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春よ、遠き春よ!しかし着実に近づく春よ!

 2月16日、なかまユニオン春闘交流会が行なわれました。

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 「春闘って、パナソニックとか大企業の労働組合がやってる、テレビのニュースの中の話で、私らとは関係ないと思ってましたわ。」

 そんな正直な意見もありました。まったくその通りです。私たち中小企業で働くものにとっては、春闘なんて歴史教科書に書いてある昔々の出来事でしかなくなっていました。

 もともと、春闘というのは、4月の年度替わりにあたって賃上げを実現するために始まった労働組合の交渉・運動のやり方でした。一つの企業の枠の中だけで交渉するのではなく、多くの企業の労働組合が統一要求を出して社会的に賃上げを実現しようとしたのです。

 高度経済成長の頃は、日本の生産力が全体的に増加し、毎年毎年企業の収益が右肩上がりに上がっていったので、このやり方がうまくいったのです。

 ところが、経済の規模が大きくなるのが止まってからというもの、このやり方はどうもうまくいかなくなってきました。

 しかし、それを「経済成長が止まったからだ」と単に経済のせいにしてしまっては何か間違っている気がします。どちらかというと、労働組合が情勢の変化についていけなくなったからだと考えたほうがいいのではないでしょうか。

 たとえば、昔は会社員と言えば正社員ばかりで、「パートさん」というのは例外的な存在でした。ところが、経済成長が止まったころからパート労働者の数はどんどん増え続け、派遣・請負など、様々な形の非正規雇用があたりまえのように見られるようになってきました。

 昔のような正社員中心の労働組合運営が行き詰るのは当たり前の話だったのです。

 私たちが継承すべき伝統は、「地区労」と呼ばれる地域ごとの労働運動が実践していたような、職場の枠を超えた中小企業の労働組合も参加する春闘の形だと思います。

 労働組合は、お偉い社長様や教祖様が与えてくれるものではありません。労働者どうしが組み合って、時には取っ組み合って、作り上げていくものです。

 なかまユニオンは、「すべての職場に労働組合を」という労働者の春の実現をめざして、あーでもない、こーでもないと論議しながら、進んでいくのです。

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