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やられたら、やりかえせ!しかし100倍返しはやりすぎ

 22日放映のテレビドラマ「半沢直樹」の最終回は瞬間最高視聴率50%という人気の高さでした。

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 正義感の強い銀行マンの半沢直樹(演:堺雅人)が、取締役会の場で往年の宿敵である大和田常務(演:香川照之)の不正を暴き、みごとに逆襲できるかどうかが話題になっていました。

 なにしろ大和田常務は銀行の儲けのためなら取引先の企業をだましたりつぶしたりしても構わないという人物。また、腹心の部下でも邪魔になったらさっさと切って捨てる超パワハラ上司です。「大和田の口ぶりを聞いていると、うちのパワハラ上司を思い出してしょうがない」という声が実際に聞かれたのです。テレビを見ている人は大和田常務が憎くて憎くて仕方ないので、半沢を応援する声が高まっていたのです。

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 半沢のいつもの口癖は「やられたら、やり返す。倍返しだ!」

 「やられたら、やり返せ!」これは、私たちのような地域ユニオンがいつもモットーにし、実行していることです。会社や上司からコケにされ、契約を守ってもらえず、パワハラを受け、虫けらのような扱いを受けた労働者が、団結して奴らにやり返すのがユニオンなのです。

 「やられたら、やり返す」。これは、人間としては当然のことです。パワハラを受けて、いじめられたままで泣き寝入りしていると、いじめている奴はどんどんつけあがって更にいじめてきます。また、いじめられる方は気力を失って、どんどんいじめられやすい人間になっていってしまいます。いじめられた側が、毅然として逆襲に転じるしか、いじめを無くす方法はないのです。

((注意)) 以下、最終回に関するネタバレを含みます。作品を見てない人は読まないで下さい。

 しかし、今回の半沢直樹最終回のように「100倍返しだ!」とまでやってしまうと逆にやりすぎだと思います。

 半沢直樹が銀行頭取から最後の最後に出向を命じられたことを意外に思った人も多いようです。

 しかし、取締役会という正式の会議の場で、すでに大和田常務の不正行為がはっきりと立証されたにもかかわらず、頭取の「そこまでにしておけ」という言葉も無視して大和田常務に土下座を強いたのは、ちょっとやりすぎだと思います。

 土下座の強要はリンチであって、やりたいのなら会議場の外で二人だけで行なうべきです。それを会議参加者の面前でやってしまったのですから、半沢直樹への懲戒処分は免れないのではないでしょうか。

 私たち地域ユニオンも、「やられたら、やり返せ!」の気概で不当な企業を責めることが多いのですが、要求が通って勝利したときにやり過ぎないように気をつけないといけないのです。やりすぎると、あとで別の形で相手から逆襲されたり、仲間の団結にひび割れがおきたりします。

 そんなことを議論しながら、私たちはこのドラマを楽しみました。

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コメント

現実では業種が違えども会社という組織や偉い立場の人が正式な謝罪をなかなか行わないからこそ、あのような演出やストーリーができた(ウケた)のではないでしょうか(推測)。大企業からしたら①国会で問題になる。②大手のTVと新聞が大きく取り上げる。の2つをさまざまな”しがらみ”でもって乗り越えてはいないでしょうか?(疑問)。残念ですが、そう思えて仕方がないのです。さらには、労働行政OBの方の意見が出ていた記事には”企業に対する指導の回数”が人事評価のメインになっているというのがありました。こういった現実の社会の深部や問題点をもっともっと半沢直樹で描いてほしかったです。

投稿: 匿名希望 | 2013年9月29日 (日) 17時01分

回数ではなく件数と書くべきでした。ごめんなさい。訂正させてください。また、元の記事はゲンダイネットの”ブラック企業9月一斉調査 ワタミに手は入るのか”
( http://gendai.net/articles/view/syakai/144019 )でした。

投稿: 匿名希望 | 2013年9月29日 (日) 18時37分

 匿名希望の方、ブログを見てくださってありがとうございました。
 現在の日本の企業は治外法権と言ってもいい状態だと思います。企業の内側には法律の効力が及ばないのです。不正がまかり通っています。犯罪や重大な失敗があっても誰も責任をとろうとしません。謝罪をしません。そんなことだから、日本経済がガタガタになってしまったのではないでしょうか。

投稿: みるめ | 2013年10月 4日 (金) 15時15分

コメントを返して頂きありがとうございます。みるめさんの書かれた通りの現状だと思います。自社製品の死亡事故の記者会見に出席もしなかった役員が高給な名誉職に就いた会社を知っています。そこの子会社では偽装請負が行われていましたし、年代をまとめて多めに採用、資金をいろいろな名目で親会社に還流させて、さらに、ある時期に会社ごとリセットされるというようなことをパワハラ上司がほのめかしていました。使い潰されずに何とか続けても、ほとんどの者は多くの退職金は望めないということです。まるで出汁にするための存在にされてるということでしょうか・・・。先日、TVで隣国のハイ〇ールという会社の人材登用制度を見ましたが、国内の大手企業は人事制度でも大きく負けているという側面もあるのではないかと思います。もしも私に役員と人事部の給与を査定できる権限があれば、隣国の人件費よりも安く査定してもいいのではないかと思えました。

投稿: 匿名希望 | 2013年10月 6日 (日) 11時56分

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