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後期高齢者医療制度から脱退できる人がいる?

 後期高齢者医療制度の対象となるのは、基本的には75歳以上の高齢者です。ところが、65歳から74歳の人であっても後期高齢者医療制度の対象になる人がいます。市町村の障がい認定を受けている人です。この、65歳から74歳の人が、本人の届出によって後期高齢者医療制度から脱退できるのですが、このことがさまざまな混乱の原因になっています。

 まだ始まってもいない後期高齢者医療制度から「脱退するかどうか」と聞かれても、みなさん困りますよねえ。私たち後期高齢者医療制度に反対の立場にたっているものとしても、「脱退したほうがいいですよ」とはうかつにお勧めするわけにもいかないのです。どう判断していいかわからないから、混乱が起きているのです。

 もう少し説明します。65歳から74歳までで市町村の障がい認定を受けている方は、現在は老人医療証を役所からもらっているはずです。日本全国どこの市町村も共通で、27○○○○○○という8桁の市町村番号が書かれているのが老人医療証です。なんらかの障がいを持っている人は、75歳になる前でも早めに高齢者あつかいしてあげてもいいよね、と本人の利益を考えてこのような制度が作られているわけです。

 これは、都道府県の障がい認定とはまた別の制度です。障がい者手帳を発行するのは都道府県で、ここで問題になっている市町村の障がい認定とはまた違う制度です。

 65歳から74歳で市町村の障がい認定を受けている人は、75歳になっていなくても後期高齢者医療制度に強制的に加入してもらいますよ、と国が決めてしまったことで、話がややこしくなりました。

 これまでは、市町村の障がい認定は受けておいて損をすることがありませんでした。いったん受けた障がい認定を撤回するなんてことを考える人は誰もいませんでした。ところが、後期高齢者医療制度は話が違います。後期高齢者とみなされることで新たな保険料を払わされたり、医療内容が差別されたりするわけで、本人の不利益になるような制度なのです。

 そこで、市町村の障がい認定を「撤回届け」をだすことによって取り消せば、後期高齢者医療制度からも脱退できることになったのです。次のようなことが決められています。

 1月31日までに撤回届けを出した人は、4月からの後期高齢者医療制度にまったく加入しなくてすみます。

 2月1日から3月31日までに撤回届けを出した人は、後期高齢者医療制度に加入しなくてすむのですが、すでに保険証もできているし保険料徴収の手続きがされているので、保険料はいったん徴収されるが後日返還します。

 4月1日をすぎて後期高齢者医療制度に加入したあとも、いつでも将来に向かって障がいの認定の撤回ができます。

 なんだかややこしそうですが、このままいけば現実にややこしいことが起きてしまいます。一番の問題は、後期高齢者医療制度の対象になる人は、3月31日にこれまでの保険証から強制的に脱退させられるというしくみになっているということです。障がい認定の撤回届けを出して後期高齢者医療制度から脱退することができたとしても、これまでもっていた保険証からもすでに脱退する手続きがすんでいるわけで、下手をすると保険証を持たない無保険状態になりかねないのです。

 また、後期高齢者医療制度から脱退したいがために障がいの撤回届けを出してしまった場合、ほかの行政サービスの面で不利益がないかどうかもよく調べておかねばなりません。

 というわけで、現時点ですぐに脱退したほうがいいですよ、とお勧めすることはいたしません。この問題については、さらに情報を収集してお伝えしていくいく予定です。

 

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