電力会社のデータを見ても、電力は余っている!
前回の記事に対して、お叱りをいただきました。
あんな、あいまいなグラフでは、わからないナ。情報の出どころもわからないし、説明になっていない。電力があまっているなんていう、ちょーっと信じがたい説を説明するには、かなり無理があるナ。
貴重なご指摘、まことにありがとうございます。正確な情報提供をモットーとする当ブログにしては、ちょーっと不十分な記事であったと反省しております。
前回の記事で紹介したポスターの元になったグラフがこれです。
これは、藤田祐幸さんが作製されたグラフです。広瀬隆さんがよく紹介されていますが、福島原発事故以後は週刊誌にも掲載されて有名になりました。説明書きにあるエネルギー・経済統計要覧は、毎年発行されているエネルギー問題の白書のようなものです。現在は2011年版が売り出されていますが、購入希望者が殺到しているので、amazonでも定価では買えないほど品薄だそうです。
これを見ると、日本の電力消費量の最大値は、2001年の7月24日に記録された1億8000万ワットです。これ以後、電力消費量の最大値は横ばい状態にあります。家電製品が節電仕様になってきたことも影響しているのかもしれませんね。白熱電球もどんどん低電力のLED電球に取り替えられて、今では絶滅危惧種扱いですものね。
そして、この電力消費量の最大値は、水力発電と火力発電とを足した発電能力よりも、はるかに下回っているのです。ですから、原発をただちに全て停止しても、電力供給は可能だと考えられるのです。
「こんな、反原発論者が作ったグラフは片寄った見方をしているに決まっているから、信用できない。」とおっしゃる方がいたとしたら、すばらしいですね。誰かの発表を鵜呑みにしているようでは、今の世の中では生き延びてはいけません。なにごとも、自分の目で確かめることが重要です。
そこで、原発推進論者の電力会社に登場していただくことにしましょう。電力会社の本家本元である電気事業連合会(電事連)のウェブサイトに「でんきの情報広場」というのがあります。ここに、電気事業のデータベース(INFODATA 2010)というページがあって、電気に関するデータがpdfファイルでたくさん掲載されています。下記のサイトです。ぜひご覧になってください。
これを見ていくと、いろいろなことがわかります。
このページは、項目に番号がふられていて読みやすいですね。「a-8」と「a-19」の項目を見てみると、最大電力消費量のことが書かれています。2009年の最大電力消費量は、1億5900万ワットと書いてあったり、1億5512万ワットと書いてあったりします。どちらにしても、1億5000万ワットから1億6000万ワットの間であったことは間違いないでしょうね。
そして、電気事業連合会としては、最大電力消費量よりもいくらか余分に電力供給力を保っておくべきだと主張されています。「不意の需要増加や異常渇水や発電所の事故等に備えて、需要を上回る供給力を確保しておく必要がある」と、おっしゃっています。これは納得できますよね。
そして、供給予備力も含めて、1億9540万ワットの電力供給能力が必要なのだと書いていらっしゃいます。なるほど。
さて、「b-9」のページを見ると、2010年3月の時点での日本全国の発電設備の能力が書かれています。日本全国の発電能力の合計は、2億8109万ワットです。確保しておくべき電力供給能力に比べて、1.4倍くらいありますよね。40パーセントもの余力があるということです。つまり、設備過剰なわけですよね。
そして、火力発電所の発電能力を見ると、1億8173万ワットとなっています。おや、火力発電だけで、必要な供給能力に迫っていますよね。
次に水力発電の発電能力を見ると、4796万ワットとなっています。他にも、地熱・風力・太陽光なども書かれていますが、問題を単純にするために、火力と水力だけを足してみましょう。答えはいくらになるでしょうか。
2億2969万ワットです。これは、確保しておくべき電力供給能力の1億9540万ワットを余裕で上回っていますよね。
電気事業連合会の公式のデータを見ても、あのグラフは間違っていないことが分かるのではないでしょうか。
このようなことから考えて、原発を今すぐにすべて止めても、電力の供給はまったく困らないといえるのです。週刊東洋経済の6月11日号「暴走する国策エネルギー原子力」にも、「「節電しないと大停電」もウソ」という記事がのっていますよ。
うそつき連中にだまされているのにもそろそろウンザリしました。みんなで大きな声で言いましょう。 「電力はあまってる!」
6月11日は、脱原発の日です。
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