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韓国の「希望のバス」とは、どんなイベント?

 いよいよ第4次「希望のバス」が近づいてきました。なかまユニオンの代表団も韓国に向けて出発しました。

 さて、そもそも希望のバスってどんなことをするのかというお話です。前回7月30日にプサンで開催された第3次希望のバスのようすを見てみましょう。希望のバスのシンボルマークは「塩花」です。労働者の汗が作業着に結晶した塩の花は、働く一般庶民のもつ美しさをあらわしています。

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 プサンは韓国で二番目に大きい都市です。そのプサン駅前に巨大な屋外ステージが設置されました。夕方になると全国からバスに乗った人たちがやってきて、その数は1万人にも膨れ上がりました。

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 ステージでは文化祭が始まります。韓国では、夜間は労働組合の集会を行なうことができません。文化祭なら許可されるので、とびっきり盛り上がる文化祭が始まります。

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 駅前での文化祭が終了すると、キム・ジンスクさんが半年間もたてこもっている韓進重工のプサン・ヨンド造船所85号クレーンに向けて参加者は歩き始めます。

 ところが、イ・ミョンバク政権は希望のバス参加者がキム・ジンスクさんに会うことを許可しません。造船所のはるか手前に警察機動隊がバリケードを作って道路を封鎖してしまいました。

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 1万人の参加者は、バリケードにさえぎられて、そのまま道路上に座り込みます。路上に並べられたスローガンは、キム・ジンスクさんが訴える「整理解雇撤回」です。

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 そして文化祭が路上で引き続き始まります。

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 文化祭はいつまでたっても終わりません。全国から集まった人たちが次から次へと歌を歌ったり踊ったり詩を朗読したりします。

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 警察に阻止されてキム・ジンスクさんに会うことはできませんが、誰もがツイッター上でキム・ジンスクさんと会話をしています。すぐ近くまでみんなが来ていることがキム・ジンスクさんにもはっきりと伝わります。

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 やがて、ゆっくりと夜があけていきます。文化祭は夜が明けるまで続き、多くの若者は路上で語り合いながら夜を明かします。

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 「絶望を希望に変える」これが希望のバスの目的です。韓国では日本以上に労働者の非正規化が進み、若者の失業が増えています。このままでは国の経済が破滅してしまうという絶望的な不安をかかえた人たちが、その出口を探しに希望のバスに集まってくるのです。古くからある大きな労働組合がなかなか有効な手をうつことができない現状の中で、市民一人ひとりが希望を作り出そうと集まってくるのです。

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 そして参加者は、ここでつかんだ希望を胸に帰りのバスに乗ります。

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 希望のバス参加者は訴えます。「子や孫の世代に、こんな社会を残していいのか。私たちが変えなければいけない。だからキム・ジンスクさんをみんなで応援しなければならないんだ。」

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 第4次希望のバスは8月27日にソウルの中心部で開催されます。次の希望のバスに乗るのは、あなたかもしれません。誰でも個人の資格で参加できるイベントなので、今からでも参加できますよ。

 なお、ここで使用した画像は、ウルサン労働ニュースのウェブサイトからいただいたものです。ありがとうございました。

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