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パナソニック子会社のパワハラ事件

このブログに次のようなコメントが寄せられました。

私は愛知県のパナソニック電工の子会社で働く者です。
この会社はP電工からの出向者が役員を務めており(いわゆる天下り)、特にNO2の専務取締役が一部の社員に対して露骨なパワハラを働いています。
いわゆる“退職”に追い込む、ってヤツです。もう何人が“犠牲”になったでしょう。
オモテ向きは業績不振や顧客の声を反映した、ということでの配転や減給、降格から始まるようですが、実際は自分の“気に入らない”人間を排除しているだけです。
私は正直、実名公表したいと思ってますが、今は時期をみています。
どうか不条理と闘う術を教えてください。そして、パナソニック、という上っ面だけの会社の実情を世に問いたいと思っています。

投稿: 2009年8月11日 (火)

 パナソニックというのは、たいへん多くの問題をかかえている会社です。偽装請負事件に関連した不当な労働者首切り・派遣切りで、すでに全国で五つの裁判で訴えられています。黒字であるのに赤字だとウソをついて大量首切りを今まさに行っています。パワハラ被害も多く見られます。

 7月末にパナソニック全国総行動09夏が行われ、私たちもパナソニック各社に申し入れに行ったのですが、特にパナソニック電工の応対の非礼さに驚かされました。人を人とも思わない態度が、玄関のガードマンにまでもあらわれていました。

0907304  さて、ご相談のパナソニック電工の子会社の方のパワハラの件です。日本にはまだパワハラを禁止する法律がありません。ですから、よっぽど犯罪的な人権侵害が行われていても警察は動いてくれません。

 対策の第一番のポイントは、被害者を守るということです。パワハラを行う犯人はたいてい職場の地位を利用して被害者を追い込んでいきます。被害者のちょっとしたミスを見つけては針小棒大に言いふらし、職場でのその人の信用をおとします。あるいは上司としての地位を悪用して、わざと部下が失敗するように罠をしかけるという実例までも報告されています。

 そうすると、被害にあった人は「自分が悪いんだ」という心理状態になっていきます。これは実は精神的な「抑うつ状態」の初期の症状なのです。自分が悪いんだと思い込まされた被害者はますます集中力が低下してミスをおかすようになります。抑うつ状態になると大脳の働きが低下するので、仕事の効率も落ちるし気分がイライラしてだんだん自暴自棄な発想になっていきます。

 ですから、パワハラの被害者と周りの人たちとがコミュニケーションを保つことが重要です。「あなたは悪くないよ。あの上司のほうが悪いよ。あの上司、これまでも被害にあった人が多いから、みんなもあなたが悪くないことはわかっているよ」という話を被害者と周囲の人ができれば、被害者がうつ状態の悪いスパイラルに陥るのをふせぐことができるかもしれません。

 対策の第二のポイントは、パワハラの実態を記録するということです。業務中のいじめの実態を記録するのは難しいのですが、方法はあるはずです。裁判に訴えた場合でも、証拠があるかどうかが問題になります。被害者がいじめられてうつ状態になってしまって辞表を書いて辞めてしまって、しばらくして精神状態が回復してからパワハラ加害者を裁判に訴えるというケースがよくあるのですが、会社を辞めてからでは証拠を見つけることが難しいのです。証拠を残すには、辞める前に手をうたねばなりません。

 上司がいやがらせメールを部下におくりつけていたというケースでは、メールが記録に残っていたので、裁判で上司のパワハラを認めさせることができています。口頭でいじめが行われている場合には、いじめ発言を録音するという手もあります。業務中の録音は、業務上の守秘義務とか業務専念義務とか言って会社は嫌がるのですが、犯罪の被害者が自らの被害の証拠を残すことは基本的な人権の一部です。録音したものをどう使うかは最深の注意を払わねばなりませんが、パワハラ被害を録音することを誰も止めることはできないのです。

 そこからあと、どうパワハラを無くしていくかは、会社の状況、被害者の状況などで千差万別です。パナソニックのように、パワハラをする人間が一人だけではなく、全国各地にパワハラ犯がいて組織的にパワハラが実行されているような会社の場合、一筋縄ではいかないかもしれないですね。ただ、企業にはパワハラを防止する義務があることだけは法的に認められていますので、あきらめる必要はありません。被害者自身が「私は被害を受けた。くやしい。おかしい。」と社会に訴えることを、誰も阻むことはできないのです。

 

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松下の偽装請負を許すな」カテゴリの記事

コメント

同様の子会社があるのを知っています。
末端の子会社では情報を封じ込めてしまえば、問題は表面化しないと思います。
子会社社員にうつ病や集中攻撃を受けているもの、異動、離職者が多い会社は要注意。
パナソニック電工自体は懐も深く、暖かい人も多い。改めるべき所を変化させようと努力も制度設立もしています。
問題がありそうな部所や子会社は管理職の裁量次第で、限られてくるのではないかと信じたい。

投稿: | 2009年9月19日 (土) 22時21分

全く同じ事象にあっています。自分のことかと思いました。自浄作用はないのですかね。悲しいです。派遣だけではない、社員だって苦しんでいる救いはどこに求めていけばよいのでしょうか?

投稿: 匿名 | 2010年2月10日 (水) 20時47分

 コメントありがとうございます。パナソニック関連会社に対する苦情は、このブログにもたくさん寄せられています。パナソニックはたいへん問題の多い企業のようですね。
 私たちは、パナソニックが松下電器創設の志をいつのまにか失い、社会の公器としての自覚を失っていることに危惧をいだいています。パナソニックによる大量の社員いじめや派遣切りは新たな公害と言ってもいいかもしれません。
 なかまユニオンの吉岡力さんをはじめ、パナソニックを相手取っての裁判が全国で何件も行われています。パナソニックの隠された悪事を暴き、社会的に批判の声を高めていかないと事態は解決にむかわないと思います。
 職場のパワーハラスメントは対応が難しいので、経験のある労働組合を選んで相談するのが良いのではないでしょうか。
 あきらめてしまう必要はないはずです。
 

投稿: みるめ | 2010年2月11日 (木) 15時36分

ありがとうございます。
労働組合は一応あるんですが、役にたつのかどうかは疑問です。経験のあるというところを調べたり相談できるところがないか確認してみますね。

投稿: 匿名 | 2010年2月11日 (木) 22時55分

 パワーハラスメントへの対応はなかなか難しいものです。企業別労働組合が苦手とする分野なので、私たちのような地域労組ががんばるべきところです。
 私たちなかまユニオンは、パワーハラスメント問題に詳しい弁護士とも連携しながら対策について動き始めています。しかし、パワハラ事件やパワハラによる精神障害発生の事件の相談が多く寄せられるようになってから、まだ一年ほどしかたっていません。一件一件の相談事例に向き合いながら研究を深めているところです。
 もしも私たちで役に立てることがあれば対処いたしますのでご相談ください。とりあえずの相談は無料です。なかまユニオンがカバーしている地域は、大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀です。これ以外の地域の場合、なかまユニオンと提携している地域労組がある地域なら紹介することもできます。

投稿: みるめ | 2010年2月12日 (金) 21時55分

とりあえず加盟して相談を具体的にしようと思います。社内相談が役に立たないのかなあと悲しい

投稿: 匿名 | 2010年2月21日 (日) 10時44分

 一人で悩まずに、誰かに相談したほうが良い結果にむすびつくことが多いと思います。
 なかまユニオンに相談したいときは、以下の電話にどうぞ。深夜以外はほぼ一日中つながるはずです。
 06-6242-8130
 または以下にメールしてください。
 mail@nakama-union.org
 「みるめ君の労働相談箱を見ました」と一言添えていただければ、迅速に対応します。

投稿: みるめ | 2010年2月21日 (日) 23時49分

自分もパナソニックテクニカルサービスの西日本で働いています、しかし社員の執拗な、イジメにやられて毎日つらいです、でも辞めたら敗けだし 負けたく無いから続けてますが、実名だしてやりたいくらいです!

投稿: クワトロ大尉 | 2011年5月31日 (火) 22時03分

このパナソニック 子会社というのは、
テ ク ○ サービス?

投稿: 匿名 | 2011年6月 3日 (金) 21時43分

私もPグループで突然派遣切りに遭った者です。会社も宗教的だし、(実際選挙の投票もある支持層に斡旋されました)人に干渉ばかりする、暇な人が結構多かったように思います。社員は管で、派遣やパートは民といった感じでした。
パワハラやセクハラも相談窓口に相談したら社内に筒抜けで、心配してる振りしていらないことを言って揚げ足取りの社員や派遣が鬱陶しかったです。辞めた今でも探りを入れてくるのが腹立たしい。時々思い出しては腸が煮えくり返ります(`Д´)

結局、天下りの浮世離れした社員が残り、弱者には冷たい企業なのだと実感しました。
どこの子会社もそのような実態なのですね。
私には今さら何もできませんが、陰ながら応援させていただきます。

投稿: 名無し | 2011年11月15日 (火) 00時26分

ハラスメントが誠実に処理されず厄介な問題として密かに上層部で話し合われたり、それは一般的なことだよと周りや当事者を洗脳したり、法的に問題になるから処理するけれど、手をかけさせられてめんどうだよという上層部でなっていました。

相談してくれと、上層部が面接をもうけるものの、話した内容は筒抜けです。

私はパワハラ、セクハラ、発展してモラハラというハラスメントをあびせられ、退職しました。

正社員でした。

投稿: | 2014年3月 6日 (木) 02時59分

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