福島原発・いくつもの質問をいただきました
福島原発事故について、たくさんの質問をいただきました。
原発に電気が通じたから、これで大丈夫と考えてよいのですか。
電気が来なくなったことで原子炉の過熱・爆発という事態になったわけですから、電気が通じたことは事態の好転につながる可能性はあります。しかし、電気が通じればすぐに問題が解決するわけではありません。地震と津波と原子炉の爆発とで、設備がぼろぼろに壊れているところに電気が通じても、すぐに原子炉を冷やせるとは限りません。綱渡りで外部から原子炉を冷やし続ける状況が、これからも続くと思っておいたほうがいいですね。
「ただちには健康に影響が無いレベルの放射能です」と、テレビでは口をそろえて言っていますが、何年もたってから影響が出てくるのではないですか。
残念ながら、そのとおりですね。
1999年の東海村JCO事故の時に、放射線をもろにあびた2名の作業員が、病院に運び込まれたけど亡くなりました。一人は83日後、もう一人は211日後でした。「ただちに健康に影響が出る」放射線被曝とは、こういう急性放射線障害のことです。
ですから、「ただちには健康に影響が無いレベルだ」とテレビが強調しているということは、長期的には癌になったりする影響があるのだと思わないといけませんね。放射線に被曝してから癌が発病するには何十年もかかる場合もあります。
東京の放射能の入った水は、沸騰させても飲めませんか。
沸騰によって放射能を取り除くことはできません。東京で問題になっている放射性物質は、放射性ヨウ素と放射性セシウムです。ヨウ素もセシウムも100度では気化しませんから、水を沸騰させても蒸発してくれません。また、放射能は原子核の反応ですので、温度をいくら上げても消えることがありません。
ぶっちゃけ、チェルノブイリみたいになりますか。
チェルノブイリ事故は、史上最大の核事故で、原子力事故の中では最悪のレベル7です。福島原発事故は、アメリカのスリーマイル事故と同じレベル5となっていますが、今後どうなるかはまだ楽観できません。チェルノブイリみたいにならないように、いろんな人の努力が続いているのです。
すでに10日間以上、放射性物質が流出しています。20キロメートル以内には立ち入ることができないので、どれくらいの放射能汚染があるかはわかりません。また、原子炉を冷やすために大量にかけられた水が海に流れ込んでいるため、海の汚染も大きいと報じられています。
今、一番こわいのは、乳幼児や妊娠中の人の人体に放射性物質が入ってしまうことです。体内に入った放射性物質は体内から細胞のDNAを焼いてしまいます。そして癌をひきおこします。小さい子どもへの影響が大きいのです。
チェルノブイリ事故が最悪となったのは、当時のソ連政府が事故を隠そうとしたため、住民の避難が遅れたことにも原因があります。適切な情報開示と迅速な避難が必要ではないでしょうか。
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