アベノミクスでどうなる?日本の商店街
今、日本中で中小の商店の閉店があいついでいます。
ここは商店街にある小規模のスーパーマーケットで、地元の高齢者のお客さんが喜ぶような品揃えで親しまれていた店なのですが、10月31日をもって閉店しました。わずか一ヶ月前に閉店のお知らせが貼り出され、あっというまに終わってしまいました。お客さんと店の人とが別れをおしんで涙ぐむというような光景が見られました。
ここが閉店になれば、近くの商店街の売り上げにも影響が出るはず。事態は深刻です。
ニュースによれば、この10年間で日本中の豆腐屋さんの三分の一が閉店したそうです。原料となる輸入大豆は値上げされていくのに、豆腐は値上げすることができないからです。アベノミクスによって輸入品の値上げに拍車がかかっていますし、来年4月の消費税値上げでさらに消費者は物を買わなくなります。伝統的な豆腐屋さんが今後も経営を続けていくのは、たいへん難しくなっているのです。日本の伝統が消えていくのは、なんとも寂しいことです。それは経済的だけではなく文化的な損失なのです。
大企業が栄えればみんながおこぼれに預かって栄えることができるというのがアベノミクスの理論です。たとえば、西日本で最も高い高層ビル「あべのハルカス」が最近できましたが、そのために天王寺・阿倍野かいわいは大規模な再開発工事が行なわれました。大阪府民の払った税金が大量につぎこまれたのです。
ところが、この「あべのハルカス」が思ったほど儲かっていないのです。見物にくる客は多くても、品物を購入する客は少ないのだそうです。「ハルカス、あかんらしいわ。部長さんらがとんと飲みに来なくなったもん。だって、レストランでも高いやんか。食べに行こうって気にならへん。」と天王寺かいわいの飲み屋のママさんが嘆いています。
大企業にばかりお金をつぎこんでも、消費者の購買力が落ちているままでは結局は事業は成功せず、行政の赤字ばかりがふくらむばかりで、おこぼれになんて誰もあずかれないのです。
今、地域の商店街は地元バルや商店街のお祭りを企画するなど、お客さんを呼ぶのに必死になっています。そんな努力や苦労が、国の政治を動かすアベノミクス政治家の皆さんに届くことはあるのでしょうか。
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コメント
政権交代後、日銀総裁が交代したこと、オリンピックが決まったことは、経済面で良かったと思うのですが、今後どうなっていくのでしょうか。おこぼれを貰うとすれば、高級クラブやゴルフ場などでしょうか。大企業は、ライバル企業や外国企業との競争に負けるわけにいかないということでのことで利益、合理化の追求がしょうが、結果として若い人たちや立場の弱い人たちにお金が流れていかないと状況を作り、みんなで生き地獄のような生活になっては、たまりません。お金は血液のごとく循環させてほしいと願うばかりです。
投稿: 匿名希望 | 2013年11月 4日 (月) 09時26分
匿名希望の方、ブログをたびたび見ていただき、ありがとうございます。
金は天下の回り物といいますが、それが回らなくなっているのが現在の日本の経済状況です。
本当に、このままでは日本は庶民が住めない廃墟のような国になってしまう気がします。
経済問題はけっして天災ではありません。人間の経済を作るのは人間だからです。政治家の皆さんの責任は重いと言わざるをえません。
投稿: みるめ | 2013年11月13日 (水) 21時31分