仕事のストレスで吐き気や頭痛がします
次のような声を聞きました。
仕事のストレスがひどくて、吐き気がしたり肩がこったり頭痛がしたりします。どうなっちゃったんでしょうか。
それはたいへんですね。精神的ストレスのせいで自律神経失調症になっている可能性があります。
「自律神経」というのは、無意識のうちに体の機能の調整をしている神経のことです。交感神経と副交感神経の二系統の神経が体中に張り巡らされて全身状態の調整をしているのです。
たとえば、昔まだ人類が野山で生活していたころに、山で山菜を集めている時にオオカミに出会ってしまったら、脳と体はどんな反応をしただろうかということです。
目がオオカミの存在をとらえると、脳はそれが危険な動物であると判断します。過去の記憶でオオカミが人を襲うことがある肉食獣だと知っているからです。
すると、脳の意識をつかさどる部分は、そのオオカミの様子に意識を集中させます。オオカミが腹をすかせてこっちを狙ってこようとしているのか、それとも腹がいっぱいで襲ってくる気配が無いのか、注意深く観察します。それと同時に、もし襲い掛かってきた場合にはどちら側に逃げたらいいかなど、周囲の状況を把握しようとします。
この時に、自律神経は無意識のうちに体全体の調整を始めます。まず、脈拍が速くなります。全速力で走って逃げないといけないかもしれないので、あらかじめ血液の拍出量を多くするためです。
一方で、胃や腸など内臓の動きを止めてしまいます。食物を消化吸収することに血液が使われることをいったん止めて、手足の筋肉に血液をまわすためです。
オオカミに出会うという、ストレスな事件に対処して生き延びるために、自律神経は無意識のうちに活躍せざるをえないわけです。
実は、これと同じ事が文明社会に生きる私たちの仕事中にも起きているのです。
パワハラ上司に難癖をつけられて怒鳴られて、しかし言い返すことも逃げ出すことも許されずに我慢しなければならないような時、山でオオカミと出会ったときと同じような反応を、自律神経はしているのです。脈拍は速くなり、胃腸の働きが止まり、全身の筋肉が緊張状態にはいります。
そしてこのような職場ストレスが何日間も続くような時、自律神経が疲れはててしまって調整がうまくいかなくなるわけです。これが自律神経失調症です。
特にストレスになることが無い場面のはずなのに、突然脈拍が速くなり血圧がカーッと上がったりします。すると、耳鳴りやメマイが起きることもあります。逆に血圧がスーッと下がって倒れこんでしまうこともあります。
胃が動かなくなるので嘔吐してしまったり、激しい下痢をしたりします。
目や耳などの感覚器が集中する頭部のつけねである肩から頚部が、筋肉の緊張が最も強い部分です。そのせいで肩の血流が悪くなり、炎症をおこして痛くなります。痛みは肩から首、そして頭へと拡がっていきます。特にパソコンの画面を見続ける仕事の最中にストレスになる事件が起きたりすると、いっぺんに肩こりや頭痛が襲ってきます。
このような症状をひっくるめて自律神経失調症と言うのです。
これはうつ病などの精神障害の前触れである場合が多く、放置すると数ヶ月のうちに精神症状が出てくることが多いので、気をつけないといけません。
早いうちに精神科、あるいは心療内科で診察してもらった方が良いのではないでしょうか。そして、ストレスとなっている原因をどうやって取り除くか、職場の安全管理が問われていると思います。
| 固定リンク
「うつ病は業務災害・公害だ」カテゴリの記事
- ストレスチェックって、回答しないといけませんか(2016.08.06)
- ユニオン全国交流集会in愛知・パワハラ精神疾患分科会に参加(2015.10.03)
- 「仕事依存症」の流行が問題だ(2015.06.23)
- 不眠症は労災にならないの?(2015.05.29)



コメント