年金返せ! 2000万円用意しておけって、無茶苦茶じゃんか!
本日6月16日、東京では「年金返せデモ」が行われました。年金ドロボウを許すな!という話です。
ことの発端は、この6月3日に金融庁が発表した報告書です。「高齢者の収入や支出を調査したところ、収入が足りなくなるよ。2000万円たりなくなるよ。」という報告書だったのです。
これは、日本人の家計調査をして判明したことです。平均的な収入のある日本人の夫婦二人暮らしの高齢者の家庭では、一か月に約5万円の赤字が発生するというのです。
正確には54000円くらいなのですが、あくまでも平均の話をしているので、「5万円」とも「5.5万円」とも報道されています。
とにかく、それだけの赤字が毎月発生するので、65歳から95歳まで30年間生活するとしたら、2000万円は貯金が無いと赤字の補填ができませんよ、という報告だったのです。
このグラフで「社会保障給付」と書いてあるのが、年金のことです。なぜ毎月5万円の赤字になるかといったら、支払われる年金が目減りしたからだというのです。
この報告書を見た麻生財務大臣は、「国民のみなさんは、ちゃんと2000万円貯めておけよ!」と言い放ったのです。
おかしいですよね。老後の生活を保障するためにということで年金という制度があり、年金保険料を毎月支払っているわけです。それを返す段になって目減りしているから自分でお金を用意しておけって、それ何なんですか?
2004年には、「日本の年金制度は100年間安心だ」と政府ははっきりと言っていたのです。
麻生大臣おかしい!とみんなが騒ぎました。そうしたら、何が起きたか。「政府はあの報告書は受け取りません。報告書そのものも捨てちゃってありません。政府は何も存じません。」という見解を政府は発表したのです。
おかしい!あまりにもおかしい!バカにしてるのか?都合の悪い報告書はシュレッダーにかければ問題は解決するのか?
現在、日本人の三分の一は貯金がゼロです。これは、給料日に銀行口座にお金が振り込まれても、翌月の給料日までに全部使ってしまって、給料日直前にはゼロになる、という人のカウントです。「一か月のうち一瞬でも一円でも口座に金が入ってたら、貯金ゼロとは言わないよね。だから、日本人の中で貯金ゼロの人なんてほとんどいないよね。」などと言ってニヤニヤ笑っている金持ち経済学者がいるのですが、生活実態で考えたら、日本人の三分の一が貯金ゼロなのです。
ボーナスも無い、残業代も無い、退職金も無い。非正規労働者はそんなのが当たり前になっているんですよ!どうやって2000万円も貯めろって言うんですか!
年金が目減りしてしまったのは、「溶けてしまった」からだと言います。
氷を真夏に日向に放置したら溶けて無くなってしまうように、年金も溶けて無くなったのだと言います。
年金が溶ける?どういうこと?これは実際は、年金を払うために積み立てていたお金を使い込んでしまったということです。
2018年の10月から12月までだけで、15兆円の年金積立金が消滅しました。株を買ったのが値崩れしたからなのです。それ、バクチに手を出して使い込んだということじゃないですか?
とにかく、払った年金は返してもらいましょう。うやむやにさせてはいけません。
金融庁が作成した報告書「高齢社会における資産形成・管理」。政府が「そんな報告書はもう無い」と言っているので、下記からダウンロードできるようにしておきました。
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