第27回コミュニティユニオン全国交流集会inあいち
9月26日~27日の二日間、愛知県の名古屋近郊の工業地帯・刈谷で、第27回コミュニティユニオン全国交流集会が開催されました。
なかまユニオンと同じように、全国各地で活動している個人加盟の地域ユニオンが年に一回集まって交流するのが、この全国交流集会です。
壇上で炎の帽子をかぶっているのは、ストライキを決行して全国的に有名になった東京東部労組メトロコマース支部のみなさんです。
職場に一ケタの組合員しかいないのにストライキができるのか?できるということを実際に示してくれたのがメトロコマース支部です。最近の日本は、企業の横暴に対して日本国憲法にも定められたストライキ権を行使することが難しくなっています。しかし、やり方次第では「できる」のです。
フィリピントヨタ労組と、その支援のみなさんです。安い人件費をねらってフィリピンに工場進出したトヨタ自動車が、横暴な運営で不当解雇を行ったことに対して、フィリピントヨタ労組は何年間も不当解雇撤回を求めて闘い続けています。今回、トヨタ自動車発足の地である刈谷での交流集会が開催されたのは、トヨタ自動車への社会的な圧力という意味もあります。
中谷雄二弁護士は、労働問題の裁判をしてきた経験を語ってくれました。「労働裁判には、ほかでは味わえない感動がある」とおっしゃいます。
労働者が不当な扱いを受けて弁護士に相談してきたとき、「法律上はどうしようもないね」とか「判例では、裁判しても、うまくいっても〇〇万円だね」とか、法律と判例の枠の中でしか考えない弁護士が多いのだと中谷弁護士は憂います。それは結果的には被害者にあきらめろと我慢を強いるものでしかないのです。しかし、中谷弁護士は怒ります。「法律の問題じゃないだろ。人権の問題だろ。判例をどう突破するか考えるのが弁護士だろ。」
中京大学の大内裕和教授は、最近問題になっているブラックバイトの背景には、奨学金の問題があると告発しました。
学生がブラックバイトに悩まされています。「バイトのシフトを断れないせいで試験を受けられない」「バイトのシフトを断れないせいで就職の面接にいけない」こんな学生が急増しているのです。
「そんなバイトなら、辞めちゃったらいいんだ」と思うのは、学生が現在直面している実情を知らない世代の人なのだと、教授は言います。
「辞めたくても辞められないんですよ。奨学金の返済をしなきゃいけないからです。」
大学を卒業して就職したら1000万円の借金を背負うことになる、それが奨学金の実情です。順調に返済できればまだ幸せです。ちょっとでも返済が遅れたら、延滞金として10%という率で追加徴収されるのです。膨れ上がる利子は高利貸と同じで、「60歳になっても奨学金を返済しきれない。」「本人は死んでこの世にいないのに、奨学金返済の督促が届く」そんなことが発生しているのです。
「奨学金を返済できない人は軍隊に入ってもらう」つまり「金を返せなかったら戦場に行ってこい」という制度がアメリカでは始まっているし、アメリカべったりで安保法を作ってしまった安倍政権が、これを日本でも開始するおそれがあると、大内教授は警告しました。
安保法制と並行して、徴兵制が準備されているという噂は、本当のことだったんですね。参加者はみんな、これはどうにかしないといけないぞと顔を見合わせていました。
夕刻は、立食パーティ形式のレセプションです。参加者が舞台上にもあがりましたが、400人も参加しているので、全員がスピーチというわけにはいきません。
シャープのフィリピン人の労働組合のみなさんです。8月に不当解雇をされて、解雇撤回と企業の再生を求めて闘っています。フィリピン人は、逆境に強いですよね。つらい立場のはずなのに、仲間といっしょにいるのがうれしくてたまらない雰囲気で、明るく元気に歌い始めます。
地域ユニオンは個人加盟なので、芸人さんも加盟しています。名古屋で大道芸をしているという芸人さんも参加していました。びっくり。
以上、全国交流集会の1日目でした。
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