パワーハラスメントがうつ病の原因として認められました
厚生労働省は昨日3月19日、職場のパワーハラスメントをうつ病による労災の原因としてはっきりと認めることを決めました。それを報道した時事通信の記事をはりつけておきます。
過労うつの認定基準見直し=最も強いストレス「パワハラ」-職場変化対応・厚労省
3月19日19時42分配信
厚生労働省は19日、うつ病などの精神疾患や自殺の労災認定基準を10年ぶりに見直すことを決めた。同日の専門家検討会で了承された。ストレスの強さを客観的に評価する「心理的負荷評価表」の項目を31から43に増やし、最も強いストレスの例として「パワーハラスメント」(パワハラ、職権を背景とした嫌がらせ)を新たに追加したのが柱。新年度からの認定審査に反映する。
精神障害の労災は、厚労省が1999年に作成した心理的負荷評価表に基づき、労働基準監督署が発病前6カ月間について、職場で起きた出来事のストレスの強さを3段階で評価し判定。例えば、「重大な仕事上のミスをした」や「退職を強要された」などは、人生でまれにしかない出来事として最も強いストレスと評価される。 見直し後は職場でのひどい嫌がらせやいじめ、暴行といったパワハラに伴うストレスも最も強いと定義。また、仕事を1人で抱え込むなど、業務を1人で担当するようになったことに伴うストレスを中度の強さと定義するなど、評価項目を計12項目新設した。 これはどういうことかというと、職場でのストレスが原因でうつ病などの精神疾患になってしまった場合、それが労災として認められるかどうかという問題があったのです。
労災として認められれば、治療費は無料になります。また、病状によって仕事ができない場合には休業補償金が支給されます。仕事が原因で大きな苦しみを背負わされた労働者へのせめてもの補償なわけです。会社が再発防止にとりくむ義務も発生してきます。
ところが、業務が原因で発生したうつ病であるにもかかわらず労災として認められないという事件が、日本中であいついで発生しました。これは10年前に定められた精神疾患の労災認定基準が不十分であったためなのです。
パワーハラスメントによるストレスは、うつ病の原因としては認められていませんでした。おかしいですよね。現実の職場のことを考えてみればわかります。パワーハラスメントは職場における精神的ストレスの中でも最もダメージが大きく、被害者の数も多いのです。
ためしに身のまわりで働く人たちにアンケートをとってみたらわかります。
「もし○○さえなかったら、ずっとこの職場で働き続けられるのに。」この○○のところにあてはまる言葉を言ってください。
さあ、あなたなら○○にどんな言葉がはいりますか。おそらく相当数の人が、職場でパワーハラスメントを行っている特定の人物の実名を答えると思うのです。パワーハラスメントを行っている人物がいるおかげで精神的に追い詰められる労働者は膨大な数になっています。自殺する人もあとをたたないし、「病気になる前に逃げないとしょうがない」と退職を余儀なくされる人も多いのです。
今回の労災認定基準の見直しは、「こんなパワーハラスメントがうつ病の原因として認められないのはおかしい」と裁判で闘ってきた多くのパワハラ被害者や遺族の運動が国を動かした成果だと思います。4月から新しい認定基準が施行されるもようです。
このような動きをきっかけに、職場でのパワーハラスメントを撲滅するようにしていきたいものですね。
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