62人の金持ちが世界の半分と同じ額の資産を占有
貧乏人には想像もつかないような話です。
世界の大富豪のトップ62人、その所有する資産の合計は、世界の人口の半分36億人の資産の合計より多くなったそうです。
この調査結果は国際NGOのオックスファムが今年の1月に発表したものです。大富豪62人の持つ資産が、36億人の持つ資産と同じということは、大富豪の人たちがどれだけたくさんの資産を独占しているかという話なのです。
ここ数年間で、62人の持つ資産は増え続け、逆に36億人の資産は減り続け、ついに2015年に追い越してしまったというのです。
62人と言うと、有名なロンドンの二階建てバスに乗れるくらいの数です。「バス1台が世界経済を支配する」と言われるようになりました。
そういう大富豪の暮らしぶりは、私たちとはまったく違います。自家用ジェット機で世界をとびまわり、世界中の土地を買い占め、所得税がまったくかからないカリブ海の島の銀行に口座を開設しているので税金も払わなくてすむのです。
では、その世界の大富豪のトップ62人とはいったい誰なのでしょうか。
堂々1位を獲得したのは、かの有名なマイクロソフト社のビル・ゲイツ氏で、資産は792億ドルです。
2位はメキシコのテレコム社のオーナーでラテンアメリカの通信事業を牛耳っているカルロス・スリム・エルー氏で、771億ドルです。
3位は世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイ社の筆頭株主ウォーレン・バフェット氏で、727億ドルです。
日本人で62人に入っているのは、41位の柳井正氏で、202億ドルです。「ユニクロ」で有名なファーストリテイリング社の社長です。
1ドルは約111円です。ざっと100円だと考えても、100億ドルということは1兆円ということです。
1兆円って、1万円札で1億枚です。1億枚の一万円札は、重さで100トンにもなります。4トントラックで25台分か…。
また、今回のオックスファムの調査では、金持ちの上位1%の持つ資産の合計が増え続け、ついに2015年に残り99%の資産の合計を追い越したことも報告されています。
事業に成功した人がお金持ちになるのは構わないのですが、ここまで富が偏在してしまうと、経済がうまくまわらなくなります。経済は生産物の交換だからです。お金を持っていない人は交換に参加することができません。
問題は、富の偏在=格差というのは自然に生まれたものではなく、人為的に作られたものだということです。不平等な制度が格差を生み出すのです。
金持ちをさらに金持ちにするような政治を行うというのがアベノミクスです。法人税や高所得者の所得税は引き下げられ、消費税は上がっていきます。おかげで国の税収の合計は増えないのに、庶民の納税額ばかりが上がって重圧になり、金持ちは納税額が下がって資産をため込んでいくのです。
金持ちがさらに金持ちになれば、庶民にもおこぼれがしたたり落ちてくるというのが「トリクルダウン(したたり落ち)」の理論です。しかし、実際に私たちの身の回りを見ればわかるように、トリクルダウンは全然発生していないですよね。
金持ちがさらに金持ちになる政治を突っ走り、経済の破たんに陥るのか、ここらで経済の正常化に転換するのか、よく考えないといけない時にきていますよね。
保育園の待機児童が何万人にも膨れ上がっている現実。ホームレスの一歩手前で漫画カフェで毎日夜を過ごすネットカフェ難民。もはや貯金がゼロという人は珍しくなく、多額の奨学金債務をかかえて生活破たんする若者が後を絶ちません。もう、がまんできません。
最貧困層の底上げはまったなしです。最低賃金の値上げを求める運動は世界中に広がり、アメリカでは最賃時給15ドル(約1700円)が実現しつつあります。
オックスファムは、税金のかからない脱税天国「タックスヘイブン」の取り締まりの強化をするべきだと報告しています。そちらも読んでみてください。
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