常軌を逸した化血研の不正と腐敗・真相究明をのぞむ
化血研(化学及び血清療法研究所)の薬品出荷停止問題で、たくさんのお問い合わせをいただいています。
熊本にある製薬メーカー、化血研が厚労省に提出していたのとは違う方法で薬品を作っていたことが内部告発で判明した問題です。
今年の6月に厚労省が出荷停止を指示してから調査が進められたのですが、調査すればするほど、不正の規模が大きく、組織的犯罪であったことがわかってきたのです。40年も前から不正を続けていたのです。
化血研は、「常軌を逸した隠蔽体質」と批判されています。厚労省に提出するニセのマニュアルをわざわざ別に作っていただけでも異常です。さらに、古いマニュアルを新しく偽造したのを隠すために、新しい書類に紫外線をあてて古い紙にみせかけるという手の込んだまねまでしていたのです。
ここまでやると犯罪組織です。いくら謝っても、信頼回復は難しいですよね。
お問い合わせで多いのは、問題になった化血研が作っていた薬品の種類を教えてほしいということです。
化血研は、血液製剤とワクチンとを作るめメーカーです。以前、薬害エイズが社会問題になった時も、血液製剤の中にエイズウイルスが混入していたので謝罪したという経緯があります。
化血研の作っている薬品は、まずはワクチンです。
私たちにもっとも馴染みがあるのはインフルエンザワクチンです。日本で使われるインフルエンザワクチンの3割が化血研のものです。
そして、B型肝炎のワクチン「ビームゲン」、A型肝炎のワクチン「エイムゲン」、百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオの4種混合ワクチン「クアトロバック」です。ほかにも、狂犬病やハブなどのワクチンを多種類製造しています。
そして血液製剤です。
献血ベニロン、献血グロブリン、献血アルブミン、バイクロット、コンファクトF、ノバクトM、アンスロビン、ヒスタグロビン、献血トロンビン、ボルヒールなどです。
血液製剤は、薬害エイズ事件以後は使用が制限されています。また、使用記録を20年間保管することになっています。
お問い合わせでもう一つ多いのは、化血研の薬品に違法な添加物が加えられていましたが、それでどのような被害が発生するのかということです。
今のところ分かっているのは、化血研が薬品の製造過程でヘパリンという薬品を添加していたということです。そして、ヘパリンを添加していることを厚労省には隠していました。何も害が無いのなら、正直に「添加しています」と報告すればいいわけです。それを隠蔽していたということは、なんらかの害があるはずだと考えられます。
ヘパリンは、血液が固まりにくくするための薬品として、医療現場ではよく使われています。人間の血液の中には、血液を固める作用の「トロンビン」と血液を固めない作用の「アンチトロンビン」があるのですが、ヘパリンは「アンチトロンビン」の作用を助けることで血液を固まりにくくするのです。
ヘパリンは、その人の体質によっては血液がまったく固まらなくなってしまうこともあり、慎重に使うべき薬品です。副作用が無いとはいえません。しかし、化血研の薬品の製造過程でヘパリンが使われていたことが、実際に患者の体にどのような悪影響をおよぼしていたのかは、私たちにもまだわかっていません。
とにかく、化血研には薬害エイズを引き起こしたことへの反省がまったくなかったことがわかってしまったわけです。私たちは、医療現場で働くものとして、化血研の不正事件について徹底した真相の究明を求めます。
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コメント
詳しく報道している記事がありました。
ttp://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/171137
--------以下、別の事例-----------
ttp://news.yahoo.co.jp/pickup/6184628
ttp://rodo110.cocolog-nifty.com/aichi/2008/04/post_5238.html
ttp://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11116772931
愛知県の労働局長が派遣業界に天下りしたという記事もありました。
投稿: | 2015年12月19日 (土) 12時21分