パナソニック若狭は河本さんの正社員雇用を認めろ

 7月10日、午前11時より福井地方裁判所において、パナソニック若狭に対して正社員であることを認めるよう求めた河本猛さんの裁判の第二回公判が行われます。

 河本猛さんは、6月20日に大阪で開催されたパク・ジョンサンさんとの交流会に参加されました。私たちはその場で河本さんにお会いしてそのお話を聞き、支援したいと思いました。

 河本さんは2005年から4年以上にわたって、福井県の敦賀にあるパナソニック若狭工場で働いてきました。最初は「派遣」として雇われ、途中から「請負」に切り替えられました。

 昨年の10月、全国的に吹き荒れた派遣切りの暴風雨の中で、パナソニックは若狭工場でも一方的に大量の派遣切りを通告してきました。

 「くやしい!」

 夜も昼も問わず会社のために頑張って働いてきたみんなが、なぜ「派遣だから」という理由だけで一方的にクビを切られるのか、河本さんは納得がいかず、福井労働局と「地域労組つるが」に問い合わせをしました。

 そして、請負が「偽装請負」の状態であったこと、4年以上同じ工場で働いてきたので河本さんを正社員にする義務が会社にあることを始めて知りました。

 河本さんは「地域労組つるが」に加盟してパナソニック若狭に対して正社員であることを認めるように申し入れました。ところが、パナソニックは「河本さんはうちの社員じゃないからな」と言って話し合いの場にすらでてきませんでした。そして「そんなに派遣や請負がいやなら、数ヶ月間だけの期間限定の時給の安いアルバイトにならしてやってもいいけどなあ」と言ってのけたのです。

 こんなに人を馬鹿にした話はありません。そこで、河本さんは裁判に訴えたのです。

 パナソニック若狭には河本さんを正社員として雇う義務があります。というか、法的にはすでに河本さんはパナソニック若狭の正社員であるはずなのに、会社が法を無視してそれを認めようとしないだけなのです。

 派遣労働というのは、あくまでも一時的なものとして許可された雇用形態です。だから、派遣労働は3年以内という制約があるのです。もし、3年を越えて働かせる必要があるなら、正社員として雇いなさいよというのが労働者派遣法のルールです。

 このルールの抜け道として、派遣労働者を形式的に「請負労働者」として扱うことで正社員化をしなくていいようになるとパナソニックは思ったわけです。

 しかし、職業安定法には黙示の労働契約という制度があります。

 会社が派遣契約を踏みにじって、派遣労働者に正社員と同じ仕事のさせかたをした場合、たとえ契約書を書き換えていなくても、その時点で会社とその労働者とは黙示の労働契約を結んだという扱いになるのです。つまり自動的に正社員になるのです。

 会社が請負契約を踏みにじって、請負労働者に正社員と同じ仕事のさせかたをした場合、たとえ契約書を書き換えていなくても、その時点で会社とその労働者とは黙示の労働契約を結んだという扱いになるのです。つまり自動的に正社員になるのです。

 河本さんは、職業安定法に定められた黙示の労働契約の制度によって、すでに正社員の地位にあります。パナソニックは法律を守り、河本さんを正社員として認めるべきです。

 私たちは、7月の26日から31日まで、パナソニック抗議の全国総行動週間を決行します。労働者を人間扱いしないパナソニックの違法行為に抗議して全国でたちあがった仲間が一斉に大キャンペーンを行います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

パクさん最高!韓国の非正規労働運動と交流

 6月20日、なかまユニオンは大阪市内で派遣労働なくせ!日韓労働者交流集会を開催しました。

 集会には、ソウルから全国非正規労組連帯会議執行委員長のパク・ジョンサンさんが参加しました。パク・ジョンサンさんって、波乱万丈、めっちゃおもしろい人です。

 パクさんはケーキが焼けます。パン屋さんで職人として働いていたことがあるので、今でも材料と道具さえそろえばすぐにでもケーキが焼けてしまうというのです。

 パクさんは俳優の経験があります。劇団に所属していたことがあるので、演技も照明技術もバッチリだそうです。パクさんの表現力豊かなトークは、俳優の経験でつちかわれたものなのですね。

 パクさんは軍隊の経験があります。コワーッ!っていうことはありません。韓国には徴兵制があるので、男性にはほとんど軍隊経験があるのです。

 パクさんはおが苦手と言います。そのくせ芋焼酎をストレートでいっきに飲んでしまいます。韓国人の男性は焼酎を水やお湯で割ることは潔くないと感じる文化があるようです。

 パクさんは文化祭が大好きです。というのは、韓国では夜は労働組合の集会をしてはいけないということになっているので、パクさんたちは日が暮れるとろうそくを持って集まってきて、歌いながら「非正規労働者も人間だ。クビを切るな。労働者の生活を守れ。」と叫ぶ文化祭をするのです。集会は禁止されていても文化祭は禁止されていないからです。

 おかげで、パクさんは警察官と仲がよくなってしまいました。「こんなもん、文化祭ちゃうやろ!集会やんけ!今すぐ解散しなさーい!」と警察官がパクさんに怖い顔でつめよってくるからです。韓国の警察官はコワいですね。でも、パクさんは「クビを切るのは殺人と同じだ!みんなで抗議する文化祭をしてなーにが悪い!」と一歩も下がりません。

 おかげで、パクさんは刑務官とまで仲がよくなってしまいました。でも、大丈夫。日本からなかまユニオンの人が激励の面会に来るので、パクさんは一躍、刑務官のあいだでもうわさの有名人になってしまいました。

 パクさんは言います。韓国では「非正規職保護法」が2007年7月1日に作られました。これは、非正規労働者が権利が無い状態であるため、「保護しなきゃいけない」という趣旨で作られたものです。

 「非正規労働者は、働いて2年たったら正職員として雇うようにすること」と「非正規職保護法」は定めました。すごーい!これで非正規労働者の雇用は安定するのではと誰もが考えました。

 ところが、それからというもの、韓国の会社は派遣労働者が働き始めて1年11ヶ月たつと、かたっぱしから解雇してしまうようになったのです。

 パクさんは、このような派遣労働者使い捨てに反対しています。「非正規職保護法」から2年を迎える6月30日に大規模な抗議行動を行うそうです。みんながつけるバッジにはこう書いてあります。「解雇は殺人だ!」

 6月30日のテレビニュースにはパクさんが映るかもしれませんよ。みんなで注目しましょうね。

 

 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「新形インフルエンザウイルス」の正体は古くさい「Aソ連型」?

 「新型インフルエンザ」騒動ですが、大阪ではちょっと緩和されてきました。私たちの病院に設置されていたインフルエンザ隔離部屋も、使用実績がほとんど無いので解除されました。

 今、医療現場で話題なのは、60歳以上の人が今回の「新型インフルエンザ」にはほとんど感染しないという事実をどう考えるかになっています。「新型インフルエンザ」に感染した患者を統計的に調べると、圧倒的に60歳以上が少ないのです。

 60歳以上の人が、すでに「新形インフルエンザ」への免疫をもっているのだとしか考えられません。人は、小さい子供の時に体に入ってきたウイルスへの免疫を強力に獲得することが知られています。ということは、60歳以上の人が小さい子供の時に、「新形インフルエンザ」への免疫を獲得していたと考えるのが自然なことなのです。

 今問題になっている「新形インフルエンザ」ウイルスが60年くらい前にすでに流行していたインフルエンザウイルスだったとしたら、それは「新形」と呼ぶのは間違いじゃありませんか。

 「新形インフルエンザ」ウイルスはサブタイプがA型N1H1なわけですが、A型N1H1といえば60年も前から流行を繰り返してきた季節性インフルエンザの「Aソ連型」ではありませんか。実は「新形インフルエンザ」の正体は「Aソ連型」ではないのか、新形でもなんでもないのではないのか、これが医療現場で日々苦闘している者が知りたいことなのです。いったい真実はどうなんでしょうか。

 もし、「新形インフルエンザ」ウイルスがAソ連型であるなら、「パンデミック」だとか「高病原性」とか騒ぎ散らして世界の経済がめちゃくちゃになったことには、なんの意味もなかったことになります。世界のウイルス学者に求められていることは、「新形インフルエンザ」ウイルスがAソ連型と違うものだという証拠を提示できるのかどうなのかなのです。 

 今からでも遅くはありません。本当のことを語ってください。間違ったらすぐに間違いを認めることのほうが人間として正しいことなのです。どなたか、ウイルス学の専門家の方に、明快な回答をお願いしたいものです。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アクセス15000ありがとうございました

 このブログのアクセスが15000を越えました。ありがとうございました。

 アクセス解析を見せていただきますと、最近の検索ワードは「パワーハラスメント」がトップ。ついで「インフルエンザ」です。「小松病院」での検索も多いですね。

 私たちは5月16日に職場のパワーハラスメント対策の学習会を開催しましたが、その後もパワハラ対策についての研究を進めています。日本にはパワーハラスメントそのものを規制する法律がまだ無いので、簡単には話が進みません。

 職場のパワーハラスメント対策には次の4つの分野があると思います。

 ①被害者対策 ②加害者対策 ③企業対策 ④社会対策

 被害者対策がまずは必要で、被害者の健康を守ることが何よりも優先します。加害者によるしつこくて悪魔的ないじめの連続のおかげで、被害者は「うつ状態」に陥り、「自分が悪い」という自責の念にかられます。場合によっては退職や自殺などの最悪な事態も起こりうるので、早い時期の対策が必要です。

 加害者対策は、加害者がパワハラをやりにくい状況を作るということです。パワハラをやりたい放題の職場状況があれば、加害者はどんどんつけあがります。「あなたのやっていることはパワハラであって許されないことなんだよ」と誰かがはっきりと伝えることが有効なこともあります。ただ、中途半端な下手なやりかたをすると加害者が逆ギレしてさらにいじめが激化することもあるので、要注意です。

 企業対策は、パワーハラスメント防止の企業内研修会の開催などが主な内容になります。企業経営が「当社はパワハラは容認しない」というメッセージをはっきりと出すことで、職場のパワハラが減少するのです。

 社会対策は、ヨーロッパ諸国ではあたりまえに存在する「パワハラ防止法」を日本でも作る運動をおこすことがポイントです。日本では、職場のパワハラにたいする認識が甘すぎるのです。「痴漢は犯罪です」というポスターが駅に貼ってあるように、「パワハラは犯罪です」とみんながあたりまえに思う社会にすることが必要です。

 私たちは、これらの4つの分野で労働組合の果たすべき役割が大きいと考えています。派遣切りが横行する社会では、いじめがなくなることは期待できません。企業独裁者どもの横暴を許さず、安心して働いていける職場を作るためには社会的な運動が必要になっています。

 みるめ君の労働相談箱は、これからも情報を発信し、行動していきます。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

サイトカインストームが発生しているのは日本社会のほう

 病院には、ちょっと風邪ぎみの人が「私がインフルエンザではないことを証明してほしい。インフルエンザウイルスの検査をして、インフルエンザではないと証明して欲しい」と訴えてやってきています。

 残念ながら、「インフルエンザではない」という証明をすることは医学的にはできません。なぜなら、インフルエンザにかかっていてもインフルエンザウイルス検査では検出されないことがいくらでもあるからです。症状だけで言えばインフルエンザは風邪と全く同じなので、区別することができません。この人の言っていることは無理な要求なわけです。

 インフルエンザというのは、なんだかんだ言ってもようするに風邪であって、高熱が出ることもあれば出ないこともあります。知らない間にインフルエンザにかかって治っていたということもいくらでもあります。感染をしてもウイルスが増殖する前に検査をすればウイルスが検出されないこともいくらでもあります。もともと、白黒はっきりするような病気ではないのです。エボラ出血熱とは違うのです。ですから、水際作戦でウイルスの侵入を止めることなんて、はじめからできるはずがない代物なのです。

 問題なのは、なぜ「インフルエンザではない」ことを証明してほしいとこれほど必死になって訴える人が現れるのだろうかということです。

 それは、今の日本の社会がインフルエンザ患者を差別し排撃する社会になってしまっているからではないでしょうか。インフルエンザにかかってしまった人がいたら「お気の毒、お大事に」と気遣うよりも、「けしからん、こっちへ近寄るな」と攻撃する社会になってしまっているのです。変ですよね。インフルエンザ患者はまるで「テポドン」のように扱われています。

 マスクが売り切れていて買えなかった人が、電車に乗るときに肩身が狭い思いをしなければならないって、おかしくありませんか。咳もくしゃみもしていない人がマスクをしていなくても、風邪をうつすはずがないじゃないですか。

 新型インフルエンザA(N1H1)は、感染力も毒性も通常の風邪となんらかわりがありません。メキシコで死者が出たのはメキシコの医療体制の不備でしかありません。それを強毒性の感染症とごちゃまぜにして対策をしようとするからおかしいことになっているのです。

 本当に、みんなが楽しみにしていた修学旅行を中止する必要があったのでしょうか。浜崎あゆみのコンサートを中止する必要があったのでしょうか。全然感染者がでていない市町村までも一律に学校を一週間休校にする必要があったのでしょうか。おおいに疑問です。インフルエンザのせいで会社の操業が休みになったからと、賃金カットされて生活に苦しむ人もあらわれてきました。

 社会的なサイトカインストームが発生しているのです。サイトカインストームとは、人間の体の中に病原体が入ってきたときに、免疫物質であるサイトカインが異常に増殖してしまって、自分の体の組織をかえって傷つけてしまう現象です。新型インフルエンザに感染すると、このサイトカインストームが発生して死にいたる可能性があるのだと、一部の学者は説明していました。ところが、実際には免疫反応の過剰反応は患者の体の中ではなく、日本の社会の中で発生しているのではないでしょうか。インフルエンザを予防しようとするあまりに、日本人は疑心暗鬼のかたまりになり傷つけあっています。日本の経済活動はがたがたになりかけています。

 舛添大臣に訴えます。インフルエンザワクチンやタミフルでぼろもうけしてきた製薬企業の利益など、もうどうでもいいではありませんか。「新型インフルエンザは、たんなる風邪だった。なにも心配要らない。」と今からでも遅くないから認めるべきなのです。

 インフルエンザウイルスの人から人への感染を完全にシャットアウトすることはできません。これまで全く効き目がなかったインフルエンザワクチンを大量生産するなどと愚かなことを厚労省は言っていますが、今回も効き目は期待できません。これから一年以内に、日本人のほとんど全ての人が新型インフルエンザに感染することになるのです。みんなが感染するのです。たとえ感染したとしても、それは風邪であるわけですから、適切な治療をすればいいのです。

 免疫不全などの基礎疾患を持っているハイリスク患者や乳児・高齢者への対策をおこたらないことは必要です。そして、貧困で栄養不良・衛生不良になっている人の生活を改善し、働きすぎで過労にならないように労働状況を改善すれば、たとえ感染しても発病を防いだり軽症でおさえることが可能なはずです。

 社会的サイトカインストームを止めることが、今は必要です。いったん始まってしまった免疫反応の暴走を止めるには、ステロイド投与が必要なのかもしれません。この混乱を収める責任は厚労省と日本政府にあります。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

パワハラに悩んで辞めてしまう前に

 5月16日、大阪市内でなかまユニオン学習会「パワハラに悩んで辞めてしまう前に・職場のパワーハラスメントその実態と対策」を行いました。

 学習会には、大阪ふたば法律事務所の大橋さゆり弁護士に来ていただき、お話をしていただきました。

3  この4月に、精神障害についての労災認定基準が10年ぶりに見直され、「職場でのひどいいじめ」が精神障害をひきおこす心理的ストレスの原因としてはっきりと認められました。

 職場のいじめが原因で病気になってしまって会社を休むようなことになった場合、労災として認めてもらえればいろいろな意味で有利です。しかし、労災として認定されるためには証拠が必要となります。

 いじめが原因で会社を辞めてしまってから、いじめた人間や会社をあいてどって慰謝料を求める民事裁判を起こす人もいます。この場合も証拠がなければお話になりません。

 ところが、本人が病気になって寝込んでしまっていたり、会社を退職してしまったりしたあとになって、証拠を探そうとしても見つからないことが多いのだそうです。

 上司がメールを使って部下にいやがらせをした事件では、メールという証拠が残っていたので裁判で勝てたそうです。メールには日付や時刻も入るので証拠としては確実性が高いのです。しかし職場のいじめは口頭でおこなわれることが多いので、証拠が残りにくいのです。いじめの実態を記録し、証拠に残すにはちょっとした工夫が必要です。

 職場のいじめに対して裁判をおこすにしても、病気になる前、退職する前にするのが良いのです。そもそも、本来は病気になったり辞めさせられたりする前にいじめそのものを止めねばなりません。企業には労働者の健康と安全を守る義務があるので、職場のいじめがあった場合にはそれを止める義務があるのです。最近ではパワーハラスメント防止の管理職研修会を実施する企業も増えてきました。

 大橋弁護士は「職場のいじめをなくすための労働組合の役割に期待する」とおっしゃっていました。職場のいじめ、パワハラ問題にくわしい大橋さゆり先生のホームページです。

大阪ふたば法律事務所

 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

新型インフルエンザパニック・病院現場で現在進行中

 寝屋川の高校生が新型インフルエンザの感染患者になったということで、私たちの職場にも近いその高校には報道陣が押しかけてたいへんな騒ぎです。生徒さんの勉強のじゃまになるし近隣の住民にも迷惑です。報道陣も良識をわきまえていただきたいものです。

 病院には、「メキシコ・アメリカ・カナダ以外の国に最近行ったんだけど風邪をひいたみたいだから、念のため診てもらえないか」という患者が来院してきています。メキシコ・アメリカ・カナダに渡航歴があれば、国の定めたマニュアルどおりに対処しなければならないのですが、それ以外の国に行った患者の場合にどう対応するかは各病院にまかされています。「どうしたらいいんですか」と保健所に聞いても、「自分で考えてください」という返事しかもらえません。

 病院としては、メキシコ・アメリカ・カナダ以外の渡航者であっても、もし新型インフルエンザであったということがあとでわかれば大変な騒ぎになるので、とりあえずは隔離せざるをえません。隔離するためには隔離部屋も用意しなければならないし、たいへんな手間がかかります。今、病院では管理職が総出でその対策に追われています。インフルエンザの患者は日曜日や夜中に救急でくるかもしれないので、休日返上の大騒ぎになっています。

 新型インフルエンザを確認するためには三段階の検査を行います。一つ目はインフルエンザ迅速診断という簡単な検査で、「A型ウイルス検出」「B型ウイルス検出」「ウイルス検出せず」の三つのどれかということが、短時間でわかります。この検査は保険がきくし、たいていどこの病院でもしてもらえます。二つ目はPCR法というインフルエンザウイルスのDNAを調べる検査です。これをすると、「A香港型」とか「Aソ連型」とかがわかります。これは専門の検査センターでしてもらいます。PCR法で「香港型」でも「ソ連型」でもないとなったら、三つ目の新型インフルエンザウイルスと全く同じウイルスかどうかを精査する検査を行います。これは保険がききませんし、よっぽど新型を疑った場合でないと実施してもらえません。

 現在問題になっているのは、PCR法を実施する体制が追いついていないということです。検査には試薬が必要ですから、実施できる数には限りがあります。現在の日本では、メキシコ・アメリカ・カナダに渡航した人でインフルエンザにかかった人を検査するくらいしか数がないのです。というわけで、メキシコ・アメリカ・カナダに行かなかった人は、PCR法によるウイルス検査を希望しても拒否されます。検査してもらえないわけです。

 舛添大臣は、「メキシコ・アメリカ・カナダに行った人」に対しては強力な「水際作戦」をしているとアピールしていますが、それ以外のところからウイルスが入ってきても検査もしてもらえない状態なのです。感染者と同じ飛行機に乗り合わせた人が十日間も予防拘禁されて不自由な状態で苦しんでいますが、一方ではウイルス検査すら実施してもらえない実態があることと比べると、なんとも不釣合いな気がします。

 そもそも、新型インフルエンザは通常のインフルエンザと感染力も毒性もたいした変わりがありません。そんなに恐怖するべきものではないのです。「新型インフルエンザで何百万人も日本人が死ぬ」などとでたらめを流布しパニックを煽ったしょーもないテレビ番組に踊らされてはいけません。

 インフルエンザウイルスは人類とは共生関係にあるウイルスですから、どんなにがんばっても感染を完全にはくいとめることはできません。スペイン風邪で何千万人もの死者が出たのは、世界戦争によって社会機能が崩壊していたからです。栄養状態と衛生状態と医療へのアクセス、この三つを確保すれば、インフルエンザによる死者をなくすことは可能なのです。失業をなくし、低所得者が医療を受けやすくすることしか解決の方法はありません。

 また、インフルエンザ患者を受付した受付職員がその場で感染予防のためにタミフルを飲んだら、二時間後に嘔吐したという事件が昨日発生しました。タミフルの副作用だったのかもしれません。

 タミフルの副作用については、子どもの異常行動で死者まで出たために、今も厚生労働省で研究が続いています。「脳に悪影響のあるタミフルは禁止すべきだ」と考える医師もいます。タミフルは神経系への副作用があるようですので、気分がわるくなったり嘔吐したりという副作用は充分に考えられます。

 また、タミフルは妊婦への安全性は確認されていません。マスコミの宣伝のおかげでやたらとタミフルを欲しがる人が増えているのですが、使うにしても慎重に投与すべき薬であることは間違いありません。

 タミフルの副作用についての研究は、医薬ビジランスセンターのホームページが詳しいですね。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

パナソニックPDPに吉岡力さんを戻す署名にご協力ください

 4月25日、パナソニック・プラズマディスプレイ偽装請負事件大阪高裁判決1周年集会が大阪市内で開催されました

Img2  吉岡力さんが不当解雇の撤回を求めてパナソニックPDPを訴えた裁判の大阪高裁判決の重要なポイントは「黙示の労働契約」が成立していたという判断をしたことです。

 「黙示の労働契約」とはどういうことか。契約書がどうなっていたかというような書類上の形式的なことはさておいて、実態でもってパナソニックPDP社が吉岡力さんを働かせていたからには、吉岡さんはパナソニックPDP社の社員であって、かってにクビにはできない、ということなのです。契約書はなんとでもでっち上げできますが、吉岡さんがパナソニックPDPで働いていたという事実はくつがえせないのです。

 最近は「派遣」とか「請負」とか「契約社員」とか「アルバイト」とか、いろんな働かせ方があってややこしいのですが、紙の上ではどんな名目になっていようが労働者を実際に働かせて金儲けをしていた企業が雇用責任を負わないのはおかしいことです

Img4  派遣労働者は「派遣元」の社員であって、派遣切りにあっても「派遣先」企業は知らないよ。そんな責任逃れをするケースが多いのです。でも実際には派遣切りは「派遣先」企業が「もう来ていらない」と言うから実行されるわけで、真の責任は「派遣先」企業にあるはずです。

 大阪高裁判決は吉岡さんが働いていた実態を調べた上で、吉岡さんの雇用責任は「派遣先」であるパナソニックPDP社にあるのだと判断したのです。

Img3  一年前の大阪高裁判決は、社会的に大きな波紋を引き起こしました。「派遣だからクビにされてもしかたないよなあ」とこれまでならあきらめていた全国の人たちが「おかしいことはおかしい」と立ち上がったのです。三菱重工で偽装請負で働いていた圓山浩典さんもそんな方のお一人です。

 圓山さんは現在、正社員としての雇用を求めて三菱重工を訴えています。偽装請負だったということは、三菱重工とのあいだに「黙示の労働契約」があったと考えることができるからです。

 集会にはパナソニック電工と闘う佐藤昌子さんをはじめ、パナソニックエコシステムズや松下冷機と闘う当事者が集まり、「派遣」という「人を物品扱いする」おかしな働かせ方をなくしていこうと呼びかけました。

 現在、私たちは吉岡さんを職場に戻すための最高裁判所あての署名を集めています。下記から署名用紙がダウンロードできます。ぜひ署名を集めて、なかまユニオンあてに送ってください。アルビルで開催された国際労働者大会で集められた英語版、アラビア語版もあるので、外国のかたにも署名をしていただけます。ご協力おねがいいたします。

署名用紙(日本語)「yosioka_shomei_japanese.pdf」をダウンロード

署名用紙(英語)「yosioka_shomei_english.pdf」をダウンロード

署名用紙(アラビア語)「yosioka_shomei_arabic.pdf」をダウンロード

| | コメント (0) | トラックバック (0)

新型インフルエンザ・ウイルスよりパニックのほうが怖い

 新型インフルエンザA(H1N1)のことで日本全国の病院でパニックになる人が多発しています。メキシコで発生したいわゆる豚インフルエンザの騒動です。

 こわいですよ。病院関係者の中でも、新型インフルエンザについて正確な情報を勉強することなく、風評パニックに陥っている愚か者がたくさんいるのです。

 「最近外国に行った人が風邪の症状があらわれた場合、病院では診察しません」というようなおかしな事態がすでに発生しています。厚生労働省が指定している「新型インフルエンザが蔓延している国または地域」は今のところメキシコ・アメリカ・カナダの三ヶ国です。ところが、インフルエンザパニックに陥っている人は「外国人はすべて危険だ。外国に旅行した人間はすべて危険だ」と言って、インフルエンザとは関係ない地域に行った人であっても、むやみやたらと病院からしめだそうとしているのです

 患者を守る立場の医療人である本分を忘れて、まったく関係ない患者までも死神のように恐れて攻撃するやつが現実にあらわれてきていることが、本当に危険なことなのです。

 厚生労働省が呼びかけているのは、今のところメキシコ・アメリカ・カナダの三カ国から帰国して10日以内に風邪症状がでたら、保健所に連絡してくれということです。

 新型インフルエンザA(H1N1)ですが、症状は通常の風邪とかわりありません。

 メキシコでインフルエンザによる死者が大量に出たということが今回の騒動の発端なのですが、メキシコのインフルエンザ死者は、免疫力が落ちるHIV感染者(エイズ患者)や糖尿病患者が多いのです。もともと病気をもっていて抵抗力が落ちた人は単なる風邪でも命をおとすことがあります。要注意なのはまちがいないですよね。でも、それは豚インフルエンザが強毒性だということではありません。

 また、高熱がでたのに二週間も病院にいかずに放置したために肺炎をおこして死亡したというケースもあります。これは、メキシコの医療体制の貧困さを示しています。貧困層が病院にかかれないような国だから、たかがインフルエンザで死者が続出するのです。

 何千万人もの死者をだした1918年のスペイン風邪のことをひきあいに出して、スペイン風邪と同じH1N1型の豚インフルエンザウイルスは強毒性だと言う無責任な人が今でもいるのは、たいへん情けないことです。医療体制も崩壊した第一次世界大戦の戦場で流行したスペイン風邪のような災厄を繰り返したくないのなら、戦争と貧困を世界からなくすことのほうが先決なのです。

 すさまじいのは、「豚肉を食べると豚インフルエンザにかかる」などというでたらめをいまだに信じている人がいることです。インフルエンザウイルスは、動物の気道粘膜の中でしか生きることができません。ですから、空気中のウイルスを吸い込んで気道粘膜に付着することで感染するのです。豚肉の中にインフルエンザウイルスが混ざっていることはありえません。また、かりにインフルエンザウイルスが豚肉に入っていても、豚肉は火を通して食べる食材なのでウイルスは死滅してしまいます。かりに豚の生肉を食べても、胃袋をはじめとする消化管ではインフルエンザウイルスは繁殖しません。豚肉でインフルエンザに感染することなどありえません

 こわいのは、新型インフルエンザウイルスよりも、インフルエンザパニックです。舛添大臣もずいぶんパニックにおちいっていましたよね。「みなさん、冷静に!冷静に!」って深夜に記者会見してましたけど、冷静になってほしいのは舛添大臣のほうです。睡眠不足はインフルエンザ感染のリスクを高めますよ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

夜間当直に時間外手当を払うべきと奈良地裁が判決

 奈良県立奈良病院の産婦人科医が、当直勤務の時間外手当が支給されていないことを労働基準法違反だとして訴えていた裁判の判決がでました。4月22日、奈良地裁は医師の訴えを認め、時間外手当として1500万円を支払うように病院に命じました。

 この裁判で問題になっていたのは、夜間の当直の手当てが妥当かどうかということです。この病院では、医師が夜間の当直として夕方から翌朝まで勤務すると、一律で2万円が支払われていたそうです。16時間ほどの勤務になりますから、時給だと1250円ですね。深夜にお産に立ち会うという苛酷な仕事が、時給1250円で本当にいいのかという話です。

 労働基準法では、時間外労働は通常の仕事の25%増しの給料を払わねばならないし、午後10時過ぎの深夜労働は50%増しでなければならないと決められています。訴えをおこした医師の時給がいくらかはよくわかりませんが、1250円というのは20代の新人事務職員の時給でしかないわけで、お話にならないくらい安いわけです。

 病院側は、「当直というのは、断続的労働、つまり何か問題があったら仕事をしなければいけないが、何も無いときは仕事をしなくていい。漫画を読んでいてもいい。だから労働基準法で定められた金額より安くていいのだ」と主張していました。

 判決は、「断続的労働と言うのは、実態としてほとんど労働する必要が無い勤務。訴えをおこした医師の当直の実態は睡眠を充分にとれないほどのたいへんな勤務であり、病院の支払額は安すぎる」と判断しました。

 まったく当然の正しい判決です。病院によっても違うかもしれませんが、産婦人科というような深夜でも患者が押し寄せる診療科の場合、当直医師が「一晩ほとんど何も仕事をしていなかった」などと平気で言ってのけた病院側の主張は、全く業務の実態を無視した暴論だったのです。

 お金の問題もありますが、医師の健康を守るという観点からも、このような低賃金で医師を深夜に働かせることは許されるものではありません。

 医師に限らず病院や福祉業界では、当直とか宿直という勤務形態が信じられないほどの低賃金で行われています。完全な労働基準法違反です。今回の奈良地裁の判決が、根本的な見直しのきっかけになることを、わたしたちは訴えます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«これがパワーハラスメントの具体例です