« 橋下cheesy、聞いてますか? | トップページ | 市立松原病院が閉院・いったい誰の責任? »

民営化したら赤字が激増!病院PFIに大きな疑問符

 公立病院の民営化で有名な滋賀県の近江八幡市立総合医療センターが、今年になって膨張する赤字で経営が危機に陥ったのは知る人ぞ知る有名なことです。そして最近、ついについに公設民営方式「PFI」を断念し、民営会社「SPC」との契約を打ち切って市が直営する公立病院に復帰することになりました。赤字だから民営化するんじゃないんですよ。民営化したせいで赤字になったので、公営にもどすというのですよ。

 「公立病院は赤字だから民間活力を導入して黒字にせよ!」。という小泉sorryの民営化崇拝の改革路線のもとで、全国の公立病院は地方自治体からの補助をザックザックと過激に減らされてきました。民営化信仰を公立病院にあてはめる、その目玉の方法として小泉政権のときに作られたのが「病院PFI」という制度でした。

 「ぴー・えふ・あい」って聞きなれない言葉ですね。「PFI」とは、Private Finance Initiative(民間資金主導)のこと。病院の経営を行う民間会社である「SPC」(Supesific Purpose Company・特定目的会社)を設立し、そのSPCが資金調達、病院の建物の建設、運営などを行い、病院の設立主体である地方自治体がそのSPCに利用料金を支払うという形です。1998年に小泉内閣によって作られた資産流動化法によってはじめて許可された形態です。

 「資金調達が簡単になり、民間ノウハウの導入によって質の高いサービスが提供されると同時に経営が黒字になる」というのが、その売り込み文句だったのですよ、小泉sorryの時代には。ところが、蓋をあけてみたらその実態はまったく違っていたのです。

 民営化される前、近江八幡市立病院は黒字経営の病院でした。公立病院には珍しく、自助努力で黒字になっていたのです。その近江八幡市立病院の老朽化に伴って建て替えが必要になり、おりしも小泉sorryが推進していた「PFI」が適用されることになってしまったのです。大手ゼネコンの大林組が出資するSPCが新病院の建設を行い、2006年に開業しました。そしてそのまま大林組SPCが病院を運営し、近江八幡市が利用料を支払うことになったのです。

 ところがなんと、そのSPCに支払う利用料金がべらぼうに高い値段に固定されていたのです。病院運営の重要な部分はSPCが牛耳っているわけですから、売り上げの多い少ないの責任はSPCにあるはずですよね。ところが、売り上げが多かろうが少なかろうが関係なく市は決められた料金を30年間SPCに支払い続けないといけない、そんな契約になっていたのです。

 そのせいで近江八幡私立総合医療センターは2007年度には27億円の赤字に陥ってしまったのです。民間ノウハウの提供どころか、大林組SPCは儲けを吸い上げることしか考えていなかったのです。

 今年にはいって、どうやって病院経営を立て直すかが議論されてきたのですが、結局は無能で無責任な大林組SPCには20億円の違約金を支払ってでもさっさと出て行ってもらおうということになったのです。そのほうが最終的には損失が100億円少なくてすむのだそうです。100億円って、いったいどれだけ吸い取ろうとしていたんだっ、大林組っ!

 同じくPFI方式で運営されている、高知県・高知市協同経営の高知医療センターも赤字が膨らみ、来年の3月に資金ショートが起きてしまうことが明らかになっています。高知医療センターの契約しているSPCはオリックスの子会社です。オリックスが医療経営のノウハウを本当に持っているんですかねえ。たいへん疑問です。

 そもそも、病院を投機の対象・金儲けの手段として食い物にしてやろうというような連中が考えたのが資産流動化PFI・SPCというやり方ではないでしょうか。大きな疑問符がついてますよね。

 私たちの働く病院でも、三菱系列のSPCに頼んで新病院建設を行おうかという案が出たりしているのですが、まゆにつばをつけて、ここは慎重に考えないといけないようですね。

|

« 橋下cheesy、聞いてますか? | トップページ | 市立松原病院が閉院・いったい誰の責任? »

医療制度改悪やめてくれ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/492777/26215857

この記事へのトラックバック一覧です: 民営化したら赤字が激増!病院PFIに大きな疑問符:

« 橋下cheesy、聞いてますか? | トップページ | 市立松原病院が閉院・いったい誰の責任? »