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これがパワーハラスメントの具体例です

 次のような質問がよせられています。

 パワーハラスメントって言うけど、職場にはいやなことっていくらでもありますよね。仕事なんだから、楽しいことだけじゃないし、上司に怒られることもありますよね。それを全部パワーハラスメントだって言ってたら、仕事にならないんじゃないですか。

 たいへん重要な点を指摘されていますね。仕事というのは、辛いこともあります。いやでも我慢してしなければならないこともあります。失敗をすれば上司に怒られるのは当然です。「嫌な仕事ほどもうけが厚い」なんて言いますよね。

 パワーハラスメントというのは、そういう業務上必要な我慢とか指導とか叱責のことではないのです。業務上必要な行為に偽装しているが、実際は業務を逸脱したいじめや嫌がらせのことをパワーハラスメントというのです。

 具体例をあげてみましょう。次のようなことはパワーハラスメントでしょうか。

 上司が部下に「ご主人は稼ぎがいいんだよね。君が無理して働く必要はないんじゃないか?」と言うこと。

 明確なパワーハラスメントです。プライバシーを侵害し、そのうえ暗に「退職したらどうか」と退職勧奨を行っています。

 上司が部下に「あんた、まだ結婚しないのか。その年で結婚できないのは人間的にどうかと思うよ」と言うこと。

 明確なパワーハラスメントです。プライバシーを侵害し、人間としての尊厳を傷つけています。何歳で結婚するかは本人の自由です。業務とは関係有りません。上司の立場でこんな人を傷つけることを言うのはセクシャルハラスメントであり、パワーハラスメントです。

 上司が部下の一回のミスに対して他の職員が見ているところで3回も同じ叱責と説教を行った。その中で「あなた、馬鹿だなー」と繰り返し発言した。

 明確なパワーハラスメントです。「馬鹿だな」という発言は、状況によってはパワーハラスメントではないことがあります。業務上の事故で危険が迫っている時に「バカヤロー。逃げろーー」と叫んで瞬時の行動を促すような場合は、当然の事ながらハラスメントではありません。しかし、「馬鹿だな」を何回もくりかえす、しかも人前で繰り返すというのは、業務上必要な注意や叱責を越えています。人間の尊厳を傷つけるハラスメントです。

 上司が部下に対して、一貫性のない言動を行う。たとえば、昨日に指示したことと今日言っていることが違うのだが、そのことを指摘しても知らないふりをする。

 これは、パワーハラスメントの疑いが極めて強い行為です。上司が記憶障害などの精神障害があるせいで、つまりなんらかの病気のせいで、一貫性の無い言動をしているという可能性もあり、意図的なハラスメントではない場合もあります。しかし、その上司が精神病でない場合には、パワーハラスメントになると思われます。なぜなら、部下は上司の指示に従う義務があり、上司が指示をころころと変えるだけで部下は翻弄され、疲労し、こんどは何を言い出すだろうかと上司の顔色をうかがうようになるからです。わざと一貫性の無いことを言うことで部下を精神的に支配したり消耗させたりした悪質な上司の例がすでに報告されています。

 いかがでしょうか。パワーハラスメントは業務の遂行とは関係ないのです。会社の外でやったら犯罪としてとりしまられるようなことが、会社の中の治外法権を利用してまかりとおっているのです。

 電車の中で痴漢をしたら、警察につきだされますよね。でも会社の中で痴漢をしても、ほとんどの場合は警察につきだされることが無いのです。実際に、会社の中で痴漢にあって警察に行ったけど「警察が会社に捜査に入ったら大変なことになるよ」と言われて何もしてくれなかったという方が最近もいらっしゃったのです。

 「会社の中では何をしてもいい。警察を恐れなくていい」という会社無法地帯があるから、上司が部下をいたぶるパワーハラスメントが跳梁跋扈しているのです。これはいじめを容認したり時には奨励したりさえしている日本企業の腐りきった体質の問題です。そんなことだから企業業績があがらないのです。不況のせいにして責任逃れをするなっ!

 私たちは、現在このようなパワーハラスメントの具体例を調査・研究しています。ヨーロッパ諸国ではずいぶん研究がすすんでいるのですが、日本ではまだまだこれからです。ただ、パワーハラスメントのせいで自殺に追い込まれた方の遺族が無念な思いで事実を明らかにして訴えた闘いがあり、日本でも次第にパワーハラスメントを規制する方向が出てきています。パワーハラスメントをなくそうと努力する企業もあらわれてきました。

 私たちは訴えます。会社が無法地帯であってはなりません。会社の中でも犯罪は犯罪です。パワーハラスメントを撲滅しましょう。警察がパワーハラスメントをとりしまって犯人を刑務所にぶちこんでくれないのならば、私たち労働組合がパワーハラスメントを撲滅する運動を着実に職場から起こそうではありませんか。一つ一つのパワーハラスメントの具体例を明らかにし、加害者の隠された言動と陰謀を明らかにし、企業の責任を追及していきましょう。

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コメント

人道支援などといいながら、自分たちの右肩を大きく上げた年功序列の給与を維持するがために、非正規職員に重要な仕事面倒な仕事をを当たり前のごとく押し付け、休日出勤当たり前、時間外それも着替えの時間も正職員には5分からつけ、非正規職員にはもちろん2時間でもサービス残業させている。非正規職員に仕事の指導はなく、みて覚えろとでも言うかのごとく、ただ座っていてはと、率先と指導を仰ぎに行ってもも疎ましがられ、いきなり指導も無く献血者を呼び出せ!という支持だけで、どのようにしてよいかわからず聞けば、答えてもくれず。本当にこの血液センターという日本赤十字社は、他人に愛の献血を!といいながら、内部の人間には血も涙もないどころか、課長職にある中間管理職の方たちは、地方公務員の中途半端な天下りの事務局長たちの虐げられた鬱憤を派遣人材や、非正規の嘱託臨時職員という立場の弱いものに対して、高圧的で、威圧し、自分たちのストレスのはけ口として扱われています。私のいる日本赤十字社では、若干80名弱の職員のなかでもう4人もの精神的に追い込まれ出社できない方がいますが、もちろん見てみぬふりでもちろんそのことについての職場環境について話し合われることなどありません。民間の企業より30年は年は遅れていると思います。この問題意識の無さにはあきれ果てます。なにが日本赤十字社ですか、名前だけ立派なだけで、中は地方公務員よりひどく遅れた時代の上下関係で、腐敗しきっています。

投稿: | 2010年4月15日 (木) 21時23分

あれ、私の赤十字病院もだわw

投稿: | 2015年3月 3日 (火) 19時27分

新人に仕事教えないのに、できないという上司たち。日赤は酷いw

投稿: | 2015年12月 5日 (土) 13時37分

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