「我々は口舌の徒ではない」・NPO労働相談センター石川源嗣さん
12月14日、NPO法人労働相談センター理事長の石川源嗣さんのお話を聞きました。
石川源嗣さんは、全国一般東京東部労組の活動をしてこられた方で、その組合活動の一環としてNPO法人労働相談センターを2004年に立ち上げたのです。
NPO法人労働相談センターには、一年間に8000件に近い労働相談が寄せられています。すごく多いなと思うのですが、石川さんは、「多いと言われていい気になってはいけない」と自らを戒めます。
「地域ユニオンという形態は、中小企業の労働者、パートや派遣など非正規の労働者にとってふさわしい組合の形態である」と石川さんはおっしゃいます。「日本では、全労働者の8割が、中小企業労働者か非正規労働者なんです。だとすれば、年間8000人というのはまだまだ少ないと思わなきゃいけない。私たちは、志を大きく持たなきゃいけない。」
労働相談を寄せてくる人のほとんどは、インターネットを見てくるのだそうです。確かに、NPO法人労働相談センターのホームページは充実しています。労働相談に応じる側の「労働相談ボランティア」の募集もホームページでされています。そして、このホームページの企画設計も石川さんがしているのだそうです。
石川さんはおっしゃいます。
「今の日本では、労働者が会社から不当な仕打ちをされることはいくらでもある。そんな時、どう考えても労働者には二つの選択肢しかないんだ。一つ目は、社長とケンカして辞めること。二つ目は、我慢して黙って働き続けること。」
「どちらも嫌だと言うのなら、第三の選択肢がある。それが労働組合を作ることなんです。会社の中で言いたいことを言い、会社を良くしていきたいと考えるのなら、労働組合なくしてそれを実行しようとしても絵に描いたモチになってしまう。労働組合が第三の選択肢なんだ。」
石川さんは、「我々は口舌の徒ではない」とおっしゃいます。「口舌の徒(こうぜつのと)」とは口先だけのヤツのことです。社長が何もわかってないと言うのなら、会社を良くしたいと言うのなら、いつまでも口先で言っているだけではなくて実効ある行動に出ることが必要なのです。
日本国憲法は、「勤労者の団結権」を定めています。職場に問題があるとき、誰か偉い人の力を頼る前に自分たちで力をあわせて自主的に解決しろということなのです。それが労働組合です。
私たちは、石川源嗣さんに教えていただいたことをよく肝に銘じ、これからも元気にユニオン運動を進めていきます。
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