パートの入職の時には労働条件を文書で明示するべきです
つぎのような相談がありました。
パートで働き始めたのですが、初日に雇用契約書にサインしてくれと渡されたものを見たら、事前に聞いていたのと労働条件が違うのです。こんな話し聞いていないと言ったら、人事の担当者は確かに説明したはずだと言って譲らないのです。どうしたらいいんですか。
残念ながら、このような事件はたびたび発生しているようです。
パートの労働条件は、一人ひとりが違っていたりします。一日に何時間はたらくのか、何曜日にはたらくのか、様々な労働条件で働く人が混在していることが多いのです。おかげで、企業の人事担当者も勘違いしてしまうことがあるのです。入職の時のこんなトラブルは、言わばボタンの掛け違いで、労働者にとっては出鼻をくじかれる酷い話です。
このようなことがおきることを予防するために、労働基準法の第15条とパートタイム労働法第6条では、雇用契約をむすぶ前に労働条件を文書ではっきりと示すことが義務付けられています。このような文書を「労働条件通知書」と言います。
労働条件通知書には、雇用契約の期間、就業場所、業務の内容、始業時間と終業時間、残業の有無、休日、賃金の計算方法、賃金支払日などを必ず書いておかなければなりません。労働条件通知書を発行しなかった会社、明示するべき項目がそろっていない会社は、労働基準法違反で30万円以下の罰金を払わなければならないのです。
罰金ですよ。罰金。
また、人事担当者が労働基準法をちゃんと遵守するように研修を徹底することも必要です。パート職員だからといって、見下げたようないいかげんな対応をする人事担当者も残念ながら存在しています。それはパート差別であって、許されるものではないのです。
もしも、働き始めたら労働条件が違っていたような場合。個人で人事担当者に言ってもらちがあかない場合。こんなときには地域ユニオンに加盟して会社との交渉をして是正してもらうのが良いと思いますよ。
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コメント
参考になると思いコメントを書きます。
天下の某総合家電メーカーで、偽装請負を経験しましたが、やり方に特徴があります。
①採用前に雇用形態を説明していない。
②契約書の写しを渡していない。
③年金手帳を会社側が預かる。
④口約束ばかりで書面にしようとしない。
創業者を神格化していて、その著書を読ませて感想文を書かせながらも偽装請負を行うような大企業グループも存在したので、人事担当者の説明などには特に気をつけてください。
春になり、大企業の正社員のベースアップはニュースになるけれど、子会社を売却しながらベースアップしたケースなどはほとんどニュースにはされません。そんなものでしょうか。
投稿: 匿名希望 | 2014年4月20日 (日) 18時09分