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キム・ジンスクさんご自身がナレーション・「塩花の木々、希望のバスに乗る」

 9月28日、大阪市内で韓国のドキュメント「塩花の木々、希望のバスに乗る」の上映会が開催されました。民主法律協会の皆さんの呼びかけによるものです。

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 昨年、プサンにある造船所・韓進重工の85号クレーン、高さ35メートルの高空にキム・ジンスクさんが309日間たてこもりました。

 労働組合との約束を会社が破って400人の大量の整理解雇を強行しようとしたこと、これに抗議するためでした。船の仕事を受注できなかった経営陣は何億ウォンの給料をもらい続けているのに、一般の労働者が責任を押し付けられてクビになるなんて、どう考えてもおかしかったのです。

 しかし、そんなキム・ジンスクさんの思いを会社はまったく理解しようとはしません。要求を飲もうとはしません。解雇が撤回されるまでクレーンを降りることはないと決意していたキム・ジンスクさんの心は、いつしか生と死のあいだをさまよい始めてしまいます。

 では、なぜキム・ジンスクさんは死神の誘惑を振り払い無事にクレーンを降りてくることができたのか。この今世紀最大の謎にせまったのが、ドキュメント「塩花の木々、希望のバスに乗る」なのです。

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 クレーンの上で独りツイッターでその思いを書き込んでいたキム・ジンスクさん。いつのまにか多くの人がそのフォロワーになっていました。なぜクレーンに登ったのか、クレーンの上でどんな思いで生活しているのか。ツイッターでそれを読んでいた韓国全土の人々は、キム・ジンスクさんに会いに行こう、バスをチャーターしてみんなで会いに行こうと計画するようになったのです。

 何万人もの人が、自腹で交通費を払いバスに乗りました。キム・ジンスクさんに会うために、徹夜で路上で集会をしました。会社の雇ったチンピラや警察官が「おまえら、なにしに来た?帰れや!」と乱暴に追い払おうとしてくるのにもじっと耐えました。なぜ、希望のバス参加者はそこまでしてキム・ジンスクさんに会いたかったのでしょうか。

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 上映会には、ドキュメントを撮影・作成したフルプロダクションのオ・ソヨン監督も来場してあいさつをしました。オ・ソヨンさんは語りました。「希望の反対語は絶望ではない。希望の反対語は無関心だ」

 韓国の多くの若者が絶望を感じています。仕事がないからです。派遣などの非正規労働者は、人間扱いをされないことも多く、会社の思いつきで簡単に解雇されてしまう存在です。国の政治家は、自分勝手で無責任な企業経営者の見方ばかりしています。

 そんな絶望が支配する韓国で、まずは被害にあった人に対して関心を持つことから希望が得られるのだと、希望のバスの参加者は気づいたのではないでしょうか。

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 「塩花の木々、希望のバスに乗る」は、昨年の夏にいったん日本でも公開されました。今回上映されたのは、その後のフィルムを付け加えて編集されなおした特別編でした。昨年夏の上映を見て、私たちなかまユニオンは希望のバスに参加することを決めました。ですから、今回追加された映像の中には、日本から希望のバスに乗りに行ったなかまユニオンの組合員の姿も繰り返しうつされています。

 日本で会社の不当なパワハラや解雇と闘っている普通の労働者が、希望のバスに参加して国境をこえて新たな希望を産み出していく様子が克明に描かれています。

 ただ、なかまユニオンやその友好労組の組合員のインタビュー画像の中には、労働情勢についての事実関係の把握が間違っていたり、どうでもいいことをしゃべっているような画像もあったりして、ちょっと恥ずかしかったでした。日本人のインタビューはもっと削ったほうがいいですね。

 オ・ソヨン監督は、希望のバスに参加したなかまユニオンの個性あふれる組合員たちをずいぶん気に入ってくれたようで、わざわざ日本にまでなかまユニオンの取材に来るようになりました。ですから、なかまユニオン関係の画像は「なかまユニオン・ぶっとび日韓珍道中」とでもいうような別の映画でみせていただければ、また面白いのではないでしょうか。

 それはさておき、キム・ジンスクさん自身がナレーションをつとめるこのドキュメントは、他では見ることができない貴重な映像です。今後、近畿圏では各地で上映会が予定されていますので、是非ごらんになってください。

「塩花の木々、希望のバスに乗る」上映会

10月20日 14時 京都・清水五条 京都ひとまち交流館

10月20日 19時 大阪・天満橋 エルおおさか

10月21日 14時30分 滋賀・長浜 勤労者福祉会館臨湖

10月25日 19時 滋賀・草津 草津市まちづくりセンター

10月27日 14時 尼崎・武庫之荘 尼崎市女性センター・トレビエ

11月16日 19時 大阪・大正 大阪市立大正会館

詳しいことは、なかまユニオン(06-6242-8130)にお問い合わせを。

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コメント

これは良い感想を上げていただき、ありがとうございます。指摘いただいた部分を含めて、より良い映像になるように、もう一度修正をしなければならないという気がしました。
今後も日韓連帯のために努力する人になりたいです。関心を持って、一緒に参加してください!!(o^-^o)

投稿: Hopebus_Oh | 2012年10月10日 (水) 13時16分

 Hopebus_Ohさん。コメントありがとうございます。
 今後とも、よろしくお願いいたします。

投稿: みるめ | 2012年10月12日 (金) 17時04分

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