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えらいこっちゃ!後期高齢者の主治医

 11月28日に中央社会保険医療協議会が開かれ、「平成20年度診療報酬改定について」というタイトルの報告書がだされました。この報告書をふまえて、厚生労働省が来年4月からの後期高齢者医療制度の細かいところを決めることになるのです。報告書を手に入れて読んでみました。

 高齢者を「総合的に診る医師」という言葉が何回もでてきます。「総合的に診る医師」とは、いわゆる「主治医」のことのようです。

 「総合的に診る医師」は、一人の高齢患者に一人だけとされます。一人の患者が内科も眼科も耳鼻科もかかるじゃないか、何人もの医師に診てもらうことになるじゃあないか、と常識的には考えるのですが、その中から一人だけ「総合的に診る医師」を選びなさいということなわけです。

 「総合的に診る医師」は、「高齢者総合診療計画書」をつくらねばならないとされています。これは、その患者の一年間の診療の計画です。「総合的に診る医師」の診療所での診療だけではなく、他の診療所や病院での検査も全部ふくめて計画をつくらないといけないとされています。「もし入院することになれば○○病院を紹介しますよ」ということも書いておかねばなりません。

 患者は、この「高齢者総合診療計画書」に書かれている診療だけが保険適用となります。計画書以外の治療をのぞめば、全額自己負担なのです。ただし、緊急に具合が悪くなったときの救急医療だけは例外として保険がきくようです。

 「高齢者総合診療計画書」にもとづく外来医療は「包括制」が適用されます。つまり、あらかじめ厚生労働省が決めた「包括額」予算をこえる検査や治療をすることはできないし、もしそんなことをしたら、その医療機関が自腹でその治療費を負担することになるのです。ただし、患者が飲むお薬代はこの「包括額」に含めない、つまり予算枠の縛りが無いこととされました。

 「総合的に診る医師」は診療所の医師とされています。「200床以下の病院の医師も「総合的に診る医師」になることがあってもよいのではないか」、と報告書には書かれていますが、これは診療所が少ない田舎を想定しての意見のようです。都市部では診療所だけとされる可能性が高いのです。高齢者は、病院の医師を主治医として選択できないとされるわけです。

 「総合的に診る医師」の名称もいろんな案が出ています。「主治医」という呼び名では人それぞれでイメージが違うので、新しい別の名前にしようというのです。たとえば、

包括連携医他の診療所や病院の診療も連携して包括制になりますよ、という呼び名ですね。

地域後見医。「後見人」というのは認知症などで自分の意思決定をできない人の代理人のことです。75歳以上の高齢者が多かれ少なかれ認知症であるという厚生労働省の姿勢があらわれています。

高齢者顧問医高齢者にあれこれと意見をし管理し指導する医者という意味ですね。

 報告書を読んで思ったことですが、「総合的に診る医師」に指定されてしまった医者は、計画書を作成するというすごくたいへんな作業をしなければならなくなるので、パンクしちゃうのではないでしょうか。介護保険ができたせいで、「介護保険主治医意見書」というめんどうな書類を主治医は書かなくてはいけなくなりました。それにくわえての「高齢者総合診療計画書」です。しかも、「包括額」の予算の中で計画をたてなきゃいけないのです。過労死しませんか。心配です。

 こんな非効率的な制度が本当に必要なのでしょうか。疑問です。それもこれも高齢者の医療をなんとか制限しようなどとくわだてるからです。高齢者が必要な医療を自由に行えうのが一番自然なやりかたです。

 中身があきらかになるにつれ、後期高齢者医療制度への批判の声が広がっています。私たちは後期高齢者医療制度に反対する署名運動を行っています。このブログから署名用紙がダウンロードできます。どうぞご協力ください。

 

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