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精神疾患の労災申請の現実・証拠を残すのが絶対必要です

 次のような質問をいただきました。

会社で上司にいじめられて、仕事を休んでいます。診断書には適応障害だと書かれました。労災を申請したいのですが、証拠は必要でしょうか。

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 結論からいいますと、証拠は必要です。

 職場の精神的ストレスで、うつ病などの精神疾患になってしまった場合、業務上の病気であるわけですから、労災の対象になります。労災が認められれば医療費が無料になるだけでなく、休業補償がもらえるなどのメリットがあります。

 労災申請するための前提条件は、精神科の医師によって精神疾患であるという診断が出ていることです。「適応障害」という診断なら、国際疾病分類(ICD10)でF432なので労災の対象になります。「うつ病」「不安神経症」「抑うつ性障害」「うつ状態」なども対象になる病名です。

 労災申請をするためには、自分が勤務する職場を管轄する労働基準監督署に行くことになります。どこの労働基準監督署に行けばいいか分からないときは、都道府県の労働局に電話すれば教えてもらえますよ。

 労働基準監督署で精神疾患の労災の申請をする場合、ちょっとややこしいですが、「5号様式の申請」と「7号様式の申請」と「8号様式の申請」とがあります。

 業務上のケガの労災申請の場合は「5号様式の申請」から始めることが多いのです。ケガをして治療を受ける医療機関が労災指定でない場合は「7号様式の申請」になります。しかし、精神疾患の労災の場合は、通院している医療機関が労災指定であってもなくても、「8号様式の申請」つまり「休業補償給付の申請」から行なう方が、あとあとスムーズに事が進むはずです。

 さて、「8号様式の申請」をする場合、その書類「8号様式」には会社が印鑑を押す場所があります。ですから、会社に対して「労災を申請するのでハンコを押してください」と言わなければなりません。

 労働基準監督署に「8号様式の申請」の書類を書いて持っていくと、「申立書」の用紙をくれます。これに、どういういきさつで精神疾患になったのかを詳しく書いて提出することになるのです。

 労働基準監督署は、この申立書に基づいて労災として認定してよいかどうかの調査を行います。この時に、労災であることを立証できる証拠を持っているのなら、それを提出することになります。

 労働基準監督署は、必ず会社の上司からも聞き取り調査を行います。この時に、もしも会社の上司が「いじめなんて無かった」と証言したらどうなるでしょうか。実際に、ほとんどのケースで会社側は「いじめなんて無かった」「パワハラなんて無かった」と証言するのです。

 こうなったときに、いじめ(パワハラ)があったことを積極的に示す証拠が無いと、労働基準監督署は「本人はいじめられたと言うが会社はいじめは無かったと言っているので、精神的ストレスの事実があったかどうかはわからない」という判断をしてしまい、労災認定がされなくなるのです。

 ですから、証拠は絶対に必要です。

 いじめ(パワハラ)の発言を録音できれば最もよいのです。しかし、これはなかなか難しいと思います。

 いじめられた日に、仕事が終わった直後に家族や職場の同僚に「今日はこんないじめがあった」という愚痴のメールを送っていると、その記録が証拠になる場合もあります。できるだけリアルタイムに近い記録が証拠として有効なのです。デジタルな情報ファイルには、それが作成された日時が自動的に記録されていくので、証拠能力が高いと思います。

 あるいは、小さな手帳をポケットにいれておいて、何かあったらできるだけ早くメモを書き残し、そのメモを書いた日時もいっしょに書いておくことも有効です。ポケットの中に入っていたコンビニのレシートにメモを書き残すのも、あとから見ると有効な証拠になったりします。逆に、何日もたってからまとめて書いた記録は信憑性が薄いと判断されてしまいます。

 いかに証拠を残すか、いじめ(パワハラ)対策ではここが重要なポイントですね。

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うつ病は業務災害・公害だ」カテゴリの記事

コメント

主治医ではないのですが、別の医者から、適応障害は労災認定は難しいと言われました。本当に適応障害で労災になるのですか。主治医の診断書は適応障害となってます。

投稿: まさき | 2012年10月27日 (土) 17時06分

 まさきさん、コメントありがとうございます。
 適応障害は精神障害の労災認定基準の対象病名になっています。しかし、適応障害という病気には微妙な事情があって、労災認定が難しい場合があるのは事実です。いわゆる心身症とからむ場合です。
 長くなりますので、近日中に記事でご回答したいと思います。

投稿: みるめ | 2012年10月27日 (土) 17時37分

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