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今、一押しの一冊・原発に「ふるさと」を奪われて

 東北大震災・福島原発事故から一年がたちました。

 たいへん考えさせられる本が出版されました。原発に「ふるさと」を奪われて、という本です。

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 著者の長谷川健一さんは、福島県飯舘村で酪農を営んできた方です。牛を飼って牛乳を生産してきました。

  311日の大震災、福島県でも内陸部にある飯舘村は、地割れができるほど揺れましたが、津波の被害はありませんでした。そして312日の福島原発の爆発事故のニュース。しかし30キロメートルも離れているから大丈夫だろうと考えていたのです。

 ところが、14日になって事態は急展開します。村役場の人が「村で40マイクロシーベルトが観測された。でも、このことは口外するなと村長に言われてる」と長谷川さんに告げたのです。

 村落の区長でもある長谷川さんには、区民を避難させる義務がありました。しかし、村長は放射能被害の真実をあきらかにしません。「放射能の専門家」という学者の話を鵜呑みにして「安心しろ、安心しろ」の一点張りです。

 結局、飯縦村は避難区域に指定されました。「放射能の専門家」のお言葉とは正反対に、やっぱり危険だから全員避難しろということになりました。そして、牛乳は全面的に出荷停止となってしまいました。

 乳をしぼらなければ乳牛は病気になってしまいます。長谷川さんは、毎日しぼった牛乳を畑に捨てるのが仕事になってしまいました。さらには、家族同様の牛たちを殺してしまわねばならないという話まで持ち上がります。

  働く喜び、地域の人々のきずな、人間にとって大切なものを根こそぎ奪い去っていった原発の実態が、この本ではあきらかになります。涙なしには読むことができません。

 長谷川さんの一年間の苦悩と奮闘の姿を見ていると、お上・権力者の言葉を鵜呑みにしていては生き延びることができないということがはっきりとわかります。これからの日本を生きていくうえで、ぜひ読んでおくべき一冊です。

 発行は宝島社。 1400円です。

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