竜神が卵を産むという辺野古の浜 [沖縄紀行その2]
沖縄本島の名護市東海岸、辺野古の浜に行ってきました。
辺野古の浜は沖縄の古い伝説では、沖縄の守護神である竜神様が卵を産む海なのだそうです。沖縄でも有数の聖地です。
辺野古の集落の西のはずれにある前ノ御嶽(メエヌウタキ)です。
沖縄では左御紋(ヒジャイグムン)と呼ばれる三つ巴の御紋が見えます。これは琉球王朝の御紋と同じです。一説ではこの紋章は琉球王朝の始まりにまでさかのぼる紋章で、勾玉をデザインしたものとも言われています。
6月19日の沖縄県民大会で月桃(げっとう)を歌った歌手、海勢頭豊さんの説では、この紋章は三匹のジュゴンをデザインしたものだとのことです。辺野古の浜は、日本で唯一ジュゴンの写真が撮影された場所ですので、沖縄の伝説にある竜神様とはもしかしたらジュゴンのことなのかもしれません。
御嶽の近くにある神アサギです。集落の伝統的な行事の時に、みんなが集まる場です。
神アサギの前にある神屋です。やはりヒジャイグムンが描かれています。
海辺へと到着。サンゴ礁の浅い海に、静かに波が寄せています。辺野古の浜の港にある小島には、竜神の拝所があります。
ここにも三つ巴紋があるのですが、ヒジャイグムンとは回転方向が逆になっています。なぜ、ここの紋章が逆回りなのか、謎です。この拝所は新しいものらしいので、そのことと関係があるのかもしれません。
どの御嶽を見ても共通していることですが、沖縄の御嶽には御神体がありません。沖縄の伝統的な風習は、権威づけされた偶像を崇拝するのとは違っています。
辺野古の浜では、春には豊漁を願って爬竜(ハーリー)が行われます。浜にはハーリーの船が置いてありました。
よく晴れた青い青い空。風に吹かれて雲が流れてきます。雲の加減で照り付ける日光の強さが変わるたびに、浅いサンゴの海はエメラルドグリーンから濃いブルーへと変化していきます。ネオンサインのようです。
海水のあぶくが寄せては消える浜には無数の貝殻がうちあげられ、ヤドカリがちょこちょこと歩き回っています。
浜昼顔(はまひるがお)が咲き乱れています。風がとおりぬけるたびに、花が風に揺れて葉がきらきらと光ります。
浜の木陰でボーッと海を眺めていると、ウミガメを観察しているという男性がやってきて、「ここはウミガメが卵を産むんですよ。今日はウミガメはいませんね。」と語っていました。
なんとも静寂な辺野古の浜。心が安らぎます。しかし、この海は実は平穏な場所ではないのです。浜は冷徹で不細工なフェンスによって区切られています。
あろうことか、このフェンスの向こうの海を埋め立ててしまって、アメリカにくれてやろうという計画があるのです。
つづく
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