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キャノン偽装請負争議が勝利和解をかちとりました

 2月16日、尼崎市内で、キャノン偽装請負争議勝利報告集会が開催されました。

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 キャノン非正規労働組合は、キャノン宇都宮工場で請負として働いてきた非正規労働者が結成した労働組合です。名目上は「請負」であったのですが、実質上は「派遣」であるという、いわゆる「偽装請負」状態にありました。このことに疑問を感じたキャノン非正規労働組合は、栃木県労働局に是正指導を求めました。

  県の労働局は「偽装請負」状態の違法性を認め、キャノンに対して彼らを直接雇用で雇うように指導しました。

 ところが、キャノンはわずか2年間の短期雇用の期間雇用に切り替えただけだったのです。「期間雇用であっても、正社員への道は開かれているよ」とキャノンは言いました。確かに正社員採用試験を形だけは受けさせてもらえました。ところが、実際はキャノン非正規労働組合の組合員はあからさまに差別されて、正社員にしてもらえることは無かったのです。

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 正社員への道を奪われたキャノン非正規労働組合の組合員は、不当にも解雇されてしまいました。普通なら、ここであきらめてしまうところです。しかし、キャノン非正規労働組合の仲間たちは、会社の違法性を立証する証拠を集めてまわりました。

 そして、労働委員会と裁判所の場でキャノンの違法な組合差別の実態を明らかにしてしまったのです。法廷の場で会社の役員が追い詰められて答弁に行き詰る状況が作られました。

 キャノン非正規労働組合は更に、地域の様々な労働組合に支援を求めていきました。組合委員長の阿久津さんの実直な人柄も手伝って、誰もがキャノン非正規労働組合の応援をするようになりました。

 そして、ついにキャノンの御手洗会長が非正規労働組合との和解に応じたのです。被解雇者全員ではありませんでしたが、直接雇用が実現しました。

 職場に労働組合があり、会社の汚いやり方の証拠を取って正々堂々と訴えれば、違法な偽装請負をやめさせることができる。これはすばらしいことです。私たちは、キャノン非正規労働組合の運動の経験を慎重に丁寧に分析し、これからの私たち自身の方向性にいかしていきたいと思います。

 キャノン非正規労働組合の皆さん、本当におめでとうございます!

 そして、ありがとうございました!皆さんの積み上げてきた成果を充分に生かして、私たちも次の一歩を踏み出していきたいと思います。

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