誰の「秘密」を誰から「保護」する法律なの?
11月21日、「秘密保護法」に反対する大集会が東京で開催され、1万人が集まったとの事です。今、週刊誌などでも話題の「秘密保護法」って、いったい何なのだろうかと思って、ネットで見てみたらびっくりしました。作家の落合恵子さんが、すごい勢いで怒っています。
「秘密保護法」って、誰の「秘密」を誰から「保護」するのか、よく考えてみないといけません。
日本の国の安全保障上の秘密を、中国や韓国や北朝鮮から保護するのだから、秘密保護法は必要なんだと言う人がいますが、「秘密保護法」の実際の中身を見てみると、そうとばかりは言ってられないようなのです。
「何が秘密? それは秘密!」
「秘密保護法案」では、隠すべき秘密を「特定秘密」と言うのですが、何が特定秘密なのかはその時の総理大臣が勝手に決めることができるのです。そして、「何が特定秘密に指定されているのか」は秘密なのです。「何が特定秘密なのか」を聞いたり調べたりすることがそもそも秘密保護法違反で、10年以下の懲役という重い処罰を受けることになります。
つまり、政治家や高級官僚にとって都合の悪いことを「特定秘密」に指定してしまえば、それについて新聞記者が取材することもテレビが取り上げることもLINEに書くことも禁止されてしまいます。
これでは、腐敗した権力者たちが悪いことをやりたい放題でゲラゲラ笑っているだけで、この国はますますおかしなほうに行ってしまうのではないでしょうか。
私たちの生活を考えた場合、たとえば次のようなことが考えられます。
ケースその1 原発事故があったので、自分で放射能測定器を購入して自分の家の周囲の放射線値を計測し、それをブログに書いた。
秘密保護法違反です。刑務所行きです。原発事故があればそれが「テロリスト」に利用されるかもしれないので、原発事故についてのどんな情報も国の安全保障に関わる情報だからです。福島原発事故の真実の情報を隠そうと、東電や政府が必死になっていたこと、忘れてはいませんよね。
ケースその2 友人が自衛隊員の家族なのだが、「また転勤なのよ。自衛隊って、転勤が多くてたいへんなのよ。」というグチを言うのを聞いてしまったので「今度はどこへ行くの?」と聞いてしまった。
秘密保護法違反です。刑務所行きです。自衛隊の行動は国の安全保障に関わる情報なので、それを知ってしまった者は許されません。情報をもらした者だけではなく、それを聞き出した者も処罰されます。
今の私たちにとって必要なのは、情報を知ること、権力者によって隠されている秘密情報を公開させることではないでしょうか。それに逆行し、国民が見ることも聞くことも話すこともできなくするような「秘密保護法」は、どうもいただけない感じです。今後も私たちは、この件について情報を集め、発信していきたいと思います。
おっと、こんなことをブログで書くことも、「秘密保護法」違反と言われるようになるのかもしれませんね。
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コメント
アメリカのスパイが日本の官庁から秘密をフリーハンドで抜き出せる状態にすでになってしまっているが、今回の秘密保護法案はこのようなスパイ活動は全く取り締まろうとしない。
誰のための秘密保護法か、しょせん売国奴どもが作る法律だから火を見るよりも明らかである。
投稿: 憂うるか雲 | 2013年11月24日 (日) 17時03分