やっぱり効かなかったな。インフルエンザワクチン
1月も後半になり、病院に来る患者さんのなかでもインフルエンザが多くなってきました。病院職員もぼちぼちとインフルエンザにかかっています。
そして、病院の現場での経験から言えば、今年もインフルエンザ予防接種は効きませんでした。予防接種をした人が次々にインフルエンザにかかっているからです。またしても成果上がらずの記録が更新された感じです。
もちろん、これはとても大雑把な経験則であって、厳密に統計をとったものではありません。とにかく、インフルエンザ予防接種は「効果があるんだ」と主張する人に言わせても、100人に実施して2人に効くか効かないかというしろものなので、こんな結果になることは最初からわかっていたことなんですけどね。
話は変わって、今年は「インフルエンザ菌ワクチン」という別のワクチンも売りに出されて、ややこしいったらしょうがない状況です。インフルエンザ菌とインフルエンザウイルスとは、全く別のものです。「インフルエンザ菌ワクチン」は通称は「HIBワクチン」(ヒブワクチン)と呼ばれています。
インフルエンザの原因がインフルエンザウイルスだと解明されるよりも昔、「この細菌こそがインフルエンザの病原体に違いない」と大騒ぎになった細菌が「インフルエンザ菌」と名づけられました。研究が進むにつれて、実は「インフルエンザ菌」はインフルエンザとは関係ない細菌だということがわかりました。無実の罪だったわけですね。しかし、いったん名づけられたものを変えることもできないということで、名前だけは「インフルエンザ菌」のままになったのです。
インフルエンザ菌は、いたるところにいる一般的な「ばい菌」なのですが、子どもの中耳炎や扁桃炎や細菌性髄膜炎をおこすことで知られています。特に細菌性髄膜炎は危険な病気です。
「インフルエンザ菌ワクチン」が細菌性髄膜炎の予防に効果があることは世界中の研究で実証されています。これがやっと日本でも発売されたことは歓迎すべきです。
効くものは効く。効かないものは効かない。はっきりさせてほしいです。インフルエンザワクチンを大量に製造してぼろもうけしている某製薬会社には耳の痛いことかもしれませんが、薬の効き目にこそ成果主義を導入すべきではないでしょうか。
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コメント
こんにちは。
ひとつ質問です。
インフルエンザの予防接種が効く、効かないというのはどんな基準に基づいて判断しているんでしょうか?
例えば、インフルエンザに罹ったか罹らなかったかという基準でしょうか。
それとも、罹ってもその症状が軽かったか重かったかという基準でしょうか。
または、完治するまでの期間が短いかどうかという基準でしょうか。
罹ったか罹らなかったかという基準では効かなかったとなっても、症状が軽くなるとか完治までの期間が短くなるという基準では効いているんであれば、予防接種が一概に無意味とは思えないんです。
どうなんでしょうか?
投稿: れい | 2009年1月23日 (金) 11時07分