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3年間、派遣で働いたら正社員になれるはず

 何人かのかたからお問い合わせをいただきました。「労働者派遣が長期間になったら、派遣先の企業に雇用責任があるということを聞いたが、これはどういうことか

 まったく意外に思う方もいらっしゃるようですが、「労働者派遣法では短期間の臨時の派遣しか許されていない」のです。長期間にわたって派遣労働者に仕事をさせることは、労働者派遣法では認められていないのです。正社員を派遣に置き換えること(常用代替)はしてはならないという考え方が根底にあるのです。

 パナソニック電工(旧社名・松下電工)に対して裁判をおこした佐藤昌子さんの話をご紹介しましょう。wink

200932  佐藤さんは松下電工の福島営業所でショウルームのアドバイザーとして17年半働いてこられました。1991年に入社したときは松下電工の正社員でした。ところが、入社して二ヶ月で松下の完全子会社の労働者派遣企業であるアロービジネスメイツへの移籍を命じられました。それからずっと派遣労働者としてショウルームで働いてこられました。

 労働者派遣法では、派遣期間が3年を超えた場合には、派遣先企業は「直接雇用の申し込み」をする義務があります。17年間も派遣で働かせることは、すでに違法なことなのです。

 松下電工はこの点について、「佐藤さんはすごい特殊技能な業務についていたので、直接雇用の申し込みをしなくていいのだ。これでいいのだ。」と主張しています。

 たしかに、労働者派遣法には、特殊技能の業務の場合は直接雇用の申し入れを免除するという規定があります。では、佐藤さんはどんな特殊技能業務をしていたのでしょうか。なんとそれは「事務用機器操作」だというのです。

 佐藤さんはショウルームのアドバイザーでしたから、接客業ですよね。事務用機器操作が業務内容になっているということ自体がおかしいことです。いわゆる「業務偽装」です。しかも、事務用機器操作というのは、せいぜいパソコンやコピー機をさわるということでしかないのですよ。それのどこが特殊技能業務なのですか。pout

 労働者派遣法の「事務用機器操作業務の派遣労働者には直接雇用の申し込みを免除する」という内容の規定は、すごく問題なのです。多くの企業がこれを使って業務偽装を行っているのです。

 考えてみれば、特殊技能の業務についていたら直接雇用を免れるというのも変な話です。特殊技能者を差別する理由なんてありません。業務偽装の抜け道を作るために存在する規定でしかないのです。

 佐藤さんの場合、そもそも入社当時は直接雇用の正社員だったわけです。正社員のときも派遣社員のときも業務内容は同じだったわけです。同じ仕事をしている人間を派遣に転籍させるのは、賃金を安く抑えるため、わざと不安定な身分を強要するためでしかありません。ですから、実態としては佐藤さんはずっと松下電工の直接雇用の正社員だったのです。

 派遣会社といっても、実態としては派遣先企業に支配された子会社でしかない場合が多いわけですよね。派遣労働者の雇用責任は、その労働者を使うことで利益を得ている派遣先企業にあるのです

 3年間、派遣で働き続けたら、直接雇用で正社員になるキップが手に入るのです。lovely それを無視して派遣で働かせ続けたような企業は、労働者派遣法違反です。それは、労働者供給事業を禁止している職業安定法にも違反するということになるのです。

 特殊技能の業務だという登録になっていても、業務の実態が異なっていれば業務偽装です。あきらめる必要はありません。

 会社によっては、2年11ヶ月間派遣で働いたら一ヶ月間だけ期間工として直接雇用し、また派遣にもどすというようなやりかたをしているところもあります。3年間派遣にならないようにと、こんなことをするのです。こんな見え透いたずっこい手も通用しませんね。職業安定法違反になります。

 私たちは、佐藤さんの裁判を応援します。違法な派遣で17年間も働かせた上に「派遣なんていつでもクビにしていいんだ」とへらへら笑いながら解雇したパナソニック電工は鬼畜のような会社です。天下のパナソニックがこんな確信犯の違法行為をするから、日本の社会の中に違法な派遣切りが横行するのです。絶対に許してはなりません。

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労働者ハケンはどげんかせんといかん」カテゴリの記事

コメント

 日本共産党のしんぶん赤旗号外は書きました。

 かりに派遣労働者個人は半年しか働いていなくとも、同一業務でたとえば同じ製造ラインで派遣労働者を3年をこえてつかった場合も、そのラインで働く全員が直接雇用の対象となります。

 派遣の人が入れ替わり立ち代わり働いて三年たてば、みんな正社員になれるというふうに読めますな。

投稿: GJC | 2009年3月12日 (木) 22時21分

 GJCさん、コメントありがとうございます。
 私たちもこの点には気付いていませんでした。日本共産党がこの点に気付いて国会で追求したことは、たいへん感心しました。

 一人の派遣労働者が3年間働き続けたら正社員になるべきということは、労働派遣法を読めば誰でもわかることですが、日本共産党はさらにつっこんで考えたわけです。
 特定の一つの仕事(例えば一つの生産ライン)を派遣労働者が担当した場合、派遣労働者が担当するその仕事が3年間続けば、担当する派遣労働者を正社員にすべきということです。
 ですから、たとえば一年契約の派遣労働者が一年ごとに交代しながら特定の一つの仕事を行えば、3年たった時点でその仕事についている派遣労働者を正社員にすべきということです。その派遣労働者個人がたとえ半年しか働いていなくても、正社員にすべきということです。
 そして、厚生労働省もこの法解釈で正しいと認めたのです。
 派遣労働はあくまでも一時的な臨時の雇用形態であるという労働派遣法の大きな原則をあらためて確認したということですね。

投稿: みるめ | 2009年3月20日 (金) 16時07分

アローから子会社に派遣されて十年近いですが、パナソニック電工から出向している管理部長から、子会社のコスト削減として残業手当がでないように時差出勤制度に強制されました。
かつ管理部長は働かないし飲み食い経費使うことに必死です。勝手に遠方出張用事もないのに
世の中と逆ですね。

投稿: 匿名 | 2009年10月17日 (土) 10時28分

 匿名の方、コメントありがとうございます。
 なかまユニオンにはパナソニック関係の方からは随分多くの相談や密告が寄せられています。一流企業とは思えないですね。松下幸之助が泣いていると思います。
 会社の中では法律が機能停止し不正がまかりとおるというのではおかしいです。あたりまえのことが普通に話せる職場にしていきたいものです。
 なかまユニオンは、パナソニックの中にたまりまくった膿を出すためにも、吉岡力さんの職場復帰の運動を続けていくつもりです。
 もし、職場改善のためになかまユニオンでお手伝いできることがあれば、いつでもお電話ください。

投稿: みるめ | 2009年10月17日 (土) 19時43分

度々違法を繰り返し続けたパナソニック子会社、アロービジネスメイツにとうとう大阪労働局改善命令。代表取締役、謝罪。本当に謝るなら直ちに各地の争議を解決しろ。謝るだけなら猿でも出来る。

投稿: 匿名 | 2010年4月 9日 (金) 04時17分

 匿名のかた、コメントありがとうございました。アロービジネスメイツに労働局から改善命令が出ていたことは、私は知りませんでした。情報を集めてみたいと思います。
 パナソニックのような無法の数々が、いつまでも通用するとは思えませんね。

投稿: みるめ | 2010年4月11日 (日) 22時46分

 アロービジネスメイツに対する労働局からの命令は、下記のサイトで見ることができますね。
http://osaka-rodo.go.jp/press/2010.03/0323abm/0323abm.html

投稿: みるめ | 2010年4月15日 (木) 23時09分

3年経てば正社員というわけではなく、直接雇用(契約社員やアルバイトの可能性あり)するというものだと思います。

投稿: anonymous | 2011年12月 6日 (火) 20時40分

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