« ホルムズ海峡封鎖が問題だと安倍sorryは言うが | トップページ | 安保法案で核兵器の運搬ができるのか »

働く部屋が過密で狭すぎるのは労働基準法違反?

 次のような質問をいただきました。

 私の働く事務所ですが、狭い部屋にものすごくたくさんの人が押し込められてて、満員電車みたいな感じです。隣の人とぶつかりあって、たいへんです。これって、労働基準法に違反しないんですか。

2015_08010000




 結論から言えば、狭い事務所でたくさんの労働者を働かせるのは、労働基準法に違反する疑いがたいへん強いことです。法律で、労働者一人あたりの面積の基準が決められています。

 労働基準法の関連法である労働安全衛生法に付属する規則の中に、「事務所衛生基準規則」というものがあります。

 この「事務所衛生基準規則」の第二条に、次のように書いてあります。

第二条  事業者は、労働者を常時就業させる室の気積を、設備の占める容積及び床面から四メートルをこえる高さにある空間を除き、労働者一人について、十立方メートル以上としなければならない。

 おわかりでしょうか。ちょっと難しい書き方ですが、労働者一人当たりの部屋の体積を10立法メートル以上にしないといけないということなのです。

 つまり、部屋の天井までの高さが2.5メートルの部屋であれば、一人当たりの広さを4平方メートルにしなければならないのです。2.5メートルの高さというのは、庶民的な集合住宅(安いアパート)での天井までの高さです。

 会社のオフィスであれば、天井の高さがもっと高いところもありますね。でも、天井までの高さが4メートルを超える場合は、4メートルとして計算しろということなのです。高さが4メートルの部屋なら、労働者一人当たりの広さは2.5平方メートルです。

 もし、一つの事務所にたくさんの労働者が入れられて、一人当たりの体積が10立法メートルを下回ることになれば、それは事務所衛生基準規則に違反し、つまりは労働基準法に違反することになります。

 建物の設計図を見ることができないのなら、巻尺で部屋の寸法を測って、労働者一人あたりの部屋の体積を計算してみることをお勧めします。部屋に設置されている大きな設備の体積を引き算することも忘れないでくださいね。設備の体積を除いて、10立方メートル以上ということですから。

|

« ホルムズ海峡封鎖が問題だと安倍sorryは言うが | トップページ | 安保法案で核兵器の運搬ができるのか »

仕事が原因のケガ・病気は労災です」カテゴリの記事

コメント

 私の働く職場の場合、天井の高さは3mなので、10÷3=3.3平米が一人当たりの確保されるべき広さということですね。
 3.3平米って、大きめの畳2枚分。うちの職場、そんなに広くない気がするな。

投稿: kwai-gan-jin | 2015年8月17日 (月) 21時43分

kwai-gan-jinさん、コメントありがとうございます。
職場の広さというのも、労働条件の一つです。通常は、狭すぎると作業効率が落ちるので、一人当たりの気積10立方メートルという基準を下回ることは少ないのです。しかし、事務所だから狭くていいと考える企業もあり、狭すぎて安全が保てないところがあるのも事実です。

投稿: みるめ | 2015年8月21日 (金) 21時32分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 働く部屋が過密で狭すぎるのは労働基準法違反?:

« ホルムズ海峡封鎖が問題だと安倍sorryは言うが | トップページ | 安保法案で核兵器の運搬ができるのか »