化血研のインフルエンザワクチンが出荷停止処分に
2015年の10月現在、インフルエンザワクチンがあちこちで不足しています。
インフルエンザワクチンの大手メーカーである化血研(かけつけん)のワクチンが、厚生労働省によって出荷停止処分になってしまったからです。化血研は熊本の製薬会社で、西日本でシェアが多いのです。大阪では、化血研と阪大ビケンとでインフルエンザワクチンのシェアのほとんどを占めているのではないでしょうか。
なぜ、出荷停止なのか。化血研の製造しているワクチンの製造方法に問題があったからだと言われていますが、全面的に出荷停止処分にしなければならないほどの問題とはいったい何だったのか、明らかにはされていません。
もし大きな問題があるのなら、昨年のインフルエンザワクチンは大丈夫だったのか、心配になってきます。
チメロサールフリーつまりチメロサール無添加のワクチンは確保できるのかというお問い合わせは多いのですが、残念ながらチメロサールフリーのワクチンは少ないのです。なぜかというと、生卵を原料にして作るインフルエンザワクチンは腐敗が早く、強力な防腐剤であるチメロサールをいれないと、すぐにいたんでしまうからなのです。
チメロサールフリーのワクチンは、かわりにフェノキシエタノールという防腐剤を使うのですが、これはアナフィラキシーショックを起こしやすいという報告もあります。おかげで、チメロサールをやめてフェノキシエタノールに全面的に切り替えることは難しいのだそうです。
有機水銀化合物であるチメロサールは、一回くらいの接種ではただちには人体に影響を及ぼさないかもしれませんが、何回も体に入れるのが良くないことはわかります。有機水銀は尿などで排泄されることが無いからで、有機水銀が体内に蓄積すると神経細胞を破壊することは水俣病で明らかになっています。特に小さなお子さんには心配です。
化血研のワクチンの出荷停止処分の原因はいまだにわかりませんが、インフルエンザワクチンという薬品そのものが技術的に問題をはらんでいることは間違いないといえますね。
なお、上記の画像は今年のインフルエンザワクチンのものではありません。
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コメント
化血研は、インフルエンザワクチン以外も出荷停止になってる。何が悪いのか公開されないことがおかしい。とんでもない事実が隠されている気がする。
投稿: おぼえてるぞ緑十字 | 2015年10月25日 (日) 12時02分
おぼえてるぞ緑十字さん、ブログを読んでいただき、コメントをいただき、ありがとうございます。
化血研は、インフルエンザワクチンだけは、21日に出荷停止処分が解除されました。しかし、インフルエンザワクチン以外の多くの薬品が出荷停止のままであることは事実です。
血液製剤を多く製造している化血研ですので、その理由は気になるところです。血液製剤は、ウイルスが紛れ込むなどの重大な問題をひきおこしかねませんからね。
投稿: みるめ | 2015年10月26日 (月) 22時50分
やはり、化血研の薬はおかしな作り方をしていたことが明るみに出た。
使ってはならないヘパリンを添加していた。すべての血液製剤企業の、真相究明するべきだ。
投稿: おぼえてるぞ緑十字 | 2015年11月 8日 (日) 11時40分
おぼえてるぞ緑十字さん、コメントありがとうございます。
化血研の血液製剤問題で、厚労省は同社への行政処分を考えていることを発表しました。
実際にはヘパリンを加えていたにも関わらず、厚労省にはヘパリンを加えていないという届け出をしていたからです。ウソの申請をしていたことになります。
ヘパリンは、血液が固まりにくくする薬です。医療現場でもしょっちゅう使われています。それを、なんのために血液製剤に添加する必要があったのか、また、添加したことを隠していたのはなぜなのか、真相を知りたいところですよね。
投稿: みるめ | 2015年11月 8日 (日) 18時02分