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夜間当直に時間外手当を払うべきと奈良地裁が判決

 奈良県立奈良病院の産婦人科医が、当直勤務の時間外手当が支給されていないことを労働基準法違反だとして訴えていた裁判の判決がでました。4月22日、奈良地裁は医師の訴えを認め、時間外手当として1500万円を支払うように病院に命じました。

 この裁判で問題になっていたのは、夜間の当直の手当てが妥当かどうかということです。この病院では、医師が夜間の当直として夕方から翌朝まで勤務すると、一律で2万円が支払われていたそうです。16時間ほどの勤務になりますから、時給だと1250円ですね。深夜にお産に立ち会うという苛酷な仕事が、時給1250円で本当にいいのかという話です。

 労働基準法では、時間外労働は通常の仕事の25%増しの給料を払わねばならないし、午後10時過ぎの深夜労働は50%増しでなければならないと決められています。訴えをおこした医師の時給がいくらかはよくわかりませんが、1250円というのは20代の新人事務職員の時給でしかないわけで、お話にならないくらい安いわけです。

 病院側は、「当直というのは、断続的労働、つまり何か問題があったら仕事をしなければいけないが、何も無いときは仕事をしなくていい。漫画を読んでいてもいい。だから労働基準法で定められた金額より安くていいのだ」と主張していました。

 判決は、「断続的労働と言うのは、実態としてほとんど労働する必要が無い勤務。訴えをおこした医師の当直の実態は睡眠を充分にとれないほどのたいへんな勤務であり、病院の支払額は安すぎる」と判断しました。

 まったく当然の正しい判決です。病院によっても違うかもしれませんが、産婦人科というような深夜でも患者が押し寄せる診療科の場合、当直医師が「一晩ほとんど何も仕事をしていなかった」などと平気で言ってのけた病院側の主張は、全く業務の実態を無視した暴論だったのです。

 お金の問題もありますが、医師の健康を守るという観点からも、このような低賃金で医師を深夜に働かせることは許されるものではありません。

 医師に限らず病院や福祉業界では、当直とか宿直という勤務形態が信じられないほどの低賃金で行われています。完全な労働基準法違反です。今回の奈良地裁の判決が、根本的な見直しのきっかけになることを、わたしたちは訴えます。

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