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メタボ健診の先にやってくるもの

 今年から、うちの病院の職員健診に「おなかまわり測定」という項目が追加されました。「なんという失礼な!」という女性職員の抗議の声もありましたが、全員が強制的におなかまわりを測定されてしまいました。

 これは、2008年4月から義務付けられる「メタボリック健診」をさきどりするものです。40歳以上の日本人全員がおなかまわりを強制的に測定されるようになります。男性で85cm,女性で90cm以上なら「メタボリック症候群の候補者」とみなされてしまいます。

 「おなかまわりの大きい人は内臓脂肪が多い」「内臓脂肪の多い人は生活習慣病になりやすい」という理屈で、生活習慣病を予防するためだと言われています。ところが、この話にはその先があります。太っている人の医療費自己負担の値上げです。

 「肥満は病気になりやすい」「肥満になったのは自己責任だ」「だからでぶは病気になったらお金をたくさん払え」というのが、厚生労働省官僚が真剣に考えていることなのです。今後、値上げを実施していくための布石として2008年4月からのメタボ健診があるのです。

 そもそも、腹囲から内臓脂肪の量を割り出すのには無理があります。太っているのに健康な人もたくさんいるのです。このままいけば、「でぶは医療費をくいつぶす非国民」というような偏見があおられる時代がやってきてしまいます。

 メタボリック健診で一儲けをたくらむ連中もすでにうじゃうじゃと出てきています。「メタボリック検査のためにCTをうけましょう」「メタボリック対策にやせる薬を飲みましょう」「15分でできるメタボリック検査用アナライザー」などなどの企業CMにうんざりさせられます。医療産業と厚生労働省がしかけた罠にまんまとはまってはいけません。

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