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パワハラ上司のいる職場に復職する難しさ (その1)

 最近、何人かの方から、次のような声を聞きます。

 職場のパワハラ上司のせいで精神疾患になってしまい仕事を休んでいます。病状が落ち着いたから復職したいのですが、パワハラ上司がいるので、再発しそうで復職できません。どうしたらよいでしょうか。

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 職場でパワハラを受けて病気になってしまった人の多くが、復職できずにその職場を辞めてしまいます。それは、職場にもどってもパワハラ上司から引き続きパワハラを受けることになってしまうからです。

 精神的ストレスの原因から遠ざかること、これは精神疾患の治療の上ではまったく当然のことなので、パワハラ上司が幅をきかせている会社を辞めてしまうという道は確かに現実的な道なのです。

 しかし、会社を辞めてしまったら次の会社を探すのがなかなか難しいという不景気なご時勢に、なぜ被害者の方が辞めなければならないのかという疑問が残ります。

 加害者であるパワハラ上司が会社の中でのうのうと給料をもらっているのに、なぜ被害者の側がこれまでの生活を投げ出して難しい転職活動をしなければならないのか、本当に不条理なことなのです。

 これが時代劇なら、水戸黄門が印籠を振りざしてパワハラ上司に切腹を命じてめでたしめでたしとなるのですが、現実の世の中にはパワハラ上司を罰してくれる人はあらわれません。

 上司が部下を鉄の工具で殴ってケガをさせたというような明らかな傷害事件がありました。被害者は体だけではなく、心にも傷を負いました。しかし、そんな場合でさえ警察はそのパワハラ上司を捕まえてはくれなかったのです。被害者が死ぬくらいの事件でない限り、警察は企業の中にはふみこんできません。

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 これまで私たちが経験したケースでは、大企業の場合はパワハラ上司と顔を会わせない部署にしてもらうということがありました。悪い上司のほうをよその部署に飛ばした会社もありました。また、被害者の方が他の部署を希望して移った例もありました。このような場合は、被害者と加害者とが引き離されるので、その後はストレスが無くなり、働き続けることができます。

 もちろん、会社側を説得して動かさなければ人員配置の変更はしてもらえないので、これを被害者が一人でやるのはなかなか難しいという問題があります。

 大企業にはメンタルヘルス担当者が置かれているので、会社によってはメンタルヘルス担当者が力になってくれる場合もあります。しかし、メンタルヘルス担当者があまりにも低レベルすぎて、有効な手をうってくれない会社も多いのです。ひどい話では、職場でパワハラを受けて困っていることをメンタルヘルス担当者にうちあけたら、今度はメンタルヘルス担当者からねちねちとイヤミを言われて退職に追い込まれたというケースさえあります。

 パワハラ被害者は精神的なダメージを受けているので、心が疲れていて会社との交渉をするだけのパワーがありません。あくまでも被害者の立場にたって協力をしてくれる人がいないと、なかなか有効な手をうてないことが多いのです。

 また、配置転換という手段が使えるのは会社が大きい場合だけです。せいぜい10人くらいしか社員がいない会社では、そもそも「よその部署」というのがありません。多くの中小企業では配転先が見つからないのです。

 そうなると、パワハラ上司と顔を会わせながら働き続けるという道を選ばなければならなくなります。

 この先は長くなるので、続きは次回に書くことにします。

(その2)につづく

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