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映画・フツーの仕事がしたい

 ドキュメンタリー映画「フツーの仕事がしたい」を大阪の第七藝術劇場で見てきました。マイケル・ムーアもびっくりするかもしれない、土屋トカチ監督によるすさまじい突撃密着映像です。

 主人公の皆倉さんは36歳のトラック運転手。セメントを運ぶ仕事につきますが、自宅に次々にFAXで送られてくる配送指令どうりに働いていたら、毎日平均19時間労働という超過密労働になってしまいました。仕事をしていない時間が5時間しか無いって、それでは健康を維持できません。しかも、体調が悪くても休暇は許可されないのです。

 セメント運送の仕事は、業務請負です。住友大阪セメントの下請けのセメント運搬会社。その業務をまたまた請け負っている孫受け運送会社に雇用されているのです。配送指令は親会社から本人へ直接に送られてきます。

 「フツーの仕事がしたい」と我慢できずに「誰でも一人でもはいれるユニオン」に加盟した皆倉さんに、会社の嫌がらせが始まります。社長の友人だというチンピラに脅迫された彼は、いったんはユニオンに脱退届けを出してしまいます。ところが、脱退届けの翌日、彼は社長から解雇を言い渡されてしまったのです。

 彼は脱退届けを撤回し、あらためて会社に団体交渉を申し入れます。

 すさまじかったのは、彼の母親が亡くなったその葬儀を会社のまわしもののチンピラが襲撃し、参列者に暴行を加えた場面です。ユニオンのメンバーが全治二週間のけが。カメラをまわす土屋監督自身も殴られてしまいます。

 腹がたって腹がたってしょうがありません。どこの世の中に、ユニオン加盟が気に入らないからといって母親の葬儀をめちゃめちゃにする会社があるでしょうか。人間の心が爪楊枝の先ほどもあるのなら、そんなことはできないはずです。

 ついに皆倉さんは倒れてしまい、入院するはめになります。

 しかし、皆倉さんもユニオンも負けたままでは終わりません。チンピラの暴行や社長の不誠実な態度の一部始終を映していた土屋監督の映像も力になり、親会社の住友大阪セメントを着実に追い詰めて行きます。

 フツーの仕事がしたいというあたりまえの願いが残念ながらなかなか実現しないのが、今の日本の世の中です。そんな困難にフツーの運転手である皆倉さんがぶち当たったときに、そこに寄り添う土屋監督のカメラの暖かな眼差しを感じます。土屋監督が傍観者ではないからこそ撮影できた映像があるのだと思うのです。そしてその映像が伝える真実の力こそが、卑怯に逃げ回る親会社の権力をドロドロに溶解してしまったのではないでしょうか。 

 非正規切りの暴風が吹きつける今年だからこそ、必見の希望の映画です。

 上映場所は下記の「フツーの仕事がしたい」のブログからどうぞ。

映画「フツーの仕事がしたい」のブログ

 下記のウェブサイトから予告編が見れます。

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