だ!労働者として扱え!人間として扱え!私たちは、このことを強く訴えます。

 

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しょうこりもなく週刊新潮がタイトル偽装

 あえて言う「後期高齢者医療制度」は絶対に必要だ というタイトルの連載が週刊新潮で行われています。櫻井よしこ氏が書いているのですが7/24号で4回目です。これが、ちょっとうんざりなんですね。

 週刊誌のタイトルのつけ方がいいかげんなのはよくある話です。本来はあまり目くじらをたてるものでもありません。しかし、週刊新潮のこの連載はここまでいくと悪質すぎます。なぜなら、記事の内容を読むと後期高齢者医療制度の必要性などこれっぽっちも書かれていないからです。

 7/24号の記事は、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツなど諸外国の医療制度について解説しています。この記事でも述べられているとおり、日本は世界でも最高レベルの長寿国としてしられていますし、WHO(世界保健機関)は日本の医療レベルの総合評価は世界一としています。それを医療費のGDP比わずか8%で実現しているわけですから、日本は大変安上がりの医療で成果をあげている国なのです。

アメリカは医療費のGDP比15%という巨額の医療費を使っていながら、一般の国民が充分な医療を受けられない国として有名です。とんでもない医療格差があるのです。SICCOという映画でも克明にえがかれていました。たとえば、9・11テロで懸命に救助活動をしたときにアスベストなどの有害物質を吸い込んだせいで肺の病気になった消防士たちが、検査を受けることも吸入薬を手に入れることもできずに苦しんでいるのです。

 厚生労働省官僚や政府与党が現在進めている「医療改革」のモデルはアメリカの医療です。へんですよね。明らかに劣悪な医療制度のことをお手本にするなんて、おかしすぎます。日本を沈没させるつもりでしょうか。アメリカのシカゴ学派が布教する新自由主義教にかぶれた狂信的カルトの連中が政治の世界にもぐりこんで策動しているからこういうことになるのです。

 イギリスではサッチャー首相の時代にアメリカをまねした「医療改革」を行いました。これが大失敗で医療崩壊が発生し、イギリス人はフランスに行かないと医療を受けられないというようなたいへんな事態になりました。日本でも、今日の医者不足というような医療崩壊の原因となったのは政府与党のすすめた「改革」だったのです。

 諸外国の事例を知れば知るほど、日本の後期高齢者医療制度がとんでもない売国的で人間無視な制度であることがわかります。週刊新潮は正しいタイトルをつけて欲しいものです。こんなのが妥当ですね。あえて言う「後期高齢者医療制度」は日本滅亡に必要だ

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なかまユニオン定期大会

 7月13日、なかまユニオン第11回定期大会が開催されました。「いったいこいつら何者じゃ??」と世間を騒がせているらしいなかまユニオンですが、その定期大会は有名ホテルなどではなく、大阪市内の猪飼野に程近い住宅街の小さな庶民的な会館で行われました。

 「なかまユニオン」って名前がダサいという人もいます。いまどき「なかま」なんてはやらないよと言う人もいますね。しかし、私たちはこの名前はなかなかセンスがいいと思っています。

 南アフリカで黒人解放運動を指導していたデズモンド・ツツ司教という人がいます。南アフリカの黒人差別制度をなくすために頑張った人です。そのツツ司教がこう語っていました。「私たちが勝とうと言うとき、それは誰かを打ち負かそうと言っているのではない。なかまを勝ち取ろうと呼びかけているのだ。」

 なかまユニオンの労働組合運動は、会社に因縁をつけてねじこんでお金をふんだくる運動とはちょっと違うのです。不正と腐敗がはびこる資本主義の社会の中で働くものが励ましあい助け合うなかまを広げていく組合運動なのです。フツーの労働者がお互いの気持ちを酌みあってこそ組合運動です。それが「なかま」という名前をつけている意味合いなのです。

 定期大会では、松下プラズマディスプレイに対して吉岡さんの不当解雇を撤回させる運動を広げていこうという方針が提案されました。偽装請負とか違法派遣とか、会社が儲けるために労働者を使い捨てにする脱法制度でしかありません。「まともな働かせかた」を日本の社会で根付かせなければ、この国は誰も働く人がいなくなって滅びてしまいます。

 大阪府が府立学校の非常勤職員346人を一方的に解雇しようとしている問題についても報告がありました。大阪府の赤字の原因であったりんくうタウンの問題は放置したところで必要な人員を削減することで帳尻を合わせるというのでは、何の解決にもなりません。

 人気タレントの橋下知事ですが、バックについているブレーンの連中はそもそも大阪府を解散したらいいと考えているらしいのです。どうせ大阪府は解散するのだから、大阪府がやってきた行政サービスももうしなくていいんだという考え方だというのです。橋下知事に一票入れた人も、まさか大阪府解散をたくらんでいるなんて予想していないはずです。

 「大阪府の解散なんて出来るわけないじゃん!」って思いますよね。地方自治体の解散なんて、変なイデオロギーです。でも、自民党の中にはそれをまじめに追求している狂信的グループが存在しているんですよ。どうにかしています。

 私たちは、ともに生きて行くなかまの生活を脅かし社会の絆をバラバラにするようなたくらみを許さないために、これからも情報を発信しつづけていきます。

 なかまユニオン全体のホームページがもう一年も閉じたままなのですが、近日中に再建する予定です。こちらもお楽しみにしてください。

 

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神様のパズルのように難しい見直し案

 後期高齢者医療制度の見直し案について、厚生労働省のホームページに説明が出ているんですよ。もう皆さんはごらんになりましたか。国民の理解がえられないのは報道がまずいからだとか言い訳だらけで見苦しいですよね。

 このホームページの説明がね、すっげーわかりにくいの。この見直し案については、もうすぐ役所からお知らせの通知が各人の家に届くそうなのですが、これは難解。まるで神様のパズルです。厚生労働省は宇宙創造をたくらんでいるのでしょうか。

 こんな難解な見直し案についてお年寄りに説明しなきゃならない市町村の窓口担当者の皆様、どうかお体を大事にしてください。この見直し案を読解するだけでもそうとうの精神的ストレスになることまちがいありません。頭がビッグバンしないようにお互いに気をつけましょうね。

 たとえば、こんな図が掲載されているんですが、これの意味わかりますか。図をクリックすると拡大します。

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«75歳以上を医療費無料にする財源は