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残業時間で危険度は計れるのか

 昨日の記事で、残業が月に45時間を越えると過労死黄信号、80時間を越えると過労死赤信号と書いたことに対して、れいさんからこんな質問がよせられました。

 同じ残業でもその内容によって負担は違うと思います。一律に残業時間で危険度をはかれるものなんでしょうか。

 もちろん、一律にはかれるものではないですよね。これは、統計的な調査にもとづくもので、ひとつの平均値=目安だということです。ひとりひとりのかかえる条件によって危険度は左右されます。業務内容がきつければ、残業時間が45時間以内でも危険な場合もあるのです。

 1980年ごろから過労死が社会的な問題になったことを背景に、過労死したり過労死の一歩手前までいってしまった人の労働時間の実態についての調査研究がたくさんの医学者によってなされました。その結果を厚生労働省が2002年にまとめました。

 過労死と言うのは、過労が原因でおきる心筋梗塞や脳出血による突然死のことです。医学者たちは、心筋梗塞や脳出血を起こした人たちの睡眠時間を調査しました。すると、明らかに睡眠不足の人がこのような病気にかかりやすいことがわかったのです。日本人の一日の平均睡眠時間は8時間くらいなのですが、睡眠時間が6時間よりも減ると、過労死の危険性が目に見えておおきくなるのです。

 一方で、厚生労働省によって残業時間と睡眠時間との相関関係の調査も行われました。それによると、残業が月に45時間以内に収まっている場合には、睡眠時間は8時間充分にとることができています。ところが45時間を越えると睡眠時間がその分減り始めます。そして残業が月に80時間になると睡眠時間は6時間まで減ってしまうことがわかりました。

 これらの調査にもとづいて、残業が45時間をこえたらこえただけ過労死の危険性が徐々に高まりますよ、黄色信号ですよ、とされました。残業が80時間をこえたら赤信号でたいへん危険な状態ですよ、とされたわけです。

 厚生労働省がだしている通達「過重労働による健康障害を防止するため事業者が講ずべき措置等」では、ある人の残業時間が月に45時間を越えたら、会社はその人を医者に診てもらうように手配しなければならないと義務づけられているのです。ところが、実際にはそんな通達があることすら知らない会社経営者も多いので、特に中小企業ではこのようなことはほとんど行われていません。

 この通達の根拠になっているのはあくまでも心筋梗塞や脳出血の危険性だけであって、精神的なストレスによる精神病や、身体的な無理に基づく腰痛・頚腕症候群のことまでは考えられていません。そんなことまで考えるならば、業務内容によっては45時間以内であっても健康障害が発生する確率はさらに高くなると思います。

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