大阪の空にオスプレイ?ゾッとしませんか
維新の会・大阪府知事が、大阪で米軍機オスプレイの訓練を受け入れたいと言ったことが、大きな問題になっています。
これが、米軍機オスプレイ(MV-22)です。両翼の先に回転翼がついた異様な姿が、テレビのニュースにもよく出てきます。離陸・着陸の時にはヘリコプターのように垂直に飛び、上空では回転翼を前に倒して普通の飛行機のように前に飛ぶというしろものです。
アメリカ軍の海兵隊が、沖縄の普天間基地にこのオスプレイを配備し、沖縄県は県知事をはじめ、みんなが反対しています。沖縄の人たちがオスプレイに反対するのには、わけがあるのです。
とにかく事故が多い。これが、みんながオスプレイを嫌う理由です。アメリカでは「未亡人製造機」と呼ばれるくらい、たくさんの兵士がオスプレイ事故で死んでいます。
なぜ事故が多いか、それはオスプレイの設計にそもそも欠陥があるからなのです。
飛行機が空を飛ぶためには、「耐空証明」をとる必要があります。「耐空証明」というのは自動車でいえば車検のようなものです。安全に運転できるという証明です。
ところが、このオスプレイはアメリカで「耐空証明」を取ることができませんでした。あまりにも性能に欠陥が多すぎて、アメリカの連邦航空局は「耐空証明」を出すことができなかったのです。
「耐空証明」が無いのに、なぜオスプレイは空を飛ぶことができるの?みんなが不思議に思いました。アメリカ軍機だけは例外的に「耐空証明」が無くてもアメリカの空を飛んでいいことになっているからなのです。しかし、いくらアメリカ軍機といえども、ジェット戦闘機を除いてはこれまではすべて「耐空証明」を取っているのです。人員輸送機としては、オスプレイは最初の例外だったのです。
日本の航空法でも、日本の上空を飛ぶ飛行機には日本の「耐空証明」が必要です。オスプレイはアメリカの「耐空証明」を取れなかったくらいなので、当然ながら日本の「耐空証明」も取れません。しかし、日米地位協定により、アメリカ軍機は日本の「耐空証明」が無くてもよいということになっているので、オスプレイは堂々と沖縄の上空を飛んでいるのです。
しかし、本来は安全確保のためには「耐空証明」が必要なはずです。それが取れないオスプレイの飛行を許可するなんて、車検が通らない自動車が公道に出るのを認めるようなものではないですか。おかしいです。
沖縄の人たちが、バカにされたような気がするというのも、よくわかります。
では、オスプレイの性能の欠陥とは何なのか。たとえば、通常のヘリコプターなら必ずできる、飛行中にエンジンが止まっても軟着陸できる機能がオスプレイには無いのです。これ以上の技術的なことはたいへん難しいお話になるので、関心のある方は下記の専門のサイトをごらんになってください。
こんな危険なオスプレイ、沖縄の人たちがこぞって反対しているオスプレイを、大阪に来てもらおうと、わざわざ大阪府知事が発言したものだから、みんながびっくりしたのです。維新の会が乱心したとしか思えません。
大阪に来るとしたら、八尾空港を使用することになります。
市街地のど真ん中にある、こんな小さな空港にオスプレイがやってきたら、いったいどんな危ないことになるのか、わかりそうなものです。もしも事故が起きたらと考えると、ゾッとします。八尾市長も、オスプレイ訓練には絶対反対だと明言しています。
八尾は、夏になると河内音頭で盛り上がる楽しい町です。そんなところに物騒なオスプレイを持ってくるなど、して欲しくはありません。
大阪の空をオスプレイが飛ぶ。これはどうにも合点がならないことなのです。
| 固定リンク
「戦争はしたらあかんで」カテゴリの記事
- 「集団的自衛権」で集団自決の悪夢がよみがえる(2015.06.28)
- 集団的自衛権について、元自衛官が発言しました(2014.07.04)
- 誰の「秘密」を誰から「保護」する法律なの?(2013.11.23)
- 大阪の空にオスプレイ?ゾッとしませんか(2013.06.17)
- シリアで亡くなった山本美香さんの死を悼む(2012.08.23)
コメント
オスプレイは、固定翼機としては翼が小さすぎ、回転翼機としてはローターが小さすぎます。飛んでること自体が戦いだ、そんな機体で戦争に行くというのは、まるで特攻隊精神ではありませんか。
こんなもの、一般市民が生活する頭上を飛ばすべきではありません。
投稿: ならんならん | 2013年6月21日 (金) 23時19分
ならんならん様、コメントありがとうございました。
本当に、オスプレイのようなおかしなものが日本の上空を飛んでいるのは、理解できない愚考です。
欠陥飛行機オスプレイは、ただちに廃棄すべきです。
投稿: みるめ | 2013年6月28日 (金) 22時33分
私は、八尾空港の近くに住んでいます。私の家の上空を八尾空港に着陸するヘリコプターが通過します。オスプレイが頭上を通過するかもしれないのは、たいへん怖いことです。
夏祭りの季節が近づいています。昔からの人情にあふれた町です。今年は、オスプレイの不安があってうっとおしい気分です。オスプレイは八尾空港にやってこないことを、早くはっきりさせてほしいです。沖縄の人の気持ちが少しわかる気がします。
投稿: もうすぐ夏祭り | 2013年6月30日 (日) 19時55分