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映画「エリックを探して」を見ました

 ケン・ローチ監督の新作映画「エリックを探して」を見ました。

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 前作「この自由な世界で」では移民労働者のハードな現実をえぐりだすように厳しく描いたケン・ローチですが、今回は愉快で痛快なロマンティック・コメディ映画でした。

 お話の舞台になるのはイングランド(イギリス)のマンチェスター。その昔産業革命が起きた街です。主人公のエリック・ビショップは、何をやってもうまくいかない郵便局の配達員の男性です。熱愛だった一人目の妻とはとっくの昔に離婚し、二人目の妻も出て行ってしまいました。二人の子どもは学校に行かず家で遊んでいるばかりか、街のごろつきどもの影すら見えます。パニックを起こして交通事故をおこし、車もおじゃんになってしまいました。

 エリックのことを何かと気にかける職場のリーダー格のミートボール。彼が自己啓発本の見よう見まねで「尊敬する人物の名前を言ってみろ。その人が目の前にいると思ってみれば気持ちが落ち着く」とエリックにカウンセリングをします。

 すると、不思議なことにその晩、エリックが尊敬すると言ったサッカー選手のエリック・カントナが目の前に現れたではありませんか。「あの試合のゴールはすごかったな」とカントナが決めたゴールキックの思い出話をする興奮したエリックに、カントナは「ゴールよりもすばらしいのは美しいパスだ」と静かに語ります。

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 フランスうまれのカントナは、フランスのことわざをエリックに教えます。エリックはそのことわざにヒントを得ながら、目の前に立ちはだかる問題に一つ一つ向き合っていき、次第に元気をとりもどしていきます。

 妻とも再会を果たし、家族の暖かさがよみがえりかけたその時です。とんでもない事件が起きてエリックは八方ふさがりになってしまいます。

 しかし、カントナはあきらめません。なんと、ミートボールをはじめとする職場の仲間たちが、解決のカギをにぎっていたのです。

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 エリック・カントナというのは、実在のサッカー選手です。1966年にフランスのマルセイユで生まれたカントナは、フランスのプロサッカー選手でしたが、その後イングランドにわたり、マンチェスター・ユナイテッドを優勝に導きました。

 面白いことに、映画の中でエリック・カントナを演じているのは、本物のエリック・カントナなのです。実は、この映画のアイデアを考えたのもエリック・カントナ本人で、エリック・カントナ本人が作りたかった映画をケン・ローチのところにもちこんだのです。

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 ケン・ローチらしく、登場人物ひとりひとりの心の動きがリアルに描き出されている作品です。人情深いイングランドの庶民の生活を背景に、家族愛と友情の描き方がまったく野暮ったくないのもさすがです。そして、サッカーが好きな人なら二倍楽しむことができるでしょう。

 人生の中で何か問題にぶつかったとき、小さなことでも自分で何かをやってみる勇気が必要なのだと教えてくれます。そんな勇気を与えてくれるのは、いつも誰かとのつながりなのですね。

 心が温かくなるハートフルコメディ「エリックを探して」、今サイコーにおすすめの映画です。

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