アベノミクスで「解雇は自由」になる?
安倍総理のアベノミクスの中に、「解雇は自由」という法律を作るという計画があると聞きました。本当ですか。解雇が自由になると、どんな影響があるのですか。
安倍sorryが議長をつとめている「産業競争力会議」というものがあります。政府関係者だけでなく武田薬品や楽天など超有名大企業の社長たちがメンバーに入って、アベノミクスの「成長戦略」を決めるという会議です。
この場で3月に大企業の社長たちが提案したのが、「解雇を自由にできるようにする」という内容の労働契約法改悪案です。
これまで、日本では「解雇というのは本来は避けるべきものである。どうしても仕方ないときだけに解雇をすることが許される」という考え方が主流でした。労働契約法も、その考え方が基本になっています。
ところが、「解雇を自由にできるようにする」という今回の改悪案は、この考え方を180度転換し、「解雇というのは本来は企業が自由にできるものであって、たいした理由が無くても好きな時に労働者を解雇していいのだ」としようというのです。
現在の日本では、すでに企業はやりたいほうだいに労働者の解雇を行なっています。大企業では人権無視の「追い出し部屋」が設置され、いらないとみなされた労働者が精神的ストレスを与えられて自ら辞表を書くように仕向けられています。
ブラックな中小・零細企業では、そんな面倒な手続きは省略して「おまえはクビだ!」といきなり解雇されるのも珍しくありません。
しかし、現在の法律が「解雇は本来は避けるべきものである」となっているおかげで、「クビだ!」と言われてからでもユニオンに加盟し、あまりにも不当な解雇を撤回させることも可能になっています。裁判所に訴えて不当性を明らかにし、解雇撤回の判決が出ることもありえます。
「解雇は自由」ということが法律に書かれてしまえば、このような救済方法はできなくなってしまいます。ユニオンが何と言おうが、裁判所が何と言おうが、企業は自由に労働者をクビにできるというわけです。
「解雇は自由」がアベノミクスの中で計画されていることが判り、たくさんの人が反発しました。政府関係者の中でも慎重論が高まったため、4月23日の産業競争力会議の場では「6月に発表する成長戦略には、解雇自由は盛り込まない」ということになりました。
しかし、安心はできません。安倍sorryは「解雇自由にはしません」とは一言も言っていません。7月に予定される選挙で票が減るのを避けるために、それまでは「解雇自由」をおおっぴらには掲げないでおこうということなのです。選挙で自民党がたくさんの票を得たら、「解雇は自由」という改悪案がまたしても出てくることはまちがいありません。
「アベノミクスじゃなくてアベノリスクだ」、と批判されるのも当然ですね。私たちは、慎重に安倍sorryの動きを見守り、迅速に抗議していかねばなりません。
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