BANKSYってスゲー!Exit through the gift shop
ドキュメンタリー映画「Exit through the gift shop」を見ました。
この映画を監督したのは、BANKSY(バンクシー)です。BANKSYは、イギリスを中心に活動するストリートアーティストですが、彼は決して素顔を見せることがありません。それどころか、どこに住んでいるのかも電話番号さえもわからない謎の男なのです。
BANKSYは、パレスチナのWEST BANK(ヨルダン川西岸地域)にイスラエルが作った分離壁に壁画を書いたというので有名になった人物です。
壁を越えたいという願いを表現したこの絵は、世界中で話題になりました。「いったいどうやって描いたんだ?」と誰もが思いました。当然、このような壁画を描くことをイスラエル政府は許可しませんし、描いているところを見つかったら警備兵に撃ち殺されてしまうかもしれないのです。
BANKSYは、型紙を持っていってスプレーペイントをふきつけて一瞬のうちに絵を書いてしまうという、特殊な技能にたけています。それで、警備兵の目を盗んでこんな絵を書いてまわることができるのです。
BANKSYは世界中に出没して、街の壁にアートを描いてまわります。「金持ち企業が自分勝手なコマーシャルを街中のいたるところに掲示しているのに、アーティストがアートで街の壁を飾ろうとすると、警察がやってきてそれを禁止し、あわてて消してまわる。おかしいことだ。」とBANKSYは考えます。
BANKSYの描くストリートアートは、誰もが無料で見ることができるものです。ところがBANKSYの評判が高くなるにつれ、BANKSYの絵を高い金を出して買い占めようとする金持ちが現れるようになってきました。これもおかしな話です。
映画「Exit through the gift shop」(贈り物ショップからの出口)は、BANKSYが体験したそんなおかしな現実の記録を映画にしたものです。非合法に描かれるストリートアートの様子をビデオに納めることにはまり込んでしまった一人の男。その男とBANKSYとの出会いからお話は始まるのですが、それは誰もが想定していないような意外な展開を見せていきます。
アートは美術館に高い金を払って見に行くものではなく、私たちの生活空間に自ら作り出していくもののはず。そのことを教えてくれるBANKSYは、なかなかスゲー奴です。
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