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ホットなドキュメンタリー映画「圧殺の海」・沖縄の今を理解するために必見

  今、もっともホットなドキュメンタリー映画「圧殺の海・沖縄辺野古」を見てきました。

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  辺野古とは、沖縄本島の東海岸にある岬です。辺野古埼のある大浦湾は、世界有数の美しいサンゴ礁が残っているパワースポットです。

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  遠浅のサンゴ礁に潜ると、すばらしい景色が目の前にあらわれます。

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  これはアオサンゴの巨大な群落です。アオサンゴは世界的に珍しいサンゴなのですが、こんなに大きなものは他では見ることができません。

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  大浦湾のサンゴ礁には、数え切れないほどたくさんの魚や貝が生息しています。世界中の海洋生物学者が大浦湾を訪れ、希少な生物を研究しています。

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  さらに、絶滅危惧種に指定されているジュゴンが生きていると、沖縄で唯一確認されているのが大浦湾です。

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  ジュゴンが食べるのはアマモという海草です。この画像の真ん中に手前から奥にかけてアマモがはえていなくて白い砂地が見えているところがありますが、これはジュゴンがアマモを食べた跡です。このようなジュゴンの生活痕を確認できるのは、日本では今では大浦湾だけになってしまいました。

  大浦湾は、世界遺産に登録されてもおかしくないほどの自然の宝庫で、沖縄の地元の人たちにとっては命のように大切な誇りなのです。

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  この辺野古・大浦湾を埋め立てて、新しい米軍基地を作ることを日本政府が計画したのが、辺野古の米軍基地問題です。沖縄の人たちはこれに反対してきたのですが、一年前、当時の仲井真県知事が工事を許可すると発表してしまったのです。

  地元住民による、座り込みが始まりました。工事車両が通るはずの米軍基地ゲート前に座り込み、抗議を続けたのです。80歳をこえるオバーたちもやってきて、炎天下で座り込みます。

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これまで自由に入ることができた辺野古埼周辺の海に突如立ち入り禁止区域が設けられました。画像の緑の線が立ち入り禁止区域です。海底に穴を掘って基地建設のためのボーリング調査をするというのです。

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  人々はカヌーにのってボーリング調査の近くまで行き、抗議を行いました。

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  すると、海上保安庁のボートがやってきて、カヌーを棒で突き、カヌーの人たちに襲いかかったのです。

  海上保安庁の職員は、おぼれている人を救助するのが仕事です。それが、逆に暴力的に襲い掛かってくるのです。おかしなことに彼らは「危ないですよ~危ないですよ~」と言いながら襲ってきます。「安全指導」と言って、「危険な海域に入った人を連れ出す」ことが名目だからです。ところが、同じ海域でアメリカ軍兵士が海水浴をしていても、彼らは「安全指導」をしようとはしません。もともと、危険な海域などではないのです。海上保安庁が暴力的に人々を排除しようとするから、危ない状態になったのです。

  そして、カメラは一部始終を克明に記録していました。このドキュメンタリーはすさまじい迫力です。海を守ろうとする住民の豊かな表情も、そこに襲い掛かる暴力的な権力の姿も、ありありと描かれ、涙なしでは見られません。

  昨年11月、辺野古への新基地建設に反対する翁長知事が当選しました。問題はこれで解決すると思われました。しかし、安倍政権は沖縄の民意を圧殺するかのように、基地建設をごり押しで進めてきたのです。さらに暴力的にです。今日、この時間も、辺野古の米軍基地ゲート前では緊迫した座り込みが続いています。

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  沖縄の今の姿、そして私たちが生きる日本の国の真の姿を理解するために、必ず見ておきたい映画です。

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コメント

 自民党が売国勢力に成り果てた今、このように国土を愛する人々が献身的に横暴に抗していることに、深く頭が下がる。このような美しい心こそ、私たちの守るべき伝統ではないだろうか。翁長知事には、ぜひがんばっていただきたい。
 アメリカに海を売り人を売り魂までも売ってしまった自民党に、皆で唾を吐きかけよう。

投稿: 憂うるか雲 | 2015年1月25日 (日) 15時47分

東南アジアにはアメリカの基地を撤退させた後に、中国に海を実効支配された国もあります。
そんな隣国が威圧してくる中で、どのように対応していくのでしょうか?
隣国に実効支配されてから対応が不十分だと抗議しても遅いのではないでしょうか?
他の県にも基地はあります、沖縄だけを下に見ているとかではないでしょう。
沖縄は人口が増えるくらい人気のある地域です。

投稿: 匿名希望 | 2015年2月 7日 (土) 11時37分

「他の県にも基地はあります」って、沖縄の現実を知らなさすぎ。米軍兵士による凶悪犯罪は圧倒的に沖縄に多いんですよ。強盗や強姦が頻発しているんです。しかも、米軍兵士を県警は捕まえることができない。犯罪をしても米軍が国外に逃がしてしまうから処罰されない。これで主権国家と言えるのかということを、沖縄のみんなが感じているんですよ。

投稿: じゃんぐさ | 2015年2月 8日 (日) 15時42分

憂うるか雲さん、いつもコメントありがとうございます。また、匿名の方、じゃんぐささん、コメントありがとうございます。
沖縄の基地問題を見て痛感するのは、上から目線で知ったかぶりな発言をする人の多さです。
私たちは、そこに暮らす庶民の目の高さから、この問題を考えていきたいと思っています。
大切なのは暮らしの安全、そして郷土愛と子どもたちを守ること。庶民はぶつかり合いながらも、愛することを忘れては生きてはいけないものだと思います。

投稿: みるめ | 2015年2月 8日 (日) 21時22分

中国が沖縄に攻めてくるなんて、妄想だ。普通のビジネスマンなら知ってること。商売だよ、商売。
妄想人間は、よほど仕事をしてないね。

投稿: J.B. | 2018年11月10日 (土) 10時38分

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