年間4000時間働かせてうつ病になったから解雇?
11月3日の団結まつりで、とんでもない話を聞きました。
被害にあったのは30代の男性。㈱建設技術研究所という会社に2001年に入社しました。この会社、実は私たち大阪府民の暮らしに大きな影響のある会社なんです。
大阪では今話題の淀川水系のダムの建設問題がありますよね。国土交通省はダムを作りたがっているのに、大阪府をはじめ関西の府県が反対しているのでもめているわけです。「洪水になったときにダムは必要」と国土交通省はいまだに主張しているんですが、金がかかるし、自然が破壊されるし、そのわりに効果がないし、ダム建設計画は根本的に見直すときにきているのです。
で、㈱建設技術研究所は国土交通省の下請けとして、「淀川水系のダムを作ったほうがいいですよ」という主張の裏づけになるようなシミュレーションをしろという仕事を請け負ってしまったわけです。これは難題です。シミュレーションしてみても、「こんなダムなら作ったほうがいい」という結果にはなかなかならないからです。
被害にあった男性は、それでもなんとか「ダムをつくったほうがいい」という調査資料を作れと命じられました。無理難題です。そんな中で、彼は連日が深夜におよぶ激務となってしまいました。
1年間の労働時間が4000時間。支払われなかった残業代は1700時間分。最もひどかったときは一ヶ月に500時間も働きました。
1年間に4000時間といわれても、多すぎてピンときませんよね。たとえば、一ヶ月の残業時間が80時間をこえると、心筋梗塞などの過労死が発生するといわれています。一ヶ月80時間の残業が過労死ラインです。で、この過労死ラインで一年間働いたとしても年間労働時間だと2800時間ていどなのです。4000時間というのは、ですからいつ死んでもおかしくないような超過激な残業なのです。これは殺人残業です。
そのために彼はうつ病を発症してしまい、会社を休まねばなりませんでした。連日の深夜に及ぶ業務、苛酷なノルマと無理難題を押し付けられることによるストレス、そしてそのような職場では必ず発生するパワーハラスメント。うつ状態になってしまう要素はいくらでもあります。
そしてさらにさらに酷いことに、会社は彼を解雇してしまったのです。血も涙もないのかっ!休職中の解雇は労働基準法にも違反しています。
とんでもない会社です。被害にあった男性は長時間労働による健康被害に対する損害賠償を求めて裁判をおこしました。こんな会社は絶対に許してはなりません。
私たちなかまユニオン小松病院分会も長時間残業による健康被害をなくすようにとりくんでいます。なかまユニオンの要求によって、小松病院では残業が一ヶ月に45時間を超えた場合に健康上の問題が発生していないかチェックするようなシステムが始動しつつあります。
人ごとではありません。この裁判を私たちも応援していきたいと考えています。くわしくは、被害にあった男性のホームページをごらんになってください。
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