韓国からHYUNDAI非正規職労組のキムさんが来日!
1月30日、「非正規職のない世界を!日韓労働者連帯集会」が茨木市内で開催されました。
集会には韓国から金属労組・現代自動車非正規職支会のキム・ウンヒョさんが来られました。
関空についたばかりでかけつけていただいたキムさんは、韓国の超有名大企業・現代(HYUNDAI)自動車で10年間のあいだ自動車のシートを作り続けてきました。派遣労働者です。
キムさんの年収は3000万ウォン(230万円くらい)。正規労働者の半分です。韓国でも、正社員と派遣労働者とのあいだには、数多くの差別待遇があります。自動車を作るラインのスピードも、派遣労働者のほうがすごく速いのだそうです。
韓国には、派遣で二年間働き続けたら正社員にしないといけないという法律があります。だとしたら、10年間も働き続けたキムさんは、当然のことながら正社員にしてもらえそうですよね。
キムさんたちは、「正社員にしてくれ」と会社にかけあいました。しかし、会社はこれを無視したのです。キムさんたちは、これは法律違反だと考え、韓国の裁判所に訴えたのです。
そして昨年の7月、韓国の最高裁判所は、「これはやっぱり法律違反だ。現代自動車は違法状態にある派遣労働者をすぐに正社員にしてあげなさい」という判決を出しました。
最高裁判所の判決を聞いた現代自動車の派遣労働者はみんなで会社に押しかけました。「判決を守って、私たちを正社員にしてくれ」と叫びました。ところが、現代自動車はそれでも知らぬぞんぜぬを押し通したのです。
怒ったキムさんたち金属労組・現代自動車非正規職支会の仲間は、ストライキを決行することにしました。そして11月15日から12月9日までの25日間、1200人の労働者が現代自動車の第一工場に泊まりこむストライキを続けたのです。
会社は外側からストライキ会場を封鎖し、暖房を切りました。キムさんたちは一日に海苔巻きを一本くらいしか食べられない状況になりました。労働者の家族たちは食料を中に入れさせてくれと泣いて会社に頼みましたが、会社は鉄のコンテナで入口を封鎖してこれを拒みました。
会社が話し合いに応じると言ってきたのでストライキは解除されたのです。ところが、その話し合いの中で会社はキムさんたちにストライキの損害賠償をしろと言ってきました。キムさん個人が請求されたのは、なんと22億ウォン(1億6000万円くらい)です。
どこの世の中に22億ウォンもの金を払える派遣労働者がいるでしょうか。キムさんもおかしくて笑っちゃったそうです。
とにかく、現代自動車はそんな感じでのらりくらりと話をごまかし続けているので、キムさんもこのままじゃいけないなと考えているそうです。
そもそも韓国の法律を破り、最高裁判所の判決までも足蹴にした現代自動車が悪いのです。キムさんはあくまでも法律どおりに正社員になれるまでがんばるつもりです。
キムさん、素朴な感じの人で、ステキです! 私たちも応援しますよ。日本も韓国も非正規労働者が差別されているのは同じです。不当な差別をなくすために、がんばっていきましょう。
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