消費税を増税すると言うけど
こんな質問をいただきました。
野田総理大臣は、消費税を10%に上げると言っているが、それはどう思うか。
野田sorryの人気はどんどん下がっています。消費税増税もその原因の一つですよね。12月末には消費税増税に反対する人たちが民主党から離党して別の政党を作るという騒ぎも発生しました。
消費税は、たいへん「平等な」税金制度だと言われています。誰もが平等に一定の税率で税金を払わないといけないからです。たとえば、東北大震災の被災者も平等に増税されて負担が増えることになってしまいます。東京の人も東北の人も平等。金持ちも貧乏人も平等。加害者も被害者も平等。平等といえば平等ですが、こんな平等はなんだか変ですよね。
消費税は、脱税がしにくい税金制度だとも言われています。税金を取り立てる側からしたら、手間がかからないのです。逆にいえば、所得税とか法人税とかは、脱税がやりやすい税金です。
ちょっと違う話をします。オリンパスの社長が財テクで会社に損失を与え、さらにその損失を隠蔽するためにウソの経理帳簿を作り、さらにウソに気づいた新社長を首にしようとした、そんな事件が昨年ありました。たいへんな不祥事です。日本という国の信用を失墜させた事件でした。悪事を働いた社長には、過酷な刑罰を与えるべきだと思います。さて、この事件のせいでカリブ海のイギリス領ケイマン諸島のことが一躍有名になりましたね。
オリンパス事件では、ケイマン諸島にあるファンドを使って巧妙に損失の隠蔽が行なわれました。なぜケイマン諸島を使うと不正経理ができるかというと、ケイマン諸島がタックス・ヘイブンだからです。
Tax Haven(タックス・ヘイブン)とは「租税回避地」のことです。租税回避って、なんのこっちゃわかりませんが、むしろTax evasion Heaven(タックス・イヴェイション・ヘブン)「脱税天国」と言うほうがぴったりくるのではないでしょうか。
ケイマン諸島には、税金を取り立てるという制度がありません。イギリス内の経済特区として、所得税も法人税もまったくゼロなのです。
ですから、世界中の多国籍企業が子会社をケイマン諸島に作るのです。子会社といっても、ほとんどの場合は企業のビルどころか事務所すらありません。郵便局に私書箱が一つあるだけなのです。こんないいかげんな会社であっても会社として認めてしまうというのも、ケイマン諸島がタックス・ヘイブンだからです。
日本の企業が国内で得た収益であっても、ケイマン諸島に子会社を作って、その子会社に送金し、ケイマンの銀行に預け、帳簿上はその子会社に所得があるようにすれば、所得税を払わなくてすむのです。たとえば、2007年には日本からケイマン諸島に4兆円もの資金が流れていたと言います。
これって、脱税ですよね。本来なら日本の国に納めるべき税金を逃れているのです。白昼堂々と脱税が行なわれているのです。これでは、日本の国が赤字になるのもしかたないですよね。そして、ケイマン諸島のようなタックス・ヘイブンをうまく使って脱税できるのは、多国籍に展開する大企業や金持ちだけです。私たちのような一般庶民には、この手法を使うことはできません。
こんな方法で大企業や金持ちが正々堂々と脱税を行なっているのに、一般庶民が負担する消費税が増税になるというのは、不公平ではないでしょうか。
ケイマン諸島と日本との間には、昨年やっと租税協定ができて、今年から動き始めます。ケイマン諸島を利用した脱税はやりにくくなるものと思われます。しかし、ケイマン諸島のようなタックス・ヘイブンは、世界中に何箇所もあって、ケイマン諸島で規制が強まっても、まだまだ穴だらけなのです。
消費税が値上がりすれば、必ず生活できなくなる人がでてきます。消費税が5%上がっても、賃金が5%上がるわけではないからです。これは低所得者に死ねと言っているようなものです。死ねと言われて、ああそうですかと、おとなしく死んでなどはいられません。私たちは、何があっても生き延びていきます。
消費税増税は人殺しと同じです。あってはならないことだと思います。むしろ、消費税の税率は0%に引き下げていくべきなのです。
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