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不時着しようとすると墜落してしまう危険な飛行機・オスプレイ

 12月13日、沖縄県名護市の安部地区の海岸、集落から50メートルほどしか離れていない場所に、アメリカ海兵隊のオスプレイが墜落するという事故がありました。

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 オスプレイは、名護市の東側30キロメートルの海上で、空中給油の訓練中にトラブルを起こしました。飛行の継続が難しくなってキャンプ・シュワーブへと引き返す途中で、墜落したとのことです。

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 空中給油というのは、上の画像のように行います。空中給油機KC130から、油を送るホースが後方に伸び、そこに後ろから給油される側の飛行機が接近してホースの先端を接続するのです。

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 オスプレイが空中給油をされている時は、上の画像のような感じになります。これ、オスプレイにとっては難しいオペレーションですよね。なぜなら、ものすごく大きいプロペラが左右に並んで回転しているその隙間から給油用ホースを伸ばさないといけないからです。ちょっと間違えると、プロペラにホースがからまって大惨事になってしまいます。

 しかし、オスプレイにとっては、空中給油は是非ともしなければならないこととされています。それは、オスプレイが長距離侵攻を目的に開発された機体だからです。実際に、沖縄の普天間基地に配備されたオスプレイは、空中給油を受けながらたった2日間でオーストラリアの北端まで飛んだという実績を誇っているのです。

 今回の事故は、オスプレイが長距離侵攻をするための空中給油訓練最中に、給油用ホースがプロペラと接触するなどのトラブルを起こし、プロペラが破損して飛べなくなった可能性が高いものと思われます。

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 今回の事故は、日本政府は「不時着」事故だとしていますが、沖縄県は「墜落」事故だとしています。「不時着」か、「墜落」か、いったいどちらなのかという激しい議論が起きています。しかし、機体がバラバラになって飛び散っている事故現場の画像を見ると、これは不時着とはいいがたいですよね。常識で考えれば墜落です。

 アメリカ軍の準機関紙「星条旗」でも、今回の事故は「crash」、つまり墜落と書かれています。アメリカ軍が墜落だと言っているのに、意固地に「墜落ではない不時着だ」とこだわっている日本政府の政治家たちは、ちょっと滑稽ですよね。何を守ろうとしているんですかね。

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 ちなみに、上の真っ黒な煙を噴き上げている画像は、昨年ハワイでオスプレイが落ちた事故の画像です。この時はアメリカ軍は「hard landing」、つまり「衝撃を伴う着陸」という表現を使いました。機体が燃えてはいるがバラバラにはなっていないので、墜落とは表現しなかったようです。

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 今回の事故はアメリカ軍も認めているとおり「墜落」だったのですが、「不時着か」「墜落か」という論争が起きることそのものが、オスプレイという機体の脆弱性のあらわれなのです。

 海上でトラブルを起こし、基地に戻ろうとしてそれが無理だということがわかって、パイロットが浅瀬に不時着しようと試みたのは、おそらく間違いないのです。パイロットの主観では「不時着しようとした」のです。

 しかし、それが結果的には機体がメチャクチャになる「墜落という結果」になってしまった。つまり、オスプレイという飛行機は、安全に不時着することができない飛行機なのです。

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 オスプレイは離着陸の時には、プロペラを上に向けてヘリコプターのように垂直に離着陸します。しかし、空の上ではプロペラを前に向けて高速飛行をするのです。長距離を高速で侵攻するために、このような機体が開発されたのです。ところが、この機体はいったん事故が発生したら、とんでもないことになるのです。

 普通の飛行機は、飛行中に事故が起きてエンジンが止まってもグライダーのように滑空しながらゆっくりと高度を落とし、安全に不時着できる場所をさがします。また、普通のヘリコプターは、事故が起きてもプロペラをゆっくりと回転させながら空気抵抗を利用して高度を安全に下げていくのです。

 ところが、オスプレイはこのどちらも行うことができません。グライダーのように滑空するには固定翼が小さすぎるし、ヘリコプターのように空気抵抗を利用するにはプロペラが小さすぎるのです。

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 これは、12月16日に事故現場で見られた、アメリカ軍兵士の作業の様子です。なんと、放射能防護服を着て作業しているではありませんか。いったい、何がオスプレイに積まれていたのか、沖縄県民でなくても不安になります。

 しかし、オスプレイの危険さは、不時着しようとしても墜落になってしまう、機体そのものの設計ミスにあるのです。本質的に危険な飛行機であるオスプレイは、たとえ放射性物質を積んでいなくても、沖縄の空を飛ばすわけにはいかないのです。

 日本政府が、事故直後にさっさとオスプレイの飛行許可を出してしまったのは、どう考えてもおかしいのです。「民家の上に落ちなかったのだから感謝すべきだ」とアメリカ軍のニコルソン司令官に言われて、へーこらしながら許可を出しちゃったんでしょうね。屈辱っていう言葉、知ってるのかよ。

 



 

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