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 喜びがやってくる!独裁者追放をえがいた映画「NO」

 雑誌「ビッグ・イシュー」で取り上げられていた映画「NO」を見てきました。

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 これは、1988年に南米チリで実際におきた、独裁者ピノチェト将軍の追放を実現した国民投票のことをえがいた映画です。

 独裁者ピノチェト将軍様とは、すさまじい恐怖政治を行なった暴力的な独裁者です。もともと陸軍司令官だった将軍様は、1973年にクーデターを実行。大統領官邸を戦闘機で爆撃して大統領を虐殺。政府関係者や大統領支持者を一晩で最低でも3000人は殺害したという殺人鬼です。

 そして憲法を「改正」して憲法に「この国の大統領はピノチェト将軍様である」と書き込み、独裁体制を確立したのです。野党はすべて解散させられ、テレビ放送局は将軍様直属の国営放送だけになり、野党の政治家は片っ端から逮捕され、拷問され、殺害されました。アメリカに亡命していた野党指導者を、爆弾テロで殺害するという国際法違反の蛮行までも行いました。

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 しかし、独裁体制の暴力への国際的な批判が高まる中で、ピノチェト将軍様は形だけでも国民の投票で大統領に選出されたということにせざるをえなくなりました。それが1988年の国民投票です。「将軍様が大統領を続けることにイエスか、それともノーか」という国民全員の投票が行なわれることになったのです。

 17あった野党のうち16が集まって、「国民投票ではNOを!」と訴える「NO派」を結成しました。しかし、野党たちには政治活動の自由はありません。ただ、投票が行なわれる直前の27日間に限って、深夜に15分間だけ国営テレビで「NO派」の宣伝をしてもいいという許可がおりたのです。

 「NO派」に唯一許された15分間、27回のCM。これを作製することになったのが、この映画の主人公、レネ・サアべドラです。レネは国営放送の番組作製で働くフリーの広告マンでした。仕事の上司は当然ながら将軍様の支持者で、将軍様のためのコマーシャルを作っている人物です。その上司とも対立しながら、レネは「NO派」のCM作製を進めていきます。

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 レネは、「NO派」のシンボルマークを虹にします。保守党から共産党まで、「独裁にNO」だけを一致点に様々な主義主張の野党が連合したことを表現するためです。それは、未来への希望も表現していました。

 CMソングは「チリ、喜びがやってくる」です。覚えやすく明るいメロディーの曲で、一回聞けばサビの部分は誰もが覚えて口ずさむことができます。CMは独裁の無い社会の楽しさを歌や踊りやユーモアで表現していきます。

 野党の歳をとった政治家の中には、かつてのピノチェト将軍の蛮行のひどさを告発するCMの方がいいという人もいました。しかしレネは反論します。「みんなの恐怖感を膨らませてはいけない。みんなが持っている恐怖感を越えていける希望を表現したい。現在のチリは未来志向だ。」

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 テレビでCMが始まると、その出来のよさにビックリした将軍様支持派が、様々な嫌がらせを「NO派」にしてくるようになりました。しかしレネは負けていません。さらに印象的なCMを作ることでこれに反撃していったのです。

 「NO派」と「将軍様支持派」との競争は激しくなっていきます。最初は絶対に勝てるはずがないと思われていた「NO派」への国民の支持はどんどん大きくなっていきました。しかし「支持派」には軍隊による圧倒的な暴力や不正投票という汚い手があります。いったいどちらが勝つかまったくわからない中で、国民投票の日を迎えるのです。

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 不正な権力を行使する独裁者、これはチリの将軍様だけの話ではありません。日本でも「独裁がすばらしい」と公言するような心の狭い人物が政治家になってすき放題やっていたりします。また、職場ではパワハラ上司が違法で卑怯な暗黒の恐怖支配を行なっています。

 しかし、決して勝利をあきらめてはいけないのだと、チリの人々は教えてくれているのだと思います。

 真っ暗で、不安でいっぱいの日本の社会ですが、喜びをつかみとる日がやってくるのではないでしょうか。その日は、何もせずに待っているだけではやってきません。この映画の主人公レネのように、自分からつかみに行かないといけないものなのです。私達もはっきりと「NO!」と言いましょう。

 独裁にNO! 暴力にNO! パワハラにNO!

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