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最終号のDAYS JAPAN 広河隆一の性暴力事件の検証は始まったばかり

 2004年以来続いてきた月刊誌「DAYS JAPAN」の最終号が発売されました。広河隆一の性暴力事件について、検証が始まったことがわかります。

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 最近の日本では、性暴力事件の加害者が無罪になることが目立ちすぎます。被害者が勇気を出して訴え出たにも関わらず、裁判所は加害者に味方する不公平な判断をすることが多いのです。とんでもない話です。

 超有名な写真ジャーナリストであった広河隆一が月刊誌「DAYS JAPAN」の編集の仕事に関連して、若い女性に性暴力を行っていた。まったく許せないことです。自分の子や孫のような年代の、ジャーナリスト志望の女性に性暴力をふるいながら、「何の問題も無くつきあっている」という認識しか無かったというのです。自由な意志が保障された環境での同意、それも無いのにセクシャルな行為を強要するのは、性暴力です。心が傷ついているの、わかりませんか?

 広河隆一が撮ってきた写真は、危険な戦場や被災地や人権侵害の現場の人々の姿を伝えてきました。しかし、身近にいる平凡な仕事の後輩の心の痛みに気づかなかったわけですから、その撮ってきた写真には決定的な弱点があったと言わざるを得ません。

 今回の事件は被害者も多く、たいへん深刻な事態です。週刊誌の報道により事件が明るみに出て、「DAYS JAPAN」自身が事件の存在を認めて検証を始めたおかげで、事件が闇に葬られる可能性は少なくなりました。

 最終号の中では、加害者・広河隆一のインタビューが掲載されており、加害者がやっと自らが加害者であったことに気づくところまでは来たことがわかります。

 また、問題を広河隆一個人の問題ではなく、人権団体や左派政治団体の中に広汎に存在する問題としてとらえていることは、当然のことですが、評価してよいと思います。人権団体の中の性暴力事件は隠蔽されることが多いからです。私たちの活動するユニオンの中にもかつてセクシャルハラスメント事件がありました。また、ある左派政治団体の中で発生したセクシャルハラスメントに関する裁判にかかわったこともあります。問題は、あちこちで、しょっちゅう発生しているのです。

 しかしながら、最終号の検証報告は全くもって不十分と言わざるを得ません。どのような被害があったのか、事実関係の確認自体がまだはっきりとはできていないようです。全貌とまではいかなくても、事件のあらましをつかまずには、反省するどころではありません。

 「DAYS JAPAN」の編集部や会社の中で、広河隆一の加害に気づいていた人が多くいたはずなのに、なぜ誰もそれを止めることができずに被害が拡大したのか。そこには組織の体質の問題があったはずです。事件が明るみに出てから、最終号が出るまでの間の経緯にも不可解な点があります。

 この事件を正しく解明しようと、多くの方が今も努力を続けています。事件の検証がきちんとなされることを望みます。「DAYS JAPAN」の発行は終了してしまいましたが、引き続き事態の経過に注目したいと思います。そして、セクシャルハラスメントが蔓延する日本の職場や社会を変えていきましょう。TIME’S UP!

 

 

 

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