しょうこりもなく週刊新潮がタイトル偽装
あえて言う「後期高齢者医療制度」は絶対に必要だ というタイトルの連載が週刊新潮で行われています。櫻井よしこ氏が書いているのですが7/24号で4回目です。これが、ちょっとうんざりなんですね。
週刊誌のタイトルのつけ方がいいかげんなのはよくある話です。本来はあまり目くじらをたてるものでもありません。しかし、週刊新潮のこの連載はここまでいくと悪質すぎます。なぜなら、記事の内容を読むと後期高齢者医療制度の必要性などこれっぽっちも書かれていないからです。
7/24号の記事は、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツなど諸外国の医療制度について解説しています。この記事でも述べられているとおり、日本は世界でも最高レベルの長寿国としてしられていますし、WHO(世界保健機関)は日本の医療レベルの総合評価は世界一としています。それを医療費のGDP比わずか8%で実現しているわけですから、日本は大変安上がりの医療で成果をあげている国なのです。
アメリカは医療費のGDP比15%という巨額の医療費を使っていながら、一般の国民が充分な医療を受けられない国として有名です。とんでもない医療格差があるのです。SICCOという映画でも克明にえがかれていました。たとえば、9・11テロで懸命に救助活動をしたときにアスベストなどの有害物質を吸い込んだせいで肺の病気になった消防士たちが、検査を受けることも吸入薬を手に入れることもできずに苦しんでいるのです。
厚生労働省官僚や政府与党が現在進めている「医療改革」のモデルはアメリカの医療です。へんですよね。明らかに劣悪な医療制度のことをお手本にするなんて、おかしすぎます。日本を沈没させるつもりでしょうか。アメリカのシカゴ学派が布教する新自由主義教にかぶれた狂信的カルトの連中が政治の世界にもぐりこんで策動しているからこういうことになるのです。
イギリスではサッチャー首相の時代にアメリカをまねした「医療改革」を行いました。これが大失敗で医療崩壊が発生し、イギリス人はフランスに行かないと医療を受けられないというようなたいへんな事態になりました。日本でも、今日の医者不足というような医療崩壊の原因となったのは政府与党のすすめた「改革」だったのです。
諸外国の事例を知れば知るほど、日本の後期高齢者医療制度がとんでもない売国的で人間無視な制度であることがわかります。週刊新潮は正しいタイトルをつけて欲しいものです。こんなのが妥当ですね。あえて言う「後期高齢者医療制度」は日本滅亡に必要だ
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