バレンタインデー・アクション2008
もうすぐバレンタインデーですね。コンビニでもデパートでも、チョコレート売り場が大賑わいです。
さて、今日はバレンタインデー・アクション2008についての話題です。これは、チョコレートの原料であるカカオの生産にたずさわっている子どもたちのことを、ちょっと考えてみようよというアクションです。
チョコレートの原料はカカオ。南米が原産地の熱帯の植物で、あのコロンブスがヨーロッパに持ち帰ったことで世界中で栽培されるようになりました。20cmくらいの大きな卵型の実が木の幹から直接ぶらさがるように生ります。これを割ると中から出てくるのがカカオ豆で、この豆を発酵させて乾燥させ、すりつぶしたものがチョコレートの原料であるカカオマスなのです。
現在、世界中のカカオの生産の40%をしめているのが西アフリカのコートジボワールという国です。昔は熱帯のジャングルに覆われた緑の大地だった国ですが、この100年くらいのあいだに森は伐採されてカカオ畑やコーヒー畑に変わってしまいました。国の主な産業がカカオ作りなのです。カカオ生産のためにたくさんの外国人労働者が働いています。
このコートジボワールで、子ども奴隷がカカオ農場で大量に働いているのです。農園の雑草を刈り取ったり、農薬をまいたり、実を収穫したり運搬したり、そんな重労働のために5万人もの子どもたちが働いています。奴隷として外国から人身売買されてきた子どもたちなのです。
奴隷って、いつの時代の話よって思います。現在の社会では奴隷は禁止されているはずです。でも、コートジボアールでは堂々と奴隷制度がまかりとおっているのです。子ども奴隷たちの出身地は近隣諸国の貧困地域です。奴隷売買業者が貧困な農村地帯をまわり、一人1500円から3000円くらいの値段で子どもを買っていきます。買われた子どもたちはコートジボアールの農園に連行され、給料ゼロで、ろくな食料も与えられないまま、暴力でおどかされながら働かされているのです。
世界的なカカオの過剰生産のため、カカオの国際的な取引価格はすごく安くなっています。そのため、通常の給料で働く労働者を雇っていたのでは利潤があがらないから、というのが子ども奴隷を使う連中の言い分です。こんなことでいいのでしょうか。チョコレート生産を行っている先進国の大手メーカーが子ども奴隷の売買や虐待に関与しているという疑惑もあり、裁判沙汰にもなっています。
バレンタインデー・アクション2008はアムネスティ・インターナショナルが呼びかけているアクションで、カカオ農園の子どもたちを救うためにコートジボアール政府に国際的な働きかけを広げていこうというアクションです。
チョコレートといっしょに夢や暖かさを贈るバレンタインデー。チョコレートの原料を作っている子どもたちにも夢や暖かさが贈れたらいいなあと思います。
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