診療報酬のマイナス改定なんて、ありえない!
来年の4月の診療報酬改定がマイナスになると、安倍政権・厚労省が言っています。とんでもない話です。
診療報酬のマイナス改定ということは、医療機関の収入がマイナスになるということです。ここ数年、消費税がどんどん上がる中にあっても、診療報酬改定はマイナスが続いてきました。病院の出費は増えていくのに、収入は減る一方なのです。それが、国策だと言うのです。
医療技術が進歩すればするほど、病院の出費は自然に増えていくんですよ。これまでは無かった治療法が新たに開発されれば、病院としては実施しないわけにはいきません。そういう最新の医療行為は、出費を伴うわけです。考えてみればあたりまえですよね。
なのに、なぜ収入は増えないのか、おかしいわけです。
すでに日本全国の病院の半分が赤字です。来年4月の改定こそは、プラス改定にならないと日本の医療が持たないのです。
これまでは健康保険が使えた医療行為が、どんどん保険が効かなくなっていること、世間にはあまり知らされていません。私たちは病院で働いているので、よくわかります。「先月までは保険が効いていたのに、今月からは保険が使えません。」そんなことが、どんどん拡大しています。
保険が使えなくなるということは、その医療行為をすることをあきらめるか、全額自費負担で行うか、どちらかということです。どちらにせよ、日本国内の人々の医療を受ける権利が少しづつ切り縮められているわけです。
患者さんから、「なんでやねん!」と怒られますが、病院がそうしたいわけではなく、国策で無理やり決められたことなのです。国策のせいで怒られてストレスをためこむのは、病院で働いている労働者です。やってられませんよ。
診療報酬のプラス改定が実現しなければ、医療で働いている労働者の労働条件は悪くなる一方です。あれも切り詰め、これも切り詰め、節約しまくる職場運営がもう十年近く続いているのですが、それも限界に近づいています。
医師はたくさん給料をもらって贅沢しているというイメージが強いですが、第一線で苦労している医師は自らの命を削り、過労に悩んでいます。過労死寸前のまじめな医師ほど、給料もそんなに高くはないのが実情です。
診療報酬を増やし、十分な人員体制で人の命を守る激務に臨むことが必要です。
私たちは、医療現場での過労死を防ぐためにも、診療報酬のプラス改定を求めます。それが国民が医療を受ける権利を守ることにもなるのです。
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コメント
病院で言われました。高い金額いわれて、どういうこと、って聞いたら。去年は保険が使えたけど、今年は使えなくなった。
同じことしてて、なぜ値上げするか、どこにも理由がわからない。
投稿: 輝秋 | 2017年12月 3日 (日) 12時42分
高価な機材は、大規模な公立病院にあれば良いのではないでしょうか?(風邪の診察などはそれほど進歩していないようなものもあるでしょう。)
医療の世界は狭いので、お互いに批判したりしないでかばい合うような風土が強くあると思います。もちろん、一般的にはすばらしいお医者さんが多いと思います。
しかし、MRに対して意地悪な態度をする医師がいるとも聞いたことがあります。
個人的な経験だと、研修医の診察を受けたことがありました。こちらの話を聞きたがらない態度で早く切り上げようとしている様子の先生でした。嫌な感じだなと思いながら診察が終わって診察室を出たら、次の患者が若い女性でした。その直後、嬉しそうで親切な先生の声が聞こえてきた時は、長く待っていたのに、こんなものかと馬鹿馬鹿しくなりました。
投稿: | 2017年12月16日 (土) 16時30分