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内部留保の0.2%あれば、非正規切りはしなくていい

非正規、切るな!の記事に次のような質問をいただきました。

0.2%というのはどのような計算によるのですか。また非正規社員雇用コストの1か月分ですか、1年分ですか。計算内容と条件を教えてください。

 「大企業の内部留保の0.2%を使えば、大量の非正規切りなどしなくていいんだよ」という話は、最近ちまたでたいへん有名な話で、いろんな人がとりあげています。

 実は、この計算はもともとは12月に日本共産党の志位委員長が日本経団連の御手洗会長に送った手紙の中に書かれていたものなのです。ちょっと長いのですが、該当する箇所を日本共産党のサイトから引用してみます。

 大量解雇をすすめている大企業のほとんどが、「減益見通し」というだけで、利益もあげ、株主への配当も減らさず、巨額の内部留保も持っています。大量解雇の先鞭(せんべん)をつけた自動車産業では、トヨタ自動車をはじめとした主要十三社が二万人近い人員削減計画を発表していますが、業績見通しを下方修正しても、なお二兆円規模の経常利益を見込み、今年九月には株主に三千八百億円の中間配当をおこなっています。内部留保残高は、〇〇年九月の十五・三兆円から〇八年九月の二十九・四兆円に、ほぼ二倍にまで積みあがっています。株主への配当を一割から二割減らす、あるいは内部留保を0・2%程度取り崩すだけで、人員削減を中止し、雇用を守ることができます。景気の後退局面で生産調整を行うことは、当然ありうることですが、こうした大企業がただちに大量の解雇を行わなければならないような切迫した事態にあるとは到底考えられません。

 補足しながら要約してみます。自動車産業の主要13社の場合、内部留保が合計で約30兆円あります。そして人員削減計画で約20000人が削減されると発表されています。削減される労働者の一年間の賃金が平均で300万円だとすると、300万円×20000人=600億円になります。この600億円は内部留保30兆円の0.2%になるという計算です。

 年収を300万円と見積もるのは、非正規労働者ならちょっと高めの見積もりだといえますね。多めに見積もっても0.2%ということではないでしょうか。

 この見積もりは自動車産業だけの例なのですが、大手家電メーカーもそんなにかわりないと言えます。

 たとえば、カメラやプリンターで有名なキャノンは3兆3000億円もの内部留保をもっていますし、昨年は株主への中間配当を700億円も支払っています。なのに、いち早く1700人の派遣切りを行いました。一年間の賃金を一人300万円と仮定して1700人分で51億円です。この額が本当にあと一年間払えないのか、充分に払えるじゃないかということが、自民党の政治家も含めてみんなが疑問に思っていることなのです。

 私たちは、日本共産党の主張が全て正しいと言うつもりはないのですが、「内部留保の0.2%で非正規切りを回避できる」という観点は、まったく妥当だと思うのです。

 私たちは、大企業の持っている内部留保を全部使いなさいなどとは言っていません。解雇というのは労働者の生活に直接に響く死刑宣告とかわらないのですから、あらゆる企業努力をしたうえで行うべきだと主張しているのです。

 しかも一斉に10万人もの労働者が解雇されたら、社会そのものが不安定になってしまうのです。反社会的な非行です。儲けるためとはいえ、何をしてもいいというわけではありません。いくら未曾有の金融恐慌が襲ってきているとはいえ、企業努力が全然足りないのが現在の財界の実態ではないでしょうか。甘えすぎだと思うのです。

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